199話 先ほどの行為には、何か深い事情があったに違いない!
ティータが俺との関係やブラックワイバーンの件を説明していく。
「なんと!? そんなことが!?」
話を聞いたピュセルが驚愕する。
「……信じられないかもしれないけど。本当なの……」
「ふうむ。まさか、数年前にアルフヘイムに甚大な被害を出したブラックワイバーンを討伐できる者がいるとはな……」
ピュセルが腕組みをして考え込む。
そして、俺の方を改めて見る。
「しかしこやつの実力なら、それもあり得るか。我らが束になっても敵わなかった男だからな」
「その通り! ご主人様は最強ですっ!」
シルヴィが自慢げに胸を張る。
ちなみに彼女たちは、俺が戦っている間にしっかりと服を着ている。
「……コウタは本当に凄い。全部は説明できないけど、まだ見せていない力もある……」
ティータがそう言う。
今の戦いは、主に『格闘家』のジョブの力で戦った。
他にも『風魔導士』や『剣士』の力もある。
俺が全力なら、ピュセルやヤナハは今ごろ生きていない。
それに、俺には『パーティメンバー設定』や『パーティメンバー経験値ブースト』の力がある。
今の戦いで見せた力は、俺の力のほんの一部だけだ。
「ふむ」
ピュセルが俺の方へと歩み寄ってきた。
そして頭を下げてくる。
「すまぬ! 我は早合点していたようだ!」
「お、おう」
俺は少し面食らう。
「ブラックワイバーンを倒した英雄が、神聖な湖を汚すような愚行をするはずもない! 先ほどの行為には、何か深い事情があったに違いない!」
ピュセルは俺の手を取りながら言った。
……どうも話が大きくなりすぎてる気がするんだが……。
ぶっちゃけ、先ほどのプレイはローズたちとただ楽しんでいただけだ。
開放感から暴走気味ではあったが。
あと、一応は『雷魔法使い』の取得という目的もあったか。
うん。
先ほどの行為は必要なものだったということにしておこう。
「まあそんなところだ。時代の先を行く俺のような偉大な男は、時には周囲の理解を得られないこともあるものだ」
「おおっ! さすがはブラックワイバーンを打ち倒した英雄だ!」
「すごいですっ! ああ、そんな大英雄の種を口にいただけたなんて……」
ピュセルとヤナハが目を輝かせて俺を見つめていた。
「えっと……」
俺は戸惑う。
神聖な湖を遊び半分で汚した上、ヤナハという少女の口内を蹂躙した。
今さらだが、若干の罪の意識が……。
「その、なんだ……。必要なことだったとはいえ、色々と済まなかったな」
俺は謝罪する。
「いえっ! 私こそ申し訳ありませんでした。手加減していただき命を助けられただけでなく、あのような素晴らしい種まで……」
「うむ。ヤナハの気功が増しているのが分かる。英雄殿の気功は、素晴らしい効力を持つのだな」
二人は納得している様子だ。
よかった……のか?
何だか腑に落ちないが、いい方に誤解してくれているようだしとりあえずヨシとしておこう。




