第14話[裏切り]
ツバキは、今の状況で信じられない事を言ってきた。
「う〜ん・・・。
・・・・・・打つ手なしか。
じゃあ・・・、俺はこちら側につくよ」
俺達は、ツバキの唐突な言葉に信じられず、一瞬だけ動揺してしまった。
「は?」
俺は言葉の意味に気づくと、驚いた。
「はあぁぁぁあ⁉」
俺を含め、コウとべ二とセキとヨルはツバキを、あり得ない、という目で見ていた。
「・・・ということでごめんな?」
「じょ、冗談だよな・・・?」
ツバキは刃物を俺達に向かって構えた。
「ごめんなじゃねぇよ・・・!」
俺はやむおえず、魔装図形を出した。
「ウォーターマシンガン!」
死体になるべく当たらないように、ツバキめがけて撃った。
「仲間割れ?
キャハハハハッ!」
マリオネットは笑っていた。
(どうする・・・?)
ツバキはウォーターマシンガンを避けながら、俺に向かって走ってきた。
セキは、「チッ!」と舌打ちをすると、アサを連れて俺のところへ向かった。
セキはツバキが来る前に、俺にアサを預け、ツバキに向き合った。
俺は死体が来ると、バリアをはった。
これで、俺とアサは守られるが時間の問題だ。
今度は動きが鈍いコウが狙われる。
(マリオネットを止めないと!)
俺は、バリアを見て思い浮かんだ。
(でも、うまくいくか?
いや、やってみるんだ)
(幸い、死体はバリアを張っている俺のところには来ていない)
俺はバリアを解くと、唱えた。
「バリア!」
バリアはマリオネットを包み込んだ。
すると、死体たちは動かなくなった。
「えっちょっ⁉」
マリオネットは動揺した。
「よし、今だ」
俺はマリオネットを捕獲魔法で捕縛した。
それを見たマネルンは、「嘘⁉」と驚いた。
ツバキは、「ありゃ〜」と呟いた。
マネルンは途中で攻撃をやめ、逃げて行った。
「ハハッ」
「信じてたよ、みんな」
ツバキは何事も無かったかのように攻撃を止め、俺達に近づいてきた。
セキは、ツバキを攻撃しようとした。
ツバキは攻撃を避けると、俺に自分の処遇を判断させようとした。
「罰でもなんでも受けるよ」
「それは俺が決めることではありません。
ボスが決めることです」
ツバキは黙ったまま、なにかを考え込んでいた。
「・・・・・・・・・」
「今は、こいつをどうするか、決めるのが先です」
「立ってくれ」
マリオネットに頼んだ。
マリオネットは黙ったまま立った。
俺は、画面を空中に出すと、ボスに報告した。
「一人捕まえました」
「もう一人の方は逃したみたいだな」
「すみません」
「だが、よく頑張った」
ボスは励ましてくれた。
「私は今そこへ向かっている。
逃げないよう見張っててくれ」
「はい」
俺達は返事をすると、ボスが来るのを待った。