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488話 毒針

「それには猛毒の気配があります! 触れたらコウタ殿まで巻き添えになってしまいます!」


「なんと!?」


 ローズは『治療魔法使い』のジョブレベルを上げている。

 ただ、単に魔法を扱えるというだけではジョブを使いこなせているとは言い難い。

 そのため、彼女は傷病や毒物に関する知識も蓄えている。

 彼女が培ってきた知識や経験によれば、この針には猛毒が含まれているらしい。


「――むっ!?」


 キンキンッ!

 遠くから飛んできた小さな針を、俺は剣で弾き落とした。

 シルヴィやユヅキが剣を取り出して警戒する。


「誰ですか! 姿を見せなさい!!」


 シルヴィはそう叫ぶが、返事はない。

 代わりに、不気味な気配がこの場から遠ざかっていくのを感じた。


「去ったか……」


「こ、コウタくん……。この男はもう……」


 ミナが指差す先には、息絶えた男がいた。

 この短時間で毒が回ったらしい。

 即効性の猛毒か。


「くそっ……。また振り出しか……」


 ウルゴ陛下から指示されている期限まではまだまだある。

 だが、ギルマスにドヤ顔で啖呵を切った期日までは残り僅かだ。

 別に破ったからどうということはないのだが……。


 どこか、不穏な空気を感じる。

 まるで、俺のハーレムに入る予定の獣人の少女が危機に瀕しているかのような……。

 まだ間に合う。

 まだ助かる。

 ――マダガスカル!

 いや、こんなギャグを言っている場合じゃない。


「……大丈夫。振り出しじゃないよ……」


「そうですにゃ。少なくとも1つの重要拠点は潰せましたにゃ」


「それに、下っ端とはいえ構成員もずいぶんと減らせたしね」


 ティータ、セリア、ユヅキがそう慰めてくれる。


「だがよ、コウタっち。言いにくいことだが、こりゃ本腰を入れて調べる必要があるぜ」


「そうだな。――どうやら俺たちの中に、スパイが紛れ込んでいるらしい」

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