第7話 一緒にいきたい
ちょっと短め
翌朝、いつもより少し遅めに目が覚める。
あまりにも課題が分からなすぎて、誰かに教えてもらいたかった。悠真に質問しても良かったが、あいつもそこまで勉強ができる訳じゃないので頼れない。
だから滝川さんに相談した。彼女曰く、メッセージはいつでも送ってくださいとの事だったので、お言葉に甘えて聞いたのだ。
それから少し意味深な話をした。突然会話を絶たれたが、多分気に触ることは言っていないので、ただ眠くなったんだろう。
今日も学校がある事実に少し憂鬱になりながら、ベッドから降りる。
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風呂を洗って、制服に着替えて、それから簡単な朝食を作る。目玉焼きの下にベーコンを敷いて、半熟になったところで火を止める。ほんの少し塩を振り、予め焼いておいた食パンでそれを挟む。
スープはインスタントでいいかな。卵がドライで固まっているものを器に入れて、お湯を降らす。塊はほぐれて、少ししょっぱい匂いがする。
とても朝食らしく、簡単で、それでいて自分好みの朝食が完成する。
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電車の時間に合うように家を出たいため、その時間まで音楽を聴いてくつろぐ。登校の準備はとっくにできている。ベッドに倒れ込んでスマホをいじっていると、インターホンが鳴った。
宅配?それにしては早い時間。そもそも、何も頼んでいない。
宗教勧誘?これまで来たことがないからそれもない。
それとも俺個人になにか用事が?
そう思って立ち上がり、玄関に向かい、扉を開ける。
「おはようございます!本川さん。一緒に学校行きましょう」
「滝川さん!?…えっと…おはよう」
「おはようございます、早く学校行きましょう」
「え…あ…え?」
「ぁ、私と登校したくなかったですか?…失礼しました」
途端にシュンとした顔をして歩いていってしまいそうになる滝川さんの腕を思わず掴む。
「…ふぇ!?」
「一緒に行きたくないわけないだろう…混乱しただけ!」
「…!じゃあ早く行きましょう行きましょう」
「わかった、わかったから腕をブンブンしないで!」
「へへ、早く準備してきてください」
少し染まった頬から笑みがこぼれている。
穏やかな朝から、突然騒がしくなった朝だった。
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