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第17話 振る舞う昼飯

「ふっふん、どうでしたか啓人君」


どやぁ…!と音が聞こえてきそうな顔で俺を見てくる霞。


「あぁ…手も足も出なかった。完敗だ」

「ふっふふ〜ん」


機嫌が良くて何よりだ。

あの後指を休憩させながらもう何戦かしたのだが、全部負けてしまった。

悠真はと言うと、猛者同士の戦いによって完全にゲームから興味を失い、ずっとスマホを見ていた。


3人で遊んでいるのに悠真だけ実質的にハブってしまって少し申し訳なく思う。いつかご飯奢ってやるからな。

そう思っていたら、その機会は意外とすぐやってきた。


「啓人ーはらへったー」


ゲームが終わったことに気づいた悠真はそんなことを言ってきた。時間を確認すると、もう13時を回っていた。


「なんか食うか?」

「待ってました〜!」「…!」


台所に行きながら2人にそう聞くと、悠真は喜んだ様子で手を合わせて、霞は少し驚いた様子だ。


「い、いえ、いいですよ!家隣ですし、食べてきます」


「食べてきます」ということは、後でまた来てくれるということだろうか?彼女にとって居心地が悪くないようで素直に嬉しい。


「遠慮しなくていいよ、霞。2人分も3人分も手間は変わらないし。スパゲティでいいか?」

「そうですか…。……えっ?もしかして啓人君が作ってくれるんですか?」

「厚意に甘えといた方がいいぞ、滝川さん。啓人の料理めっちゃ美味いから。俺は既に胃袋掴み潰された」

「…た、食べたいです」

「ハードル上げるな…」


過去に悠真が遊びに来て、うちに泊まることがあったのだが、その時に夕飯を作って絶賛されたことがある。それから事あるごとに俺の料理を食べたがるのだ。

喜んで食べてくれるのはとても嬉しいが、霞の舌に合うのかは全く分からないので、無理にハードルを上げられると困る。


料理に限らず、家事は不自由なくできる。そもそも一人暮らししているので、できて当然というのもあるが。

家事はどうしても上手くなりたかった。その理由は克己(こっき)、報恩、色々ある。

それはともかく。


「20分くらい待っててな」

「おっけーい」

「はい!ありがとうございます!」

「ん」


俺は台所に立ち、湯を沸かす。

その間、悠真と霞は談笑している様だった。

…悠真とも友達になれそうでよかったな。あいつならなにか変なことなんて絶対しないだろうしな。

2人の様子を見ていたら、何やら悠真が霞に耳打ちし始めた。

どんどん霞の顔が赤くなっている。対して悠真はケラケラと笑っている。


…ほんとに大丈夫だよな?


少し心配が残るがよそ見をやめて、親指と中指で輪っかを作る。

その輪にパスタを差し込み、三人分を計る。


測ったパスタを沸騰した水に入れる。鍋の中でパスタが踊り始めた。


パスタを茹でているあいだにベーコンを切り、炒める。


火が通ったら、パスタを茹でている湯を少し掬い、バター、牛乳と共に入れる。


鼻をくすぐる香りは、ベーコンから出るしょっぱいものからバターとベーコンが絡み合った香ばしい香りへと変わり、食欲を誘う。


茹で上がったパスタをソースに加えて、纏わせる。火を止め、予め用意していた卵液と粉チーズを加えてやりすぎない程度にかき混ぜる。


完成だ。


三つの皿に三人分盛り付けて、最後に少し黒胡椒をまぶす。


━━━━━━━━━━


「できたよ〜」


俺は人数分の食器をダイニングテーブルに並べる。

二人を呼んだ途端、クルッ!とこちらを向き、目を輝かせてやってくる。

先程、ベーコンにバターを加えたあたりから視線を感じていたので、香ばしい香りでお腹が空いていたのだろう。


「わぁ〜!美味しそうです!!」

「もう食べるぞ」

「はいはい、どうぞ」


待ちきれないといった様子の二人を椅子に座らせる。まだ食べてもいないのに、こんなに喜んでくれてとても嬉しい。

人に料理を振る舞うのは好きだ。作った料理が褒められた時、自分の努力が報われたように感じられるからだ。


「あち!」


霞は急いで食べたらしく、口をはふはふさせている。こんなヘマをやるのはなんか新鮮だ。

お茶が入っている霞のコップを彼女の前まで持っていき、飲むことを促す。


「ぅ…ありがとうございます……」

「あぁ、ゆっくり食べな」

「すみません、はしたない…」

「大丈夫だよ。…美味しい?」

「うまいぞ!」「とっても美味しいです!!」

「はは、よかった。…ん、霞、ここついてる」

「わわっ」


俺はティッシュボックスからティッシュを取り出し、彼女の頬を拭ってやる。


「んん…ありがとうございます……子供じゃないんですけどっ」


ぷくっと頬を膨らますが、どこか幸せそうな霞。

それが可愛らしくて、思わず微笑む俺。


「いや付き合ってんだろ」


突然響く悠真の声。

俺と霞はまた赤面することになるのだった。

近所にスープカルボナーラが凄く美味しいお店があって、カルボナーラが大好きになりました

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