第22話 三枝葉夏
一日中遊んだ日曜日から数日経ち、今は学校の昼休みだ。
学食から唐揚げ丼を買ってきて、教室で悠真と昼食を取っている。
この唐揚げ丼、4つも唐揚げが入って350円なんだからめっちゃお得だよな。
「なあ啓人。お前気づいてるか?」
「…うん」
突然の悠真の言葉に一瞬驚くが、すぐに真意を汲み取り返事をする。
さっきから女子に━━━いや、正確には霞と昼食を食べている女子に見られている。
目を合わせようとしたら既に逸らされているし、でも間違いなく見られているから、正直あまり気持ちよくない。
「あ!おい、こっち来たぞ」
「えっ」
悠真の目線の先を見ると、1人の女子が霞を連れてこちらにやってくる。霞は「霞姫」の笑みを浮かべているが、その顔の中に、困惑、恥ずかしさが垣間見え、いつもの通り感情が分かりやすくもあった。
「おーい、ユウ」
「ヨウ」
「一緒に飯食おうぜー」
悠真が「ヨウ」と呼び、強気な口調を使う彼女の名前は三枝 葉夏。霞を連れてきた本人だ。
彼女はクラスの中でいつも輪の中心にいるような人で、いわゆる陽キャ。
悠真は三枝さんと幼馴染らしく、お互いに「ユウ」「ヨウ」とあだ名で呼びあっている仲だ。そんな悠真伝に彼女と何度か話したことがあるのだが、さすが陽キャというか、話題が尽きず、さらに話が面白い。
金髪をサイドポニーテールにした姿から、第一印象は俺には眩しすぎるのであまり関わりたくない人という感じだったが、話してみると、そんな第一印象を持った俺が恥ずかしくなるような善人だった。
さらに、この人間違いなく悠真のことが好きだ。
あまりにもわかりやすい悠真へのアピール。
悠真と話している時の滲み出る楽しそうな顔。
このクラスでこの事実に気づいていないのはきっと悠真だけだろう。
「三枝さん、こんにちは」
「名前で呼べって言ってんのに…まあいいや。はろー、ユウ、啓人」
「と、こんにちは、か…滝川さん」
「むっ…こんにちは、本川さん、南谷さん」
霞を呼び捨てで読んでしまいそうになったが、何とかごまかせたか?
一瞬彼女から不満気な表情がチラついたが、何とか合わせてくれたようだ。「霞姫」の笑顔で俺と悠真に挨拶を返してくる。
「で、2人して何か用か?」
彼女達の魂胆が見えず、困惑を隠しきれていない俺を見て悠真はさりげなく彼女達に理由を聞いてくれた。
イケメンすぎ、悠真。
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