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赤い先導者  作者: ウサギ
flame in my heart
12/98

第11話[名前]

城の広間。

 

ボスは指を鳴らした。

 

目の前の空中に画面が現れると、画面に地形が表示された。

地形に丸い光が表示されると、丸い光はある方向へと向かっていた。

 

ボスは、「そこか・・・」と呟くと、画面を閉じた。



城の廊下。

 

俺は城の中を歩いていると、女王が前からズカズカと歩いてるところを目撃した。


俺は見てみぬふりをした。

 

女王は俺の存在に気づいた。

「・・・あんた!この前の・・・!」

 

俺はさり気なく女王に挨拶をした。

「おはようございます。女王様」

 

女王は俺の言葉を聞いて、更に機嫌を悪くした。

「誰が女王様ですって・・・⁉」


(あれ?もしかして、様、ってNGワードなのか?)

「すみませんでした。女王」


女王は何故かますます機嫌を悪くした。

 

「あんたまで‼

・・・もしかして、水鈴みすずから私のこと女王様とか説明された⁉」 

女王は急に知らない名前を出してきた。

 

水鈴みすず?」

 

「あんた達がボスとか言って慕ってる人の名前よ!

・・・まさか知らないの?」

 

初耳だった。

「知りませんでした」

 

俺の表情を見ると、女王は腕を組んだ。

指で腕をトントンと叩きながら、顔を横に向けた。

 

「あいつ・・・。

ろくな説明もしてないのね・・・」

 

「この前のあなたとのやり取りで女王様と呼んでましたから、つい・・・」

 

女王は溜め息をついた。

 

「私は女王様でもなんでもないわよ。

・・・・・私にだって名前はあるわ。

かおりって言う名前よ」

 

かおりさんですね。

わかりました」

 

「話しておきたいことがあるの。

場所を変えましょ?」

かおりさんは先に歩いていった。


俺は慌ててかおりさんを早足で追いかけた。


 

人が出入りできるほどの、城の巨大な窓があった。

窓の外は、落ちないように手すりと足元に床があった。


かおりさんは窓の外へ出て、手すりに片手を置いた。

かおりさんは外の空気を美味しそうに吸うと、俺の方へ振り向いて言った。

 

「あなた、本気なの?命懸けよ?」

 

「はい、試験前に言われました」

 

「私は隠し事が嫌いだから言うけど、私と水鈴みすずは罪を犯しているのよ・・・。

遠い昔にね」

 

かおりさんの言葉を聞いて、今はそれ以上聞いてはいけない気がした。

 

「・・・・・・。

聞かないのね・・・。

・・・・・・あなた兄弟とかっている?」

 

「双子の兄がいます」

 

「・・・そう、私も兄がいたわ」

過去形だった。

 

かおりさんはうしろを振り向き手すりに両手を置き、空を見上げた。

 

「兄はいつでも病弱な私のことを気遣ってくれたの・・・」

かおりさんの声はどこか悲しそうだった。




城の広間。

 

水鈴みすず⁉」

コウは驚いた。

 

「結構可愛らしい名前だな・・・」

 

「そっか・・・!

ボスもそんな可愛らしい時代があったんだな‼」

 

「コウ、キモい」

ベニは冷たい視線をコウに向けていた。

 

「お前、ボスにまで欲情してんのかよ。

キモっ!」

俺もコウに冷たい視線を向けた。

 

「してねぇよ!

本当にお前らは俺をなんだと思ってるんだよ‼」

コウは俺達の反応を見て、ツッコミを入れた。


かおりさんから聞いた『罪』については、二人に話さなかった。

まだ話すときじゃない気がしたから。


ベニはボスが来たことに気づいた。

「あっボスだ!」

 

ボスのうしろからも、ツバキ、アサ、ヨル、セキ、が姿を現した。



ボスは空中から大きな青い画面を出した。

 

「今回の仕事だ」

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