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教団の目的

今回は教団の目的とそのボスについてのお話があるよ!

ナオマサはシン達が起きるのを待って自分がロシェの研究室で見つけた物についてを話した

それを聞いてシン達は教団という組織に恐怖していたがこれだけで話が終わるとは思えなかった

「・・・どうやらみんなも気づいているみたいだな・・・そう・・・

 これは彼らが研究していたものではあるが本命ではない・・・

 教団が本当に作り出そうとしている恐ろしい兵器とは・・・これだ・・・!」

ナオマサがロシェの研究室から持ってきた設計図をみんなに見せた

その設計図を見た瞬間にみんなは驚きと恐怖で顔が歪んだ

「・・・これが・・・あいつらの狙いだって言うのかよ・・・?!」

みんなが驚き恐怖した設計図にはこう書かれていた『人類思考催眠装置』と・・・

「・・・つまり彼らは私の母様にやったような事を世界規模でやろうとしている・・・

 ですがそれほどの規模で起こせるのですか?どう考えても・・・」

実際にそれを経験した事があるからこそヒョウカはこんな事が出来るのか疑問視していた

ヒョウカは魔法への対抗力があったのでその効果を受けなかったし

例の装置でも操れる人数や使える回数には限界があった

だからこそこんな事が出来るなど考えるのはまさに夢物語に等しいのだ

「・・・しかし教団はそれをやろうとしている・・・そして既に成功させる為の目安もつけている」

クロトの言う通り教団は既にそれを実行する事が出来ると確信し行動しているのも確かだ

それはつまり彼らにはこの夢物語を実現できるだけの材料が揃っていると言う事

その材料が何かまでは分からないがその一つがララという事だけは間違いなかった

「でもさ・・・本当にララ姉ちゃんだけで出来るのか?」

ここでテンテコが気になっていたのは

こんな大掛かりな事をララだけの魔力で出来るのかという物だった

それを言われてナオマサ達も確かにララの魔力は絶大ではあるが無限ではなく

この計画を成功させられるとは到底思えないとなれば残された選択肢としてはもう一つだけあった

「・・・彼らの中にも古の魔法使いがいる・・・?!」

それはララと同じく古の魔法が使える人間が教団にいるという事だった



「・・・もしかしなくてもそいつが教団のボスだろうな・・・」

もしもその可能性がありそれは教団のボスと言うのならば

こんな無謀な計画を考えながらも実行に移そうと出来ているのに納得が出来る

「だがどんな魔法を使えるのかはまだ謎だな・・・少なくともこんな計画を考えられるほど

 馬鹿げた魔力を持っているって事だけは確かなんだろうが・・・」

カライの言う通り相手がどんな魔法を使えるのかまでは分からないが

少なくともララと同等がそれ以上の魔力を持っているのだけは確かだろう

そうでなければこんな馬鹿げた計画を考えるわけもない

「・・・たとえどんな力を持っていたとしても奴らが悪行を繰り返した事に変わりはない

 そしてやろうとしている事が許されるわけでもない・・・分かっているな?」

そう・・・たとえ力を持っていたとしてもそれで人を傷つけて言い理由にはならない

それはシン達も分かっており彼らとの戦いを止めるつもりはなかった

「・・・となれば早く教団の本拠地を突き止めないとな・・・

 その為には残された二人の六柱官・・・一人は業火のフェウだってのは分かってるけど・・・

 残りの一人・・・最後の六柱官はまだ分かってないよな・・・いる場所はもう察してるけど」

カライがそう言ってみんなが同じく思い浮かべていたのは六大国最後の一つである

水晶の法国と言われているメソンゲだった

しかしこの国はある意味でミエンと同じくらいタチの悪い国でもあった

「何せ国一つがまるまるとある宗教団体の一つだからな・・・

 ミエンは人との関わりを拒絶してきたがメソンゲはその逆・・・

 自分達の宗教を広げる為に色んな国との関わりを持っている唯一の国・・・

 だからこそ・・・その中に裏切り者がいるとしても信じてはもらえないだろうな」

宗教の世界において最も重要視されているのは信じる心である

しかしこれは同時に付け入る隙を生み出してしまうものであり

たとえ裏切り者がいたとしてもそれを認めたりなどは絶対にしないのだ

そんな事をしてしまえば自分の信仰が汚れていると思ってしまうから



「・・・ですが行かねばなりません・・・もはやここでの出来事は知られた以上は

 教団はいつ動き出してもおかしくありません・・・その前にこちらから行動しないと・・・!」

ララの言う通りもはや教団の主だった戦力はそこまで残されてはいない

となればいつ本格的に動き出したとしてもおかしくはないのだ

ならばその前にこちらから出向いて戦力を出来るだけ削る必要がある

そしてその上で彼らの本拠地を調べなくてはいけない

「・・・それにガンジ殿が先ほど調べてくれたのですが・・・

 どうやらこちらで作っていた物の一部をメソンゲに送っていたようなのです

 そしてあの装甲列車・・・線路の先はメソンゲへと続いていたそうです」

そこへ新たなる事実としてナオマサはメソンゲがこちら側に繋がっていた事を告げる

