表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
75/142

空を飛ぶ巨人

今回はシンとカライの二人だけが活躍します

準備を終えたナオマサ達は急いで要塞へと向かう事にした

要塞に戻るとその周りは既に台風のような天候になっており

生身の人間が飛び込むにはあまりにも危険だった

「まさかここまで悪化しているとはな・・・やはりあの二人に任せるしかないな」

一方でシンとカライは要塞へと繋がっているはずの川がないかを調べていた

「必ずあるはずなんだが・・・どこにも見当たらないな・・・」

シン達は周りを必死で探しているのだがとてもそれらしい物はなかった

しかし人が生活する以上は下水道という物は必ず存在するはず

するとカライが川の先でおかしな水溜まりを発見した

「なるほどここがあいつらの基地に繋がっている場所ってわけか・・・!」

後はその周りにあるであろう人が通れる道を探せばいいのだが

周りを見ると森ばかりでとてもそんな人が入れるような施設はなかった

「・・・もしかして出入り口は分からないように隠しているのか?」

唯一の侵入場所ではあるので隠されている可能性は十分にあった

とにかく念入りに調べていくと明らかに人工的な草が生えている場所を発見し

そこを色々と探っていると何やら機械の板が出てきてそこには色んなボタンがあった

「もしかしてこれを正しく押さないと開かないって事か?そんなもん分かるわけ・・・」

ここにきてまさかの頭を使う事になるとは思っていなかったようで

これをどうやって解けばいいのだと思いながらとりあえずボタンを押してみる

どうやら間違えても不正解の音が鳴るだけで警報は鳴らないようだ

これならばいくら間違えても大丈夫なので二人も安心してボタンを押す

そしてかなりの時間が掛かったがどうにか正しいボタンを押して扉を開く事に成功した

「ハァ・・・ハァ・・・マジでボタン多すぎるだろ・・・」

この時点で既にシン達の体力は限界に来ていたが作戦的にはここからが本番である

下水道に入れたとしても見張りとかがいない可能性がないわけではないので

ここからは慎重に進みながらも急いで要塞を目指していく



「・・・どうやら人はいないみたいだが魔物はたくさんいるな」

下水道の中に入るとそこにはかなりの数の魔物が徘徊しており

しかも好戦的でどうやら彼らを無視して先に進む事は出来ないようだ

シン達は要塞にいる兵士達にバレないよう魔物を倒して先に進んでいく

そしてようやく魔物を倒し終えて下水道の出口に来たと思った瞬間

これまでの魔物よりも大きいおそらくこの下水道の主が現れた

「・・・いやまぁ・・・あんな魔物と戦った後だからな・・・全然怖くねぇわ」

しかしこの前の装甲列車で混成魔物と戦っているシン達からしてみれば

目の前にいる魔物などもはや脅威にすらならなかった

何とも呆気なく巨大な魔物を倒してシン達はようやく要塞に到着した

「外から見ても十分に凄かったけど・・・中も本当に要塞なんだな・・・」

この前の偵察では外からしか様子を見ていなかったシンだったが

中から改めて要塞を見てその圧倒的な技術力に驚いていた

村で暮らしていたシンからしてみればもはやこの要塞は夢物語のようなものなのだ

「惚けてる場合か?急いで例の天候を操る装置を破壊するんだろ?」

するとカライがそんなシンに気がついたようで早く例の兵器を探すように諭す

「そうだったな・・・でも・・・一体どこにあるんだ?」

要塞の中はあまりに大きくとても二人で隈なく探せるような雰囲気ではなかった

「こりゃあ何か手がかりでもないかぎり無駄に時間を食うだけだな・・・」

シンの言う通りこのまま闇雲に探しても勝手に時間が無くなってしまい

それこそ要塞の人間にバレてしまう危険性も高まってくる

なので兵士から話を聞くかこの要塞の見取り図を探しに行こうと思っていると

突如、先ほどまで台風になっていた天気が快晴へと変わり始めた

「どう言うことだ?もしかして例の兵器が故障でもしたのか?」

何にしてもこれはチャンスであり壊れたという事は誰かが直しに行ったという事

そして今もその場所は騒ぎになっている可能性は非常に高い


つまり探すにはまさしく打ってつけの状況というわけだ



「とにかくまずは兵士が騒いでいる場所を見つけないとな」

シン達は急いで兵士達が騒いでいる場所を見つけようと動き出す

すると案の定と言うべきなのか大きな建物の横にあった小さな小屋で兵士達が騒いでいるのを発見した

そして何人かの技術者が現れて小屋の扉を開くと中には地下へと続く階段があった

「どうやらあそこに例の装置があるみたいだな」

ようやく装置がある場所を発見したシン達だが問題はここからだ

先ほど故障した影響もあり見張りの数はかなり多くなっており

しかも中にはその修理する護衛の人もいるので戦うとなればそれなりの労力が必要となる

「流石にあんな中を突っ込んでいったら確実にバレるよな・・・

 一気に破壊するとしても地下の構造がわからないんじゃ・・・」

もしも地下に入ったとして迷子になってしまったら脱出するのは困難

そこへさらに敵兵の増援が来てしまったらまさに絶対絶命というやつだ

