地のユニコーン
オーガを浄化すると、グラディウスの額に光が集った。
それは角の形に凝縮され、黄緑色の輝きを放ちながら少しずつ冷えて、角へと変化していく。
【グラディウスがユニコーンへと変化しました。ボーナスポイントとボーナス経験値が付与されます】
10ポイントが加算されたことを確認すると、小生はグラディウスを見た。
「どう、ユニコーンになった気分は?」
「まだ……よくはわからないけど、大地系の魔法を使えるようになったみたい~」
彼女は目の前の草をじっと眺めると、草は徐々に背丈を伸ばしはじめた。
「これは、便利かも……」
グラディウスの背後にある藪が揺れた。横目で注意深く観察してみると、生き残ったホブゴブリンが弓矢を構えて、狙いを定めているようだ。
一方、グラディウスは目の前の植物を成長させ、満足した様子で笑っていたが、前脚で地面を踏みしめると、鋭く背後を振り返った。
「……今だ!」
合図と同時に、ホブゴブリンの隣に生えていた木が急に動き出し、ホブゴブリンの脳天に枝を振り下ろした。
「ごぶぎゅ!?」
動き出した樹木は、根を足のように動かすと、ホブゴブリンを踏みつけて地中に引きずり込み、何事もなかったかのように動かなくなった。
「……凄いね、今の技」
「どうやらアースユニコーンになると、人間ではなくニンフに変身する能力を持つみたいだね~」
「なるほど」
「……ねえ、グラディウス」
「なに?」
「君の能力で、植物の成長を促進すれば、村の食糧不足もだいぶ改善されるんじゃない?」
「それ、僕も考えてた~」
グラディウスはニンフの姿になると、小生たちはすぐに村へと戻った。
「カッツバルゲル様、悪魔の軍勢は!?」
早速、村長が聞いてきたので、小生は何事もなかったかのように答えた。
「ああ、オーガを含めてやっつけておいたよ」
「そ、それはよかった……」
グラディウスは畑を通り過ぎると、柵の前へとやってきて前に植えたアザミを眺めた。
まずは、失敗しても問題ない植物で能力を試すつもりのようだ。
彼女はアザミに手をかざすと、まるで立ち上がるようにアザミの背丈が伸びた。
「おお……!」
「ああ、大きくなりすぎちゃったよ……思った以上に難しいな~」
おや、グラディウスのレベルが上がったぞ。
今までにない行動をしたから、魔法の使い方が上手になったということかもしれない。
【カッツバルゲルの脳内レベルアップマニュアル】
レベル1→2 必要経験値 1
レベル10→11 必要経験値 1000
レベル50→51 必要経験値 125000
レベル100→101 必要経験値 1000000
レベル150→151 必要経験値 3375000(推定)
独断と偏見でこんな感じかな。
あ、ユニコーンのレベルアップボーナスポイントを使えば、必要経験値を少しだけ下げることができるよ。有効に活用しよう(白目)




