世界連合軍
今回はララの成長が見られる回です
アルブレの戻ってくる事が出来たシン達はこれからの事についてを話始めた
「帝国への協力要請もしたしヴァンカンスとスフェスからの物資提供のお陰で兵力も補充できた・・・
でもやっぱり問題になってくるのは教団としての向こうの戦力だよな・・・」
既に王都にいる反乱軍を倒せるだけの戦力は整えているのだが
問題は未だに未知数の戦力を持っている教団の存在だった
「ああ・・・他の六柱官を倒した以上は彼らも既に後がないと考えてもいいだろう・・・
それこそ今までとは桁違いの戦力で総力戦になるはずだろうな・・・」
そしてその総力戦となればもはや帝国からの援護だけで大丈夫なのかどうかすらも分からない
下手をすれば全滅してしまう可能性も視野に入れていた方がいいだろう
「でも今更、後には退けないだろ?だったら覚悟を決めるしかないだろ」
確かにシンの言う通りかと言って他に何か作戦があるわけでもないし
何よりもこの期を逃してしまえば向こうにさらなる時間の猶予を与える事になる
それだけはどうあっても避けなくてはならないし何よりも全ての努力が無駄になってしまう
だからこそもう覚悟を決めて王都へと乗り込む以外の選択肢はないのだ
「だな・・・今更他の国に支援を求めるわけにはいかないしそもそもそ間に合わないか・・・」
カライもこれ以上の戦力を求めたとしても今から連絡したとしても間に合わないだろう
そんな風に思っていると何やらこちらに向かってくる一団の姿が見えた
最初は反乱軍が攻めてきたのではないかと警戒していたがその旗印を見て逆に驚いていた
「あれは・・・ヴァンカンスの旗印?!って事は援軍か!!」
なんとみんなの元に向かっていたのは他でもないヴァンカンスの援軍だったのだ
「それだけではありません!後ろにはスフェスにフェルミの旗印もあります!!」
しかもそれだけではなく更にその後ろにはスフェスにフェルミの旗印を持った一団もいた
「おいおいマジかよ・・・!ここで援軍が送ってくれるなんてどこまで気前がいいんだよ・・・!」
シンの言う通りこれはもはや自国の利益など全く考えずにこちらを助けてくれる
そんな決意が感じるようなまさに善意の援軍だと言っていいだろう
「ああ・・・!だがこれで憂いは無くなった!後は王都を奪還するだけだ!」
「・・・まさかウチの援軍の中に親父がいるとは・・・流石にダメだろ・・・」
カライは自国であるヴァンカンスからの援軍に近づいたところ
その先頭にいたのは他でもない自分の父であるヴァンカンス王でその登場に呆れていた
何せ自国を空けてまで駆けつけたのだから当然といえば当然の反応だろう
「仕方あるまい・・・これは我が同盟国で起きた事件でもあるし何よりも他人事ではない
国の情勢は既に治まりつつあるからこそこの戦に参加する事を決めたのだ」
そして同時にヴァンカンス王は彼ら教団の戦力がどれほどのものなのかを気にしていた
それ次第によってはとある提案をしなくてはならないだろうと考えてしまうほどに
「ウチからはまさかセッペン将軍が来てくれるなんて・・・!よく母様が許したわね?」
ヒョウカの自国であるフェルミからは最強の巨人乗りと言われているセッペン将軍が来ており
そんな人物をよく送り出してくれたとヒョウカは自身の母について感心していると
「いえ・・・実は私からお願いしたのではなく女王の方から派遣の命を出してくださったのです」
どうやらセッペン将軍が自らお願いしたわけではなく
女王自ら彼にここへ向かうように命を出したらしい
「それは同時に・・・それほどまでに教団という組織を警戒しているという事でもあります」
確かにセッペン将軍のいう通り被害にあった国としてはそこまで警戒するのは当然だろう
しかし女王はそれ以外で教団を警戒してしまう新しい事実を知ってしまったのだ
「実は改めて教団について調査をしたのですが・・・もっと前から存在していた事が分かりました
ですが問題はそこではありません・・・問題は先代の教団を率いていた主なのですが・・・
今の主によって処刑されていた事が分かったのです・・・」
なんと最初から教団という組織が存在していたのだが驚いたのはそこではなく
教団を率いていた先代の主が今の主によって処刑されたという点だった
「そこから教団は先代に支えていた者達を次々に粛清し今の教団を作り上げたそうです・・・
その粛清を生き延びた人間から聞いたのですが・・・あれはまさに悪魔の所業に他ならないと
完全に心を壊されておりこれ以上の詳しい話を聞く事が出来ませんでした・・・」
セッペン将軍は申し訳なさそうに話していたが今の教団についてを聞けただけでも十分だろう
(悪魔の所業・・・確かに教団を率いている者はまさに悪魔と言ってもいいのでしょうね・・・)
「・・・援軍としてきてくれた事を感謝します・・・軍を再編成している間に
まずは国の重要人物である皆様方に改めて教団の目的などについてを報告したいと思います」
ナオマサは援軍に来てくれたみんなに対してこれまで自分達が調べてきた教団についてを話し始めた
「まさか奴らの狙いがそれほどまでに大規模なものだったとは・・・!
