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1.おはようございます

毎日更新頑張ります!

よろしくお願いします!

バタバタバタッ


(ん~・・・うるさいなぁ・・・)


気持ちよくふかふかのベッドで私は眠っているのに、近くで走り回ったり声を荒げているのは誰なのだろう。きっと私には関係のないことだから寝よう・・・っと呑気に考えていたその時だった。


「バァアンッ!!」


「団長!誰かが寝ています!!!」


勢いよくドアが開き、ドアを開けた鎧に包まれた男がこちらを見ながら言う。


「?」


私は目をこすりながらゆっくりと起き上がった。窓から差し込む太陽光がまぶしい。


「あなたはどうしてこんな所で寝ているのですか?」


男の後から入ってきた優しそうな男性が笑顔で私に問いかける。


「・・・」


寝起きで頭が回らないし、のどもカラカラでうまく声が出ない。

そんな私に先ほどから笑顔を崩さない彼は「これをお飲みなさい」と水筒を手渡してきた。

私は、頭だけをペコリと下げ、水筒に入っていた水を全て飲み干し喉が潤ったのち、


「ありがとうございます。私は・・・」っと名前を言おうとしたが自分の名前がわからなかった。あれ?私は誰だろう。何故こんなベッドに寝ているのだろう。

あたりを見回してみても、ここがどこかすらわからない。


「私は・・・誰ですか?」



******



『記憶喪失。』


私の症状はそういうらしい。

私は今、王国騎士団本部の医療施設に来ている。

なんども馬車の中で同じ質問を繰り返しされたが、寝る前のことを何も思い出せなかった。

私が寝ていたのは、昔吸血鬼が住む城と呼ばれた場所であった。城の近くには城下町もあり、城下町では、吸血鬼のことを称えていた。私が起きた日は、吸血鬼が転生されるといわれていた日で、お祭りが行われていたらしい。

吸血鬼が転生し、自分の家に帰ってくると想定した王国騎士団が吸血鬼を退治しに城まで来たそうだ。部屋を探してみたら私が寝ていた。騎士団は寝ている私をみて、吸血鬼の転生者ではないかとも思ったが日光にあびても大丈夫なことや牙が生えていないことなどを踏まえて私ではないと判断した後、騎士団本部の医療施設にて私の症状を調べるために連れてきたのだと聞かされた。


ここまで色々説明されても私の記憶というものは何一つ思い出せなかった。

吸血鬼のことを色々聞かれたが、自分の名前もわからないのに吸血鬼のことがわかると思うその気持ちがまずそもそも理解できない。


「自分の名前もわからないのが一番困ったわね~。そうね~、じゃあこれからレイラちゃんなんてどうからしら?歳は大体18歳前後だと思うわ~。」


「レイラ?」


「そうよ~。可愛らしいでしょう。基本的に家名は貴族に与えられるものだから、家名はなくったっていいでしょう~?ねぇ、団長様っ」


私に名前を付けてくれたのは、イルミナという女性医師だった。

記憶喪失という病気を教えてくれたのもイルミナだ。私の年齢は18歳前後であり、魔法の適正があるらしい。あとは女の子ってことぐらいしかわからないとイルミナは言っていた。

それでも王国で数本の指に入る凄腕の医師らしい。外見のことを一言でいうなら、おっぱいがでかいだ。歩くたび揺れる。それはもう揺れる。たゆんたゆんだ。おまけに色っぽいから騎士団の連中は常にそのおっぱいに釘付けであるが、団長だけは顔色一つ変えていなかたった。


(おっきい乳は嫌いなのだろうか・・・?)


「私はそもそもこの方に興味がありませんからね。」


私の顔をみて団長がそういったのだ。


「なんで、考えていることが分かったのですか?」


「あはは。レイラちゃん面白いわね~」


イルミナがお腹を抱えて笑い始めた。そんな面白いことを言ったつもりはないのに!


「それよりも、あなたは記憶喪失だとイルミナがおっしゃっていましたが、この後の行く当てはあるのですか?どうやってこれから暮らしていくのです?」っとまた笑顔で質問されたのである。


そういえば私は、見知らぬベッドの上で目覚め、騎士団にここまで連れてこられただけでこの先のごはんも寝るベッドも何一つ用意していないし、記憶もないのだから宛もない。


ならば寝ていたベッドに戻るかあるまい・・・?と考え「寝ていたベッドに戻ろうかと・・・」っとつぶやけば、すかさず団長は「なら、私の家にでも来ますか?」っと意味の分からないことを言い出したのである。


「は」


いきなりこの団長は何を言い出すのだろうか。

うちに来るか?え?なんで?


「行く当てがないのでしょう?」


「いや、まぁそうですけども、見ず知らずの人間を家に上げてもいいんですか?しかも団長さんの家ですよね?」


「イルミナが鑑定したのであれば、問題ありませんよ。こんな見た目ですが腕は確かです。」


鑑定したから、問題ないってそれとこれとは別でしょう!!

私を住まわせて何かメリットでもあるのか!?ただ困ってる人を助けちゃうお人よしですか?


助けて!っという目でイルミナを見つめると、

「まぁまぁ、いいじゃない?レイラちゃんも、この人の家なら安全だからいいんじゃない~?私はこの施設で寝泊まりをしているし・・・いい案だと思うわよっ!それにこの人、お金持ちだから甘えちゃいなさいなっ」


っとウィンクしながら同意してきたのだ。案外イルミナは適当な部分があると思う。

名前も勝手に決められたし・・・まぁわからないから助かってはいるんだけど・・・


私は、はぁっとため息をついた後、「そうですね・・・。じゃあ記憶が戻るまでお言葉に甘えたいと思います。」そう言って頭を下げた。


正直お腹もすいたし、飢え死にだけはしたくない。


そして記憶が戻るまでという条件付きで、団長の家において頂くことになった。

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