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第7話 眠かったんですぅ

 どうにかこうにかオムライスを作ることが出来た。

 人間やる気と根性とインターネットがあれば大概のことは出来ます。

 んで、今は食事が終わってまったりとしていますよと。


「お腹いっぱいですー。祐介さんお料理上手ですねー」

 床にゴローっと寝そべって自分のお腹をポンポン叩く綺麗なロングヘアー幽霊こと桜井奈緒さん。


 そう。

 今はボサボサ頭じゃあないんですよ。

 お風呂入ったからね。

 それはそれはもう、世界が嫉妬してるほどの綺麗な髪ですよ。

 あのシャンプーのCMあるじゃんか。

 全員が全員、無駄に艶やかな髪してるやつ。

 まさにあんな感じ。

 絶対クシを通しても引っ掛からないよ。

 ボサボサ頭は単に手入れしてなかっただけなんだね。

 て言うか。

 お風呂上がりの桜井さん。

 可愛いのに加えて色っぽさも兼ね備えられてる。

 湯上がり美人とは良く言ったものだなぁ。

“桜井さん蕩れ~”。



「そう言えば、桜井さんって初めて見た時と全然印象違うね」

 僕は床で『オムライス美味しかったよぉ~!!』って言いながら駄々っ子のように手足をジタバタさせてる桜井さんに言った。

 何その喜び方。

「そうですか?全然変わってないと思いますけど」

 桜井さんは顔を僕の方に向けて言った。

「あ、でも今はボサボサ頭じゃないですからね。今頃世界は嫉妬で気が狂ってると思いますよ」

 それさっき僕言ったよ。

 気が狂うとまでは言ってないけど。

「でも、僕初めて桜井さん見た時は怖くておしっこ漏れそうだったんだよ」

 大胆なるカミングアウト。


『この物語は、男子高校生が自分の部屋で尿意と奮闘する日々を赤裸々に綴った物語である』


 いろいろ違うだろ?

 これじゃあ僕が毎日尿意と闘ってるみたいじゃないか。

 僕の膀胱の内容量は700mlです。

「うっそー、あたしそんな祐介さんを怖がらせた覚えないですよ?」

「うっそー、だって黙って立ってたらいきなりバッてこっち向いて睨んでたじゃん」

 ありゃトラウマだよ…。

「あぁ~、あれですか」


 この後、桜井さんの口から思いもよらず衝撃的事実が明らかになる!!


 …CMいかないよ?

 僕にスポンサーなんて付いてないよ?

「あれは“寝てた”んですよ」

 寝てた?

 立ち寝?

 寝ながら立ってたの?

 ノンフィクション?

 あ、『ん』がついちゃった。

 しりとり終了だ。

「あたし立ったまま寝れるんですよー。数少ないあたしの特技です」

 …そんな親指立てた右手を高らかに上げられても。

 そんな誇れる特技じゃないですよ桜井さん。

「あの時、立って寝てたら突然部屋の電気が点いて、でもあたし寝ぼけてたから反応が少し遅れたんです」

 なるほど。

 てか“なるほど”って僕納得してるけど、つっこむべきじゃないの?

 とりあえず総合的に“何でやねん”と。

 …まぁ、良いや。

「で、『まぶしっ』って思いながら前見たら何と!!祐介さんがいるじゃないですかぁー♪」

「…そんなテンションだったの?」

「はい♪」

 …あ、そう。

「でもあたし寝不足で、すごい眠かったんですよ」

 あ!!

 だから目充血してたのか!!

 …僕、良くもまぁそんなくだらないことにビビってたなぁ。

 オチャメな僕♪

「だから祐介さんが慌てて飛び出した頃にはあたし二度寝してました」

 おい!!

 二度寝すんな!!

 せめて僕を追い掛けてこいよ!!

「マイペースですからぁ」

 謎に天井に向かってピースをする桜井さん。

 そんな桜井さんに苦笑しながら僕はベッドに仰向けで寝転んだ。

 何か…。

 拍子抜けだな。

 確かに話を聞いたら何も怖くないもんな。

 立って寝てたとか。

 そんなの瞬時に予測出来る奴っていないもんな。

『やべぇ、あいつ立ったまま寝てるよ、マジパねぇ。つか腹減んね?』

 みたいな。

 そんな僕の思考をよそに、桜井さんは『暑いですー』とか言いながら寝転んだ状態でバフバフやってる。

 ん?

 バフバフ?

「桜井さん何やぬぅわぁあああ!!何やってんの!?何羽ばたこうとしてるの!?布は翼じゃないよ!!飛べないよ!!」


 …あえて言わせてもらおう。


 ありがとう。

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