第16話 上手すぎ
ゲームが好きな女の子に会ってみたい
「ゲーム始めっぞー」
悠真はそう言って、起動途中だったゲームソフトを起動した。
先程の一件で、未だにいたたまれない雰囲気の俺と霞は、微妙に気まずいままコントローラーを持つ。
プレイするゲームは、正方形から成り立つブロックを落としてラインを消す落ち物ゲームだ。
俺は昔からこれが得意で、一瞬だけ世界ランキングにも入ったことがあるくらいだ。
悠真にもこのゲームの面白さを伝えたくて、無理やりやらせてみたらあっさり沼にハマってくれた。
霞は意外にもゲームが得意らしい。一人称視点で敵と撃ち合ったりする、いわゆるFPSゲームは不得意らしいが、他のゲーム全般は得意らしい。
この落ち物ゲームは、知名度こそ高いが、プレイ人口はあまり多くない。それゆえマイナーといえばマイナーなゲームだ。
俺はコントローラーを握り、ゲームの設定をしていく。その中で、ハンデと書かれた画面に行き着いた。
ハンデをつけると、ブロックの落ちる速度が変わったり、高火力な技を出すためのヒントがゲーム中に表示されたりする。
「悠真、ハンデいるか?」
「欲しいに決まってんだろうが。一般人が世界ランカーと戦えと?」
「はいはい了解。滝か…霞は?」
「っ!…いえ、ハンデいりません」
まだ名前で呼ばれることに慣れていないのか、恥ずかしがるようにボリュームを減衰させながらそう言った。
それより、ハンデいらないのか?まあ、一緒にゲームするのは初めてだし、俺の実力を知らなくても仕方ないか。
悠真がこいつまじかと言わんばかりの顔で霞を見ている。
対する霞は、なんだか妙に自信ありげだ。俺と目を合わせると、すすっと逸らされてしまうのだが。
少し手加減しようと思いながらスタートボタンを押した。
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………
リビングには、ゲームの音が響いている。
そろそろ指が疲れてきた。よそ見ができない。
彼女を舐めていた。とんでもない実力者だ。
悠真は俺と霞のプレイに飲まれ、一瞬で負けた。
負けたあともしばらく「すげぇ…」と驚きながら俺たちのプレイを見ていたが、今は飽きたのかスマホを見ている。
俺は細長いブロックを差し込み、霞に高火力を送る。しかし、彼女はそれをわかっていたかのように相殺してくる。
ならばと思い、予め用意していたブロックの地形にTの字のブロックを捻り入れる。「T-turn double」という技だ。これなら効くだろうと思っていたのだが、それすら無駄だった。
霞に攻撃を飛ばした途端、彼女は巧みにTブロックを入れ込み、「T-turn triple」を返してくる。
返された攻撃を頑張って相殺する。
ここ10分間、ずーっとこれの繰り返しだった。
もはや手加減なんてしていられない。なんなら彼女の方が━━━
「へへん、もう手加減しません。指が疲れてきましたので」
霞は得意げに笑ってそう言った。
やっぱり手加減されてた…
次の瞬間、とても抑えきれないような火力がバカスカ飛んでくる。どれだけ実力を隠していたのだろう。さっきまで手加減してやろうだなんて思っていた俺はなんて浅はかだったのだろう。勝てるわけもない試合に絶望した。
でも…俺にも世界ランカーとしての意地がある。
霞の指が疲れて動かなくなるその時まで粘ってやろう。そうすれば俺の勝ちだ。
そんな汚い戦法は通用せず、普通に負けた。
テト〇ス知らない人のために…
作中で啓人と2人が出した技「T-turn」は、
本当は「T-spin」という名前です。
T-spin doubleなら相手に4ライン攻撃できて、
T-spin tripleなら相手に6ライン攻撃できます。
啓人の4ライン攻撃に霞が6ライン攻撃を浴びせたので、、4ライン攻撃をした啓人に2ライン攻撃が帰ってくるわけですね。
私の文章力の問題でこの説明じゃ全く理解できないと思います。今回は★★★★★いらないのでテト〇スやってみて下さいね。
奥が深くて面白いですよ!!
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