1123/1430
1123話 霜狼王ヴィゼル-2
「まあ、そう怒るなシルヴィ」
俺はシルヴィの頭を撫でながら言う。
「ヴィゼルは俺たちの仲間だ。駄犬なんて呼ぶのは失礼だし、その前の『乗り物』呼びも適切ではなかった」
「ですが……」
「シルヴィだって、同じ立場になったら嫌だろう?」
「と言いますと……?」
「俺から『乗り物』とか『駄犬』とか、あるいは『雌奴隷』などと呼ばれたら、決していい気分ではないだろうということだ」
「そ、それは……」
シルヴィは神妙な顔になる。
これで分かってくれるだろう。
シルヴィは、決して悪い子ではない。
だが、他者に対する配慮というものに欠ける部分がある。
村ぐるみで奴隷として売却されたのが原因だろう。
それ以前も無能扱いされていたようだし、俺に購入されたあとも基本的にパーティメンバーとしか関わっていない。
そういった特殊な事情を考慮すれば、仕方のないことだろうが……。
これから、少しずつ改善していってほしいところではある。




