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あの日の僕へ  作者: Isel
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第六話 体育祭(前編)

今回から徐々にギャグ濃度を高めて行きたい

6月の下旬、期末テストが終わった頃にその話は始まった。HRにて、黒板の前に立った女子生徒が言う。

「さて、来週の水曜日は体育祭です。今日から丁度1週間ですね。今日はその種目決めを行いたいと思います」

「体育祭か…」

宮上はあまり運動が好きではない。苦手という訳でもないが、汗をかくのが嫌いなのだ。

(くだらない、って言うつもりはねぇがな…人の価値観はそれぞれだ)

その時、聞き慣れた声が…皐月の声が教室中に響いた。

「はい!はい!私リレー出たい!」

(まぁ、あそこまではしゃがなくても良いと思うが)

種目決めの司会を務めている生徒の話によると、今回やる種目は『玉入れ』『大玉転がし』『綱引き』『借り物競走』『ローハイド』それと、全員参加の『リレー』らしい。

(ローハイドってなんだよ)

「ローハイドってなんですか?」

その競技の内容がよく分からなかったのは宮上だけではなかったようだ。他の生徒が質問をすると、司会の生徒が簡潔に答える。

「騎馬戦みたいな形になって、上に乗ってる人が紐を括り付けたボールを振り回して的に当てて、っていうのをリレー形式で行う競技です」

興味がある人は調べてみてほしい。

「それでは、そろそろ種目決めに移りたいと思います」

その時、事件が起こった。

(……すっげぇ腹痛え)

突然、宮上を凄まじい腹痛が襲ったのである。宮上は担任にその事を告げてトイレに行こうとする。が、問題は種目決めだ。自分のせいで進行が遅れるなど言語道断である。

「篠月」

「何?」

「俺の代わりに競技エントリーしてくれねぇか。最低個数で」

「最低3つだよね。なんでも良い?」

「ああ、頼んだぞ」

そして無事に腹痛が治った宮上は、教室に帰ってきてから皐月に聞いた。

「ありがとな。何にエントリーした?」

「綱引きと借り物競走とローハイドだよ!」

「それは…どういう基準で選んだ?」

「ミヤミヤがやってたら面白そうなやつ」

「お前な……まぁ、何でも良いって言ったのは俺か」

そしてその日の帰り道…

「ミヤミヤって余命少ないのに体育祭なんて出て大丈夫なの?」

「体育は出来てたし…大丈夫だろ」

「ならいいけど…」

皐月は心配していた。そして決意した。『宮上に何かあったら対応できるように気を配ろう』と。

一方、その日の夜。宮上はいつも通り、買い溜めたカップ麺とエナジードリンクを食べていた。

「…美味いなこれ」

ちなみに今宮上が食べているのは、この前皐月から貰ったやつである。

(…なんだ?何かが起こる気がする…それも体育祭本番で)

宮上は謎の胸騒ぎを覚えながら眠りについた。そして翌日…

「…何だそれ」

「対策だよ!」

皐月との待ち合わせ場所に行った宮上が見たのは、とんでもない重装備に身を包んだ皐月の姿だった。

「登山客かよ」

皐月は運動部のように巨大なリュックを背負っており、荷物の山の中にはところどころどう考えても不要な物が見える上、側面には何故かマグカップが下がっている。

「ミヤミヤになんかの発作が起こったら大変でしょ?備えあれば嬉しいんだよ!」

「憂いが無いんだ、別に嬉しくはねぇよ。あと荷物の山から飛び出てるミニ四駆を説明しろ」

そんなこんなで、宮上達は体育祭本番を迎える。

ちなみにローハイドは私が中3の頃に体育祭でやった競技です

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