それを聞いてシン達はやはりメソンゲにも教団が潜んでいるのだと理解した

「しかし厄介だな・・・メソンゲに入る事自体は特に大した手続きも必要はないが

 問題は首都のウヴィア・・・あそこは聖地と言われていて特定の人間しか出入りが出来ない

 そしてどうやって入ればいいのかも分かってはいない・・・」

実はクロトですらウヴィアに入った事はなく最高司祭にもあった事がなかったのだ

だがメソンゲで教団と戦うのならば最高司祭に会っておかなくてはならない

「・・・だがまずはお前達の体調もあるし巨人のメンテもある・・・

 しばらくはここに滞在して体を休めるといい・・・

 その間に私達は他にも手掛かりがないかを調べておこう

 姫様やテンテコ達はシン達をお世話をお願いします」

とりあえずの話を済ませたナオマサはみんなにしばらく休むように言って

自分はガンジと一緒に再び教団の手掛かりを探すと言って部屋を出ていった

残されたシン達は緊張が解けたと言うのもあるのかベッドに倒れ込む

「・・・教団・・・そのボスがララと同じ古の魔法使いか・・・

 まるで昔、聞いたおとぎ話みたいになってきたな・・・

 古の魔法使い達はどんな気持ちで戦ってたんだろうな・・・」



「・・・おとぎ話の人物が何を思っていたのか俺も分からないが・・・

 最後に何を思って魔法を捨てたのかは分かる・・・そしてその望みが叶わなかったという事もな」

古の魔法使い達は自分達の魔法で再び世界が混沌に染まる事を恐れて

その術を石に封印して魔法を捨て平凡に暮らす事を選んだ

二度とあのような戦争が起こる事はないようにと祈って

しかしその望みは叶わず再び魔法を使える人間が世界を混沌に導こうとしている

「・・・ちょっとディパシーの様子を見に行ってくる」

シンは何かを感じたようでディパシーの様子を見に行くと告げる

「それなら私も同行していいですか?皆さんに感謝の言葉も申したいので」

するとララも一緒に行って工房のみんなに感謝を言いたいとシンに同行する

工房に向かうとそこにはガンジの姿がありディパシーのメンテをしていた

「ん?お前さんか・・・こいつの整備はまだ終わっていないぞ?」

ガンジは作業の手を止めてディパシーのメンテが終わっていない事を知らせる

「うん・・・ちょっとこいつの様子を見にきただけだから大丈夫」

それはシンも分かっておりガンジの邪魔はせずこいつを見ているだけだと告げる

それを聞いてガンジも何かを悟ったようで何も言わずに再び作業に戻った

そしてシンはララと一緒にディパシーの元に向かいその体に触れる

(・・・あの時の魔法使いは何を思って自分の魔法を石に封印したんだろう・・・

 もしもそれがクロトの言う通り混沌の世界を作らないようにと言うものなら

 俺達はその願いを裏切った事になるんだろうな・・・)

シンがそんな風に思っているとララもそれを感じ取ったのかゆっくりとシンの手を握る

するとその瞬間に二人は意識が遠のき次の瞬間にはシンが試練を受けた空間に飛ばされていた

『・・・再び君に会えるとはね・・・そして初めまして・・・時の巫女・・・』

そしてそこには再びシンに試練を与えた光の人が現れた

「あんたがここに呼んだのか?しかも今回はララも一緒になんて・・・」

シンはララも一緒に連れて来られるのは初めてだと思い何を考えているのかを尋ねると



『君達に話しておこうと思ってね・・・過去の戦争の事を・・・

 そしてそれを引き起こした魔法使いについての話をね・・・』



『かつての戦争・・・それを引き起こした邪悪な魔法使いは世界を憎んでいた

 自分の思い通りに動かぬ人間にも儘ならぬ天候にもそして変わらぬ景色にも・・・

 彼はまるで自分の生きている世界はこんな場所ではないというように世界を壊そうとした

 それを止める為に多くの魔法使いが立ち上がり彼を倒した

 それを先導していたのが時の巫女と呼ばれる乙女と私の兄・・・時の勇者の二人だった

 しかし二人はその戦いの代償ですぐに命を落とす事になった・・・

 私はそれを悲しみ二度と同じ悲劇が起こらぬように魔法を捨てる事にした

 そして時を超えて・・・時の巫女は転生した・・・そっちのお姫様にね』

光の人はなんとララは古の時代に存在した時の巫女の生まれ変わりだと話した

それを聞いてシン達は驚いていたが直ぐにもう一つの事実に気がついた

『そう・・・時の巫女が転生したように邪悪な魔法使いもこの世に転生した・・・

 君達が戦っている教団と呼ばれる組織・・・その長こそがおそらく奴だ・・・!』

シン達はこの話を聞いて古の戦いはまだ終わっていなかったのだと悟った

そしてそれを終わらせなくては古の魔法使い達の思いを無にしてしまうという事も

『・・・私からの話はこれで終わりだ・・・そして願っているよ・・・

 君達がこの古の時代から続く戦いに終止符を打ってくれるとね・・・』

そう光の人間が告げるとシン達は再び意識が遠のき気が付けば先ほどと同じ場所で立っていた

(・・・必ずお前達の願いを叶えるよ・・・みんなと一緒に・・・!!)

現世に転生した邪悪なる魔法使い

それこそが教団の長だと聞かされたシン達

彼らは古から続く戦いに終止符を打つ事を約束した

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