第11回 任務報告
ガイスト王国の王宮内の最深部に位置する玉座の間。そこに今、君主のガイスト王が玉座に坐しており、彼の傍には大臣のリーが控えている。
そして、ガイスト王の眼前には現在、2人の騎士が膝を折っていた。それは騎士団長のゼノンとデュルケムであった。2人がこの場所にいる理由、それは先日の調査任務の顛末を報告するためである。
「以上が今回の調査任務の報告になります」
最後にそう付け加えて、任務報告を終える騎士団長のゼノン。一方、玉座ではガイスト王が何やら思案をしている。
すると突然、何者かが玉座の間に入り込んでくる。それはスカーレット隊を率いていたサラであった。この場にいる者達の視線が彼女の方へと注がれる。
「ガイスト王様!何故、スカーレット隊が解体なのですか!?しかも、騎士団除名まで……!!」
玉座の間に入ってきた途端、ガイスト王に抗議の言葉を述べるサラ。調査任務で醜態を晒してしまったスカーレット隊は解体、彼女も含めて隊員全員が除名という処分が下されていた。そのことが不服であるらしい。
「何を言っている?騎士としての矜持を忘れ、裸体を晒すなどという醜態を晒したのだ。隊の解体と除名は妥当な処分であろう?」
眼前のサラに向かって淡々とした様子で告げるガイスト王。王からは彼女に対する失望が見てとれる。
「ガイスト王、どうか我々に挽回の機械を……今後とも御奉公して、御奉公して、御奉公して……!」
何とかしてガイスト王に言い縋ろうとするサラ。恐らくは自身の忠誠心を強調するための言葉なのであろう。
「奉公してどうなる?事実は変わらん」
サラの必死な懇願に対しても、あっさりと切り捨てるガイスト王。冷酷無比な君主としての姿がそこにあった。
「~~!」
ガイスト王からの宣告に悔しさを滲ませるサラ。しかし、主君の裁定には逆らうことはできない。そのまま彼女は玉座の間から立ち去るより他はなかった。
意気消沈したサラが立ち去った後、しばしの間、緊張を帯びた沈黙が玉座の間に漂う。やがて、ガイスト王が口を開く。
「確か、怪物の男の名前はウォズと言ったな……奴は儂の顔に泥を塗ってくれた。何としても奴を見つけ出して始末しろ」
ガイスト王国の最高権力者として、ゼノンとデュルケムに討伐命令を下すガイスト王。言葉の端々からは、ウォズに対する怒りの感情が見てとれる。まさに怒り心頭とはこのことを言うのだろう。
「仰せのままに!」
「はっ!」
ガイスト王国に所属する騎士として、謹んで王からの命令を受領するゼノンとデュルケム。怒りのガイスト王に恐れの感情を抱いたことは確かであるが、同時に完全に怪物となったウォズを見過ごすことはできないのも事実であった。
「今後、ウォズを討伐するために戦力の再編成を行う。まずは剛竜の鎧に改修処置を施す」
ガイスト王を補佐する立場にある大臣として、今後の動きについての詳細を説明するリー。前回の戦闘でウォズを仕留め切れなかった以上、戦力の拡充は必須かつ急務であった。
今後の方策としては、デュルケムの装備する剛竜の鎧に改良を加えることになった。それと同時に解体したスカーレット隊の代わりとして、新しい騎士団員の増員を行うとのことであった。
「今回は以上である。下がってよいぞ」
「はっ」
「ははっ」
リーからの指示に対し、手短に返事をするゼノンとデュルケム。その後、2人は恭しく玉座の間を後にするのであった。
玉座の間を出た後、ゼノンとデュルケムは騎士団の詰所へと向かう。この時、2人は新しい戦いが既に始まっていることを悟るのであった。
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