第14回 デュルケムの過去
富国強兵政策で経済力と軍事力を高めつつあるガイスト王国。周囲の隣国からは注目を浴びる傍ら、次第に警戒の視線も集めるようになってきた。
そして今から数年前、1人の若い男がガイスト王国の騎士団へと入団した。男の名前はデュルケム=プロムナード。彼は元々、王国の地方で家族と一緒に暮らしていた。
デュルケムの父親はかつてガイスト王国の騎士団の団員であり、現在は首都から遠く離れた地方で役人を務めている。彼は息子に対して、剣術や馬術といった技術を仕込んでみせた。
そして、デュルケムは16歳を迎えると、父親の意向により、ガイスト王国の騎士団に所属することになった。それは同時に彼にとって長い戦いの始まりでもあった。
ガイスト王国騎士団での生活、座学や戦闘訓練を始めとして、警備や巡回等の単純な業務の日々であった。それらをそつなくこなすデュルケム。この頃から頭一つ抜けた結果を納めていた。ところがm一方の彼は見習いとしての日々に退屈をしていた。
ある日、デュルケムは他の新人騎士と一緒にある人物と模擬戦闘を行うことになる。相手はドク=リーと言う老人であり、かつては騎士団長も務めたこともある人物だ。
騎士団長を務めていた経験があるとはいえ、既に現役を退いた相手は老人である。デュルケムを含めて、他の騎士見習い達はリーに負ける訳がないと考えていた。
しかし、それはとんでもない慢心に他ならなかった。リーは愛用のレイピアを巧みに操り、複数の騎士達を瞬く間に仕留めていった。その中にデュルケムが含まれていたことは言うまでもない。
模擬戦闘はリーの圧倒的な勝利に終わった。勿論、若手の騎士見らない達は予想外の結果に悔しさを滲ませている。
しかし、デュルケムは違った。彼は何よりも己の未熟さを恥じた。それと同時にリーに対して、憧れと尊敬の念を抱くようになった。模擬戦闘以降、騎士として改めて訓練に邁進するようになった。
余談であるが、若手の騎士達を打ち負かしたリーは時折、騎士団を訪れては武術の指導を行うこともあった。
デュルケムも必死にリーから教えを賜り、ついにはレイピアの扱い方を習得するまでに至った。そう、今の彼の見事な剣捌きであるが、偉大なる先輩から引き継いだ産物でもあるのだ。
やがて、見習いとしての訓練が終了し、正式な騎士としてガイスト王国騎士団に配属されたデュルケム。ここで彼は1人の男と出会う。
男の名前はゼノン。過去最年少で騎士団長に就任した経歴の持ち主であった。卓越した技量と聡明な頭脳の持ち主である彼もまた、デュルケムにとって尊敬に値する人物であった。
ゼノンの指揮の下、騎士としての任務を着実に遂行していくデュルケム。やや直情的な傾向が散見されるが、実直な姿勢は他の騎士からの信用を獲得することにも成功した。
そしてまた、実績を積み重ねていく中、デュルケムは実戦的な技量を習得し、己の職務に対する矜持を育んでいくのであった。
やがて、デュルケムはガイスト王の命により、剛竜の鎧の使い手として選ばれることになった。最新装備の使用者として選ばれることは、騎士としてはこの上なく名誉なことであった。
そして現在、デュルケムには、ガイスト王国内に潜む悪魔を討伐する任務が課せられていた。戦いの果て、彼は一体何を見ることになるのであろうか。今はまだ誰も知る由がなかった。
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