1122/1430
1122話 霜狼王ヴィゼル-1
「おっ……。ヴァイス村が見えてきたぞ。帰りは早かったな」
「はい。まだちょっと距離はありますが、やはり乗り物がいると楽ですね!」
俺とシルヴィは笑い合う。
あれから1時間。
俺たちは雪山を下り、ヴァイス村へと戻ってきた。
シルヴィの言う通り、乗り物があることで移動がかなり楽になった。
「くぅーん……」
「おっと、すまんすまん」
「ご主人様? どうされましたか?」
シルヴィが首を傾げる。
俺は苦笑した後、彼女の頭を撫でた。
「ヴィゼルが少しばかりご立腹だ」
「……そのようですね。この駄犬め、ご主人様を乗せるという栄誉を賜りながら、その不敬な態度。万死に値します」
「くーん……」
シルヴィはヴィゼルに冷たい視線を送る。
ちなみに、ヴィゼルというのは氷の守護霊獣の名前だ。
通称、『霜狼王』ヴィゼル。
俺とシルヴィは、彼(?)を仲間にした。
そして、村まで乗せてもらっているのである。
そのスピードたるや、尋常ではない。
さすがは狼系の大型魔獣といったところか。




