第12話[情報]
城の広間。
ボスは空中から大きな青い画面を出した。
「今回の仕事だ」
「敵のアジトが判明した。
地形ごとに数カ所に分かれている。
前回もそうだが今回行ってもらうのは人が多い場所だな。
キラーは生命源と光を蓄え、増殖する」
◇生命源
死んだあとの魂が別の物質化したもの。
「キラーは弱いが、それ相応の増殖力や、人格改変能力を持っている」
◇人格改変能力
人格そのものを変えるわけではないが、少しずつ意識を奪う。
「弱いからといって侮るな」
「・・・では、今回捕まえてもらう敵の名を言おうか。
・・・・・・アンデッド・マリー。通称マリオネット」
「重要人物だ」
画面にツインテの女子が映し出された。
「マリオネットはある人物と行動している、その中にはお前達が逃した敵も混ざっている」
画面には、俺達から逃げた女の子の姿も映っていた。
「お前達が逃した敵は、アジト内ではマネルンと呼ばれている。
本人が部下に呼ばせているんだが、見た目の可愛さと外見年齢とは違い、こいつは・・・三十代の男だ」
俺達は、驚きはしなかった。
(俺に変身してたしな・・・)
〈「ベニちゃん、なんでさっき怒ってたの?」〉
あのとき、コウがおかしなことを言ってたことにも納得できた。
マネルンには変身能力があった。
他者の血を見ることにより相手の能力または姿までコピーできる。
(確かにマネルンという響きはしっくりくる。
・・・しっくりくるのだが・・・・・。
まさか戦っている最中にも、敵を区別するためにマネルンと呼ばないといけないのか?
人によっては恥ずかしいような・・・・・・。
というか、三十代の大の大人が、自分のことをマネルンて呼ばせているって、・・・どんな趣味だ)
と思っていたら、コウも同じことを考えていたのか、苦笑いしていた。
(女子には抵抗無いだろうけど・・・、俺達にはすごくある)
セキは腕を組みながら呟いた。
「餓鬼に見えるが、ただの変態ってことか・・・」
(クソッこればっかりはセキが羨ましい・・・)
(セキの性格上、餓鬼で通せそうだ・・・)とくだらないことを考えていたら、ツバキは「どうやって敵のアジトがわかったんだ?」とボスに聞いた。
「お前達が侵入して、敵の注意を引きつけている間に、私が敵のアジトで情報を抜き取った、マネルンの居場所がわかるようにも仕組んでおいた。
・・・だからここで間違いないと思う」
ボスは小さい映像を大きくした。
「マネルンの能力は下手すれば国を脅かす脅威となるだろう、できれば次は捕まえて欲しい」
俺達は発生地にかけつけた。
町人達はすでにキラーに襲われていた。
「・・・!遅かったか⁉
クソッ‼生きてる人達だけでも助けるぞ‼」
「セキ、ベニ、の二人はキラーを片付けてくれ!
あとの者は逃げ遅れた人達の避難の援助を!」
セキは、「なんでお前が指示してんだよ・・・」と言いかけ、「まぁ、動くだけなら楽だけどよ!」とキラーをバッサバッサと斬っていった。
セキとベニがキラーを斬り倒している間、コウ、ツバキ、アサとヨル、は町人達の避難を手伝った。