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第10話 彼女の処世術

更新遅れてごめんなさい!

「お待たせしました!」


放課後、駅のホームで滝川さんと合流する。かなり急いできたのか、息が上がっている。


「えっと…大丈夫か?」

「ふぅ、ふぅ、はい、大丈夫です!あまり本川さんを待たせたくなかったので」

「俺はいくら待っても大丈夫なんだけどな…まぁ、急いでくれてありがとうな」

「へへ、あ、電車来ました、早く乗りましょう」


滝川さんは俺の制服の袖を引っ張ってくる。

やはり少し距離が近いような気がする…

彼女のその行動に少しの微笑ましさと嬉しさを感じながら、ふとあるひとつの疑問が浮かぶ。


「そういえば、家の方向同じなはずなのに今まで滝川さんを通学路で見たことなんてなかった気がする」

「あ、あぁ…その話しますか…」

「あ、なにか言いたくないことがあるなら言わなくても…」


滝川さんは言いづらそうに眉を下げる。正直とても気になるところであるが、彼女が言いたくないのなら…と思ったが、彼女は俺の言葉を遮って、少し真面目な顔になって言う。


「いえ、話します。いつか話すだろうとは思ってましたし」

「そ、そうか。無理はするなよ?」

「ありがとうございます。……私はずっと、本川さんを避けてました」

「ほお」

「これは私の過去が関係しています。色々あって、軽い男性恐怖症になっています。それに…自分で言うのもなんですが、私って容姿が良いでしょう?」

「うん」

「…っ!」


少し重めの話をしていたと思ったら、突然のこの発言。そして、この問の答えは肯定が間違いなく正解なので、肯定すると今度は彼女が俯いてしまう。が、すぐに切り替えて話し続ける。


「し、失礼しました、続けます。」

「あぁ」

「小学生の頃、私はある男の子に告白されました。その時はその人のことをあまり意識していませんでしたが、初めて告白されて浮かれていた私は、okと返事をしました。…ここが間違いでした。相手のことをよく知らずに、適当に決断してしまいました。相手の男の子はお世辞にも素行がいいとは言えませんでした。彼と行動する中で気になる点は何度もありましたし、何度も止めようとしました」

「…」


過去を思い出しているのか、苦しそうな顔を見せて話し続ける滝川さんを見て、話を止めさせようかとも思った。

しかし、ここまで聞いてしまったし、滝川さんも話したいから話しているのだろう。俺は彼女の目を見て、話の続きを促す。


「しかし、彼は思った以上にヤンチャな子で、彼女である私にも暴言、暴行は日常茶飯事でした。当然、彼のヤンチャは私に止められるはずもなく…あの時両親や先生が私たちを引き離してくれなければ、私はもっと酷いことになっていたんでしょうね」


思わず息が詰まってしまう。

小学生だからこその無邪気さなのだろうか。成長の過程で起こることであって仕方のなかったことだったかもしれない。それでも、滝川さんが今まで苦しめられた原因である男子に腹が立ってしょうがない。

でも、ここで俺だけが怒ったって意味は無い。むしろ、俺が怒鳴り始めたりしたら、それこそ滝川さんは俺から距離をとるだろう。


「たったこれだけのことで、少し男性が怖くなってしまいました。中学生の時も、私の容姿しか見ないで言い寄ってくる男性が多かったものですから」

「……理由の説明は終わりかな?」

「はい、言えてスッキリしました。…そして、ごめんなさい、本川さん。あなたの良き人柄を知ろうともせず、避けてしまいました本当に…反省しています」


頭を下げてくる滝川さん。人は少ないものの、まだ電車に乗っているからそこまで深くは下げていない。

この謝罪にどう返せばいいだろうか…?もちろん怒ってなどいないし、彼女なりの処世術であることも今の話で理解した。

なんと言葉をかけようか悩んでいるうちに、勝手に手が動いた。その手が置かれた位置は━━━


「わっ…!」

「…」


軽く下げられた彼女の頭だった。

しばらくあまり高頻度で投稿できないかもです…

気長にお待ちいただけると嬉しいです!

読んでいただきありがとうございます!

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