ミギテ
所要時間:??
比率:♂1 不問1
男 ♂:クズ。なにせクズ。圧倒的クズ
ナレ、警察 不問:ナレーション。あと窮地に助けにくるポリスメン。
役表
男:
ナレ、警察:
ナレ:ある密室。真っ白いその部屋の中央には机と椅子が置かれ、その机に一人の愚かな男が突っ伏し座っている
男:......こ、ここは?
男:な、なんだこれ!?!
ナレ:男は目を覚ました。男の身体はとても五体満足と言える状態ではなかった
ナレ:両脚は床に固定され、目の前には...
男:これは...?銃...?
ナレ:目の前には機械に繋がり男のこめかみを向く銃と、一枚の薄い紙があった
男:おいおいふざけんなよ!!な、なにがどうなってんだ...!!
男:「やぁ、愚か者よ。今、机に伏している右手を机から離せば、その瞬間貴殿の頭は吹き飛ぶ」...って、は!!?
男:ふざけんなよ!!?は、はぁっ!?俺がなにしたって言うんだよぉ!!
ナレ:動揺を隠しきれず狼狽える男の目の前に、天井から画面が降りてくる
ナレ:画面には「信じるか信じないかは貴殿のその小さな脳みそ次第だが、その銃は貴殿の右手の下に隠れている装置と連携している。いいかい、地雷と同じだよ。そこの紙にも書いた通りその手を机から離せば...
男:貴殿の頭は吹き飛ぶ」......は、ははっ!そんな、そんなはったり信じないぞ!!!
男:いや、いやいやいや嘘だよな...?だって、俺なにもしてないぞ!!いや、ミキを殴ったのだってあいつが言うこと全然聞かなかったからで...俺はなにも悪くない...!!な、なんだ?二股した件か?あいつにミス全部なすりつけた件か...?
ん?あれ、結構あるな。心当たり結構あるな
ナレ:クソみたいな男の目の前に、またメッセージが映された画面が降りてきた
男:つ、次はなんだ。誰か見てるんだろ!!出てこいよ!!
男:ん?なんだ。問題?
ナレ:「1+1は?」
男:舐めとんのか
男:2だよ2!!超弩級のバカだと思われてるのかな!?ねぇ!!?
ナレ:そして、それから何問も男のもとに降りてきた
男:......え、なに。なんで今俺漢字クイズしてるの?ねぇなんで?終わったよ今
男:お?次の問題か...いやあの、あの〜!!だれか見てるんでしょ?こういうのって哲学的な問いかけとか人格を試すようなやつがくるもんじゃないの?なんでこんな小学生も嘲笑うぐらいの問題しかこないの?
ナレ:グチグチと文句を垂れる男のもとに、最後の問いが降りてくる
男:あ?なんだ?最後の問い?
ナレ:そこには「貴殿は、その右手を絶対に机から離したくないか?」と書かれていた
男:当たり前だろ!!死にたくねぇんだ俺は!!どこの誰か知らんが早くこの訳わかんねぇ部屋から出せよ!!!!!!
警察:警察だ!!今開けるから待ってろ!!
男:警察!?来てくれたのか...!!
警察:(ドアを蹴破る)大丈夫か!!
ナレ:人間は、自分が瀕している極限の恐怖や不安から開放されると分かった瞬間に一気に気が緩んでしまう
ナレ:その状況が未知であるほどに、その普通ではない体験から開放されたいと願うのだ
ナレ:この男も、その人間の一人。そう、今まさしく
男:やっと来てくれた〜!!
ナレ:まさしく、喜びのあまり
男:あっ
ナレ:その右手を掲げたところである