第17話[魔装武器]
マネルンは叫んだ。
「フォルムチェンジ!」
絶望的だった。
マネルンはより厄介になった。
他人の能力コピーに、更にすばしっこくなった。
だが、やはりわからなかった。
「なんで、一般人の能力が、出せるんだ?」
マネルンは俺達に聞いた。
「お前らは魔装武器を身につける前、なにかの機械に入らなかったか?」
「入ったな・・・」
「その様子を見る限り、魔装武器がなんなのかがわかってないようだな。
魔装武器とはあるコンピューターに自分の遺伝子や身体の物質を解読させ、解読された情報から、自分の身体に合った光の結晶を、自分の身体に蓄積させて、規定をする」
◇光の結晶
[情報整理、条件規定、イメージ実現、記録機能]
「当たり前だが、脳が働くことにより、人は行動するだろう?
その脳と、蓄積された光の結晶は連動して、ある行動により、光の結晶は遺伝子情報を即座に解析し、身の回りにある光は限られた量や種類だけ凝縮され、物体に似たなにかを作りだす。
光の源も凝縮されるとき一緒に混ざる。
その物体に似たなにかが、魔装武器だ」
◇光の源
[記録がリセットされる]
◇光
[物体化した物を映し出す]
「俺の能力、コピーは、自分の体内に光の結晶がある限り、関係ない一般人のイメージ能力を引き出すことができるのだ。
知ってるか?俺達の体内にもその光の結晶があることを。
俺は、他人の能力を蓄積された光の結晶によりコピーでき、光の源により記録がリセットされ、元の姿に戻れ、自分の体内にある光の結晶によって自我を保っていられるのだ」
「バリア」
マネルンはバリアがはられる前に避けた。
「ふう〜、油断も隙もねぇな」
俺は戦いながら考えていた。
(どうすれば・・・?)
俺達は相手に手こずっていると、ドアが開き、ボスが現れた。
(ボス!
人質に取られていたんじゃ・・・?)
(まさか、敵を倒してきたのか?)
ボスの試験の時の強さを思い出し、敵に同情した。
(ボスだったら敵をなんとかしてくれるかも)
俺はボスが、今の状況をなんとかしてくれることを期待した。
が、ボスは俺達が戦っているところを見ているだけだった。
俺はこれ自体が試験だということを思い出した。
(俺達は今試験の最中だ! ・・・ということはボスは頼れない)
マネルンはボスの存在に気づくと、ボスを睨んだ。
「お前!
どうやってでてきたんだ⁉
俺の部下が見張ってたはずじゃあ‼」
ボスはマネルンに対して笑顔のまま言った。
「こっちのことは気にするな、そのまま続けろ」
マネルンはボスにキレて攻撃した。
「なめるなよ‼」
ボスは余裕で攻撃を全てかわした。
「フッ、遠距離攻撃ばかりするところを見る限り、ビビっているのか・・・」
マネルンはますますキレてボスに向かって走って近づき攻撃しようとした。
ボスはマネルンの攻撃をかわし、マネルンをガシッと捕まえた。
「私のことは構うな。
続けろといったんだ」
マネルンは顔を青ざめて仕方なく俺達に向き合った。
「クソ〜!」
俺達はマネルンに同情した。