なので出来るだけバレないようにあそこへ侵入しなければならない

「どうしたもんか・・・こうなったらいっその事、あの地下ごと破壊するか?」

カライは地盤を崩して地下そのものを破壊しようと提案するが

「いや・・・それだと兵器が完全に壊れるかどうか分からない・・・

 やっぱり直接、乗り込んで破壊する方がいいだろうけど・・・」

シンは必死に乗り込む方法を考えていた時に先ほど兵器が壊れた事を思い出した

もしかしたら例の兵器は試作品だった為に壊れやすかった可能性があるが

それを利用して他の要塞にある機械類を壊せば

技術者だけでも足止め出来るのではないかと考えそれをカライに伝える

「なるほどな・・・確かにそれなら俺達の存在がバレる可能性も低いし

 技術者とその護衛を引き離して足止めできそうだな」

早速二人は要塞の中にある色んな機械類を適当に操作して壊していく

すると見回りにきた兵士達が機械の調子がおかしい事に気がついて

先ほど兵器の元に向かった技術者を呼びに向かった



「よし!これで小屋の前にいるのは見張りだけのはずだ」

そう言ってシン達が小屋に戻ると見張りが二人だけおりしかも中で見張っていた

これならばたとえ気絶させたとしても外から見られる心配はないし

交代の人間が来ない限りは異変に気づかれる可能性もないだろう

シン達は扉をノックして影に隠れると兵士が外に出て様子を確認しに出てくる

その隙にシンが出てきた兵士を気絶させてカライが中に入りもう一人を気絶させる

「さて・・・後はこの下に入って例の兵器を破壊するだけだな」

もう誰も見張りもないだろうとシン達は小屋の中にある階段を降りて地下に向かう

一番下まで降りていくと例の兵器がありしかも見張りは誰もいないようだ

「壊したらすぐに俺達の事がバレるだろうし覚悟を決めろよ?」

流石にこれを破壊すれば外の天気でシン達の存在がバレるはずなので

ここからは要塞にいる全員を相手にしながらララ達が空を飛び越えるまでの時間を稼がなくてはならない

シンはその事をカライに確認すると目で返事をされその返事と共にシンは兵器を破壊した

その瞬間に先ほどまで嵐だった天気はみるみる内に晴れて行き兵士達も異変に気がついた

そして兵器が壊されている事を確認し急いで警報を鳴らしてシン達を探し始める

しかしシン達は自分達の存在をアピールして注意をこちらに逸らす為に巨人を召喚する

もちろん兵士がそんな大きな存在に気がつかないわけもなく教団の改造巨人が向かってきた

「やっぱり教団に協力してるならそいつが出てくるか!だがこのディパシーの敵じゃない!!」

シンとカライは凄まじい勢いで向かってくる改造巨人を倒していく

その一方で天候が晴れて二人の作戦が成功したと分かったララ達も準備に入っていた

「いいか?!儂もこんな物を作った事はあるがあくまでも物を飛ばすだけの道具

 人を飛ばしたらどうなるかまでは保証しないからな!!」

もちろんそれはララ達も理解しており正直、怖くて足が震えそうだった

それでもこの道はシン達が命懸けで作りそして守っている道だ

ならばこれくらいの恐怖で怯んでいるわけにはいかない

ララ達は意を決してガンジの作った射出装置に乗って要塞の上を飛び越える



「っ?!今の音は!!」

シン達は戦いながら上空を見上げるとやはりララ達が空の上に飛び上がった音だったようで

今まさにシン達の上空を飛び越えて要塞の向こう側に降り立とうとしていた

「どうやら向こうもうまくいったみたいだな・・・!俺達も撤退するぞ!」

それを見てシン達ももう足止めをする必要はないと急いで要塞を後にする

もちろんタダで逃してくれるようなはずもなく後ろから追いかけてくるが

シン達はそれを薙ぎ倒しながら反対側の壁まで走って向かう

そして要塞の壁にたどり着いた瞬間にディパシーはブースターを点火し

トゥネは背中の翼を大きく広げて空へと飛び上がった

これには流石の兵士達も追いかける能力はなく二人の悔しそうに見るしかない

シン達はそのまま飛んでいるララ達に合流してみんなを巨人の掌に乗せると

そのままゆっくりと着地してみんなを地面に下ろした

「作戦はうまくいったみたいだが・・・できればもう二度と乗りたくはないな」

流石のナオマサも今回の作戦には応えたようで二度とやりたくないと否定的だった

「儂も長年生きているがこんな体験は初めてだ・・・貴重な経験だったが

 確かにもう一度やりたいとはとても思えないな」

ガンジも初体験でとてもいい経験だったと話していたが

もう一度やりたいかと聞かれれば答えはいいえのようだ

「まぁもう要塞は超えたしそんなやる事なんてないだろ?もしもやりたくないのなら

 今度は空を飛べる魔道具でも作って安全に飛べばいいんじゃないか?」

それに対してガンジはそんな簡単に作れたら苦労はしないというような顔をしていた

「それよりも早く逃げないとまだ後ろから追いかけてくるかもしれないぞ?」

みんなは急いでその場を後にしいよいよ首都のダモンに向かうのだった

要塞を飛び越える事が出来たシン達は

最後の関門であるダモンの関所へと向かった

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