第21話 早起きは恋路の近道
ショートにしようと思ってたんですが、書いてくうちに内容がどんどん増えて気付けば1700文字…
そのまま1話として投稿します(笑)
…早く起きすぎた。
今日は早起きして、家で遊ぶ時用のお菓子を霞と買いに行く予定だった。
休日はいつも10時前後に目が覚めるので、早起きのために昨日の夜は霞と話したあとすぐに就寝したのだ。
それにしても早すぎた。
今の時刻は5時40分。もはや寝不足じゃないか?
でも、起きてしまったからもう眠くない。
霞から連絡が来るまでゲームで時間を潰してもいいが、それは少しもったいない気がしてしまう。
何しろ、ここ1年はしなかった早起き。
少し特別感のある気分を味わっている。いつもやっているゲームで時間を潰すのはあまりに勿体ない。
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最後の最後までゲームをしようか悩んだ。
しかし、今いるのは外。柄にもなく散歩をしている。
真冬の今ではまだ暗い。うっすらと空が明るくなり始めた程度だ。
何より、寒い。自宅を少し離れて今は最寄りの大きめな公園に来たのだが、今更ゲームを選ばなかったことを後悔し始めている。
草むらには霜が降っていたり、池には氷が張っていたりしているのに、ジョギングをしている人がちらほらいる。こんな日まで頑張るなぁと思って見ていると、こちらに向かって走ってくる白髪美少女がいるじゃないか。
やがて美少女は俺の前で立ち止まり、息を整えながら俺に声をかける。
「あれっ、啓人君?」
「霞…おはよう」
「も、もう起きたんですか!?」
「なんか早く起きちゃってな、散歩してみた」
「おぉ…!どうやって起こしてやろうかと考えてたとこだったんですよ」
「何される予定だったんだ…」
口に出したはいいものの、何か怖いことを考えていそうなので詳細は聞かないことにしよう。
霞としばらく一緒に過ごして思ったけど、この子結構いたずらっ子というか、やんちゃというか。それもキャップと言うものだが。
それにしても、初めて見る彼女のポニーテール姿に思わず見とれてしまう。女の子は、髪をいじるだけでこんなにも魅力を引き出せるものなのか。
「霞は、いつもこの時間走ってるのか?」
「そうですよ。おやつ食べたら運動しないとだめなので」
「頑張り屋だな」
「へへ、ありがとうございます!…んっ」
褒めた時に彼女から出る笑顔が可愛くて、つい撫でてしまう。
しばらく気持ちよさそうに目を閉じて俺の手を受け入れていたのだが、突然何かを思い出したように目を見開き、すすっと俺から離れた。
「えっと…どうした?」
「…今汗かいてます、触っちゃだめです」
「?…別に気にしないよ」
「私が気にするんです!!……変態」
「なんでよ!」
俺が撫でた箇所を両手で押さえて、ジト目で見てくる。かなり不本意な言葉を投げられたが、一旦気にしないことにしようか。
やがて霞は両手を頭から下ろして最近よく見るイタズラ顔になる。
「まあ今は機嫌がいいので許します」
「これが許されない時ってどんな時か聞いてもいいか?」
「うーん………」
「………」
「……んーん」
「ないんだな」
「な!…いわけでは」
「じゃあなにさ」
「…啓人君なら別に、なんでも許しちゃう気がしたので…」
突然放られた理性ぶっ壊し攻撃に被弾して、自分でもわかるくらい赤面してしまう。
耐えろ、自制心。負けるな、気概。
さらに、言われた方はとんでもない被害を被っている言葉も、言った本人は事の重大さに気づいていない。自分がどれほど恥ずかしいことを言ったのか、認識していないようだ。恐ろしい。小悪魔だ。
固まってしまっている俺を見て、やがて霞は俺の手を取って走り出す。女の子の手、初めて触った。
柔らかい暖かい滑らかい(?)。
"かい"が3つも。あはははは。
「それはいいので、早く帰りましょう!走り込みも終わったので!」
「ちょおい、引っ張るな引っ張るな!」
「ちょっと早いけど、おやつ買いに行きましょう!」
「はええよ」
まだ朝の6時である。
それでも、「まぁいいか」と思えてしまう。
それほどまで彼女に心を許せているのか、それとも…
惹かれているのか。
この時の彼女の笑顔が、何故か、いい思い出として頭に焼き付いた。
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