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1123話 霜狼王ヴィゼル-2

「まあ、そう怒るなシルヴィ」


 俺はシルヴィの頭を撫でながら言う。


「ヴィゼルは俺たちの仲間だ。駄犬なんて呼ぶのは失礼だし、その前の『乗り物』呼びも適切ではなかった」


「ですが……」


「シルヴィだって、同じ立場になったら嫌だろう?」


「と言いますと……?」


「俺から『乗り物』とか『駄犬』とか、あるいは『雌奴隷』などと呼ばれたら、決していい気分ではないだろうということだ」


「そ、それは……」


 シルヴィは神妙な顔になる。

 これで分かってくれるだろう。

 シルヴィは、決して悪い子ではない。

 だが、他者に対する配慮というものに欠ける部分がある。

 村ぐるみで奴隷として売却されたのが原因だろう。

 それ以前も無能扱いされていたようだし、俺に購入されたあとも基本的にパーティメンバーとしか関わっていない。

 そういった特殊な事情を考慮すれば、仕方のないことだろうが……。

 これから、少しずつ改善していってほしいところではある。

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