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あの日の僕へ  作者: Isel
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第二話 過去

決してこの作品のことを忘れていたわけではありません。課題ともう1つの作品が忙しかったのです。

頑なに他人との関わりを持とうとしない宮上は、その理由を話し始めた。

「俺は…昔イジメを受けてたんだ。確か小6の時」

「えっ…」

「それも一個下の女子からな。笑えるだろ?」

「いや全然笑えないし…」

「当時は家が同じ方向で、一緒に帰ってた奴らでさ。一個下の女子が2人と、同い年の男女1人ずつのグループだった」

「5人で帰ってたんだ?」

「そう。それで、俺は一個下の2人からいじめられてたんだけど、同い年の男女もその一個下2人組になんか色々やってたんだ」

「ただただ被害者なだけじゃんあんた」

「でもある日、担任に呼び出されたんだ。提出物とかはしっかりやってるから、なんの事かと思ってたら…」

「…なんの事だったの?」

「俺が一個下の2人をいじめたことになってたんだよ。しかもその話の中じゃ俺は完全な加害者で、他の4人は全員被害者面だ」

「うわ…あんたは何も抗議しなかったの?」

「そりゃ最初はしたぜ?でも誰も味方してくれねえんだもんなあ…担任も、数少ない目撃者である同い年の奴らも、俺のことを友達って呼んでた奴らも」

「…酷い」

「結局…俺が友達だと思ってた奴らは皆、俺を嘲笑う為に集まってきた観客でしかなかったんだ。だから俺は誰も信じないし、信じたくない」

「…」

「何黙ってんだよ?聞きたいって言ったのは…」

そこまで言って、宮上は言葉を詰まらせた。何故ならば、先程から何も喋らない皐月の顔を見てみると、その目には涙が浮かんでいたからである。

「はぁ?なんでお前が泣いてんだよ?」

「ごめん…嫌なこと思い出させちゃって…」

「今更だろ…てか謝るならまず人を尾行したことからだろ」

「それはやだ」

「なんでだよ」

皐月の涙が少し涙が収まった。

「とにかく、これで約束は果たした。じゃあな、風邪引くなよ」

「待って…」

「なんだよ…早く帰りたいんだよ…まだ友達になれとかいうつもりか?」

「うん…」

「うんじゃねえよ」

「でも…あんたが友達になりたくないって強く思ってるように、私もあんたと友達になりたい」

(譲らねえ…面倒くせえ…)

「何度聞いたって俺の返事は変わらねえ。答えはnoだ」

「え〜」

「ガキかよお前…」

気がつけば、辺りはすっかり闇に包まれていた。

「とにかく、もう暗いから続きは明日な」

「分かったよ…じゃ、また明日ね!」

(さっきまで泣いてたとは思えねえな…)

そして、ようやく解放された宮上は自宅であるアパートの一室へと帰ってきた。

「あ〜…疲れた…」

宮上は帰ってくるなり、シャワーも浴びず、食事もとらず、生活感しかない部屋のソファで、部屋着にだけ着替えて眠ってしまった。

そして翌朝…

「………んだよ…まだ8時じゃねえか…え8時?」

部屋の中には大慌てで支度をする宮上の姿があった。

時は少し飛んで一限の終了時…

「ねえミヤミヤ」

「…それ俺のことじゃないだろうな」

「よくわかったね!」

「俺の目の前でそう呼んでおいて何が『よくわかったね』だよ」

「『宮』上『みや』びだから、ミヤミヤ。駄目?」

「駄目だけど」

「ミヤミヤ、私…昨日考えたんだ」

「それやめろ」

「やめろって言ったって…クラスLlNEの投票で決まったことだし…」

「おい何してくれてんだ」

「大丈夫だって〜このクラスの人は皆いい人だよ?」

「それ以前の問題だバカ」

「あ、忘れるところだった。私、昨日考えたんだけどさ」

「何を」

「私と賭けをしない?」

「未成年のギャンブルは法律で禁止されてるぞ」

「そういう賭けじゃない!」

「じゃあなんだよ」

「ルールは単純!賭けに勝った方の言う事を1つ聞く!」

「賭けの内容は?」

「あっ」

「話は終わりだ」

「待って!待って!ほら、あれじゃん?私が賭けの内容まで決めちゃったら不公平じゃん?」

「まあそりゃそうだけど」

「だから、賭けの内容はミヤミヤが決めていいよ」

「急に言われてもな…」

「なんとか考えて!この休み時間中に!」

「猶予少ねえな!あと2分じゃねえか」

「がんばれ!」

「……じゃ、明日中に1度でも俺を笑わせられたらお前の勝ち。無理だったら俺の勝ち。これでどうだ?」

「えっ?そんな簡単なのでいいの?」

「なんだその反応は」

「もっとこう…勝ち目のない勝負を持ちかけてくるかと…」

「俺をなんだと思ってる?」

「すみません…って、あぁ!」

「今度はなんだよ忙しい奴だな…」

「2限って移動教室じゃん!」

話に熱中しすぎて気づかなかったが、教室にはもう2人以外誰もいなかった。

「やばいやばい!あと20秒だよミヤミヤ!」

「それやめろって!あと誰のせいだと思ってんだ!」

「ちょっ…ミヤミヤ速い!」

「残念!俺だけは間に合いそうだな!」

そう叫んだ宮上の顔には、僅かな微笑みが浮かんでいた。

「あ!今笑ったよね!」

「ノーカンだノーカン!明日中って言ったろ!」

そんな事を言っている間に、既に始業のチャイムは鳴り終わっていた。

ちなみに宮上の過去は私の実話です。物語としてはもっと詳しく書いた方がいいんでしょうが、決して良い思い出じゃないので書きませんでした。今話に限った話じゃないですが、もしかしたら皐月の台詞は全体的に私がかけてほしかった言葉なのかもしれないですね

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