しかもその準備は完了しているのか・・・ならば尚更、この戦いは負けられないな・・・」
ヴァンカンス王は教団の目的が分かり再びこの戦の重要性を理解していた
「しかしミエンの天才が向こうの幹部だったとは・・・おまけに改造した魔物に人体実験まで・・・
どうやらセッペン殿から聞いていた通り今の教団はまさに悪魔の巣窟となっているようですな」
スフェスからきた将軍の一人はみんなからの話を聞いて改めて教団の怖さを実感していた
「・・・私はこれまで自分の国の事しか考えていませんでした・・・
ですが今回の旅で実感しました・・・今はみんなで一丸となり教団を倒すべきなのだと・・・!」
教団という組織がこの世界にとってどれほど脅威でありどれだけの民を傷つけているのか
ララはこの旅でそれを大きく実感し今となっては自分の国だけではなく他の人々も救いたいと思っている
「だから私はこの戦いが終わった後・・・全ての国に対して同盟を結びたいと思います・・・!」
一人の国を統べる者としての発言を聞いてその場にいた全ての人が聞き入っていた
「・・・まさか私が考えていた事を先に言われてしまうとは・・・本当に大きくなられましたな・・・
もちろんヴァンカンスはその同盟を全面的に賛成させてもらいます!」
実はヴァンカンス王も最初から提案させてもらうつもりだったのだが先に言われてしまい
改めてララがこれほどまでに大きくなったのだと少しだけ感動している様子だった
「こちらとしても既に王からは同盟を組む事は了承しております」
そしてスフェスから来た将軍もその同盟への参加は王から命令されていたようだ
「この場で答えを出す事は流石に出来ませんがおそらくは女王もその同盟に参加してくれるでしょう
問題は他の二国・・・ミエンとメソンゲですね・・・あそこは被害が大きかったですから」
ミエンとメソンゲは国のトップが六柱官だった事もあり国の立て直しで忙しいはずであり
とてもではないがこの同盟に参加できるほどの余裕はないだろうと全員が思っていた
「・・・仕方ありません・・・それを私達が責める事は出来ないですから・・・」
「いや別に心配してくれなくても大丈夫だ・・・儂等もその同盟に参加させてもらおう」
その言葉を聞いて全員が後ろを見るとそこにはガンジとアカリの姿があったのだ
「ガンジ殿にアカリ殿?!どうしてここに?!国の方は大丈夫なのですか?!!」
まだ情勢としては安定していないのにどうして国の責任者である二人がいるのか慌てていると
「こっちとしては工房さえ動けば特に問題はないし今はバカ孫の件があるからな
そう言った意味じゃ国でじっとしているよりも同盟を結びにここまでくる方がいいんだよ」
どうやらガンジは身内の問題だからこそここまで来ることの方が重要であり
何よりも自分は一度はもう引退しているからこそ
国には手を出さずに同盟を結ぶ為の連絡役としてきたそうだ
「正直な話、メソンゲはまだ情勢は安定していないのですが教団を見過ごしている訳にはいきません
つまりは教団の脅威がある限りはメソンゲに真の平和はないと言う事です」
どうやらアカリの方は本当の意味でメソンゲに平和を超させるという意味で
国の情勢を安定させるよりもまずは外から脅威である教団をどうにかするのさ先だと考えたようだ
「・・・どうやら決まったようですな・・・!それでは世界の平和の為に此度の戦は必ず勝ちませんとな!」
ヴァンカンス王の言葉にみんなが反応してそれぞれに行動を開始する
「・・・いよいよ始まるのですね・・・私達の国を取り戻す戦いが・・・!」
先ほど話していた事は嘘ではないがそれでもやはり旅の最初の目的は他でもないアルブレを取り戻す事
まずはその悲願を果たさなければならないしそれを目指して頑張ってきた事もあり
ララはようやくそれが叶うのだと改めて実感していた
「そうですね・・・そして今回の旅は無駄ではなかったと改めて証明されました・・・」
自らが動いて各国の問題を解決して新しい絆を作り上げる事が出来たララ達
そしてその甲斐もあり今では全ての国が協力して今も教団と闘おうとしている
これまでララ達が行ってきた事は決して無駄ではなかったという事だ
(そう・・・たとえどんな些細な事だったとしてもそれは決して無駄になどならない・・・
お前と培ってきた絆もそうであると私は思っているぞ・・・フェウ・・・!)
因縁の相手でありかつての友であるフェウにナオマサはあの日々は決して無駄ではないと思いを固める
「・・・必ず・・・お前の間違いを気づかせてやる・・・!それが友としても役目だ・・・!!」
いよいよ決戦が始まりそれぞれの準備をするシン達
しかしそんな中でララが再び予知夢を見る事になった