列車破壊作戦
今回は生身での戦いです!
体も十分に休めて万全の状態になったシン達はガンジから受け取った爆弾を持って線路に向かう
「ここだな・・・どうやらまだ列車は来ていないみたいだし早めに爆弾を仕掛けるぞ」
列車が来る前に急いで爆弾を仕掛けてそれが終わると列車が来るのを待った
そしていよいよ列車がやってきてナオマサの合図っで爆発させ線路を破壊した
もちろん線路を破壊すると列車の中から教団の兵士が出てきて周りを警戒する
その隙にシン達は急いで列車の中へと侵入して列車の動力室を目指す
「動力室はおそらく一番先頭か後方の車両にあるはずだが・・・どっちだ」
ここで間違えてしまうと線路を直す時間を与えてしまうようなものだ
そうなって仕舞えばこの作戦は失敗となりこれまでの苦労も水の泡になってしまう
するとシン達がとある気配を感じ取り急いで向かったのは先頭車両のある方だった
「こっちから魔物の気配が大量に感じる・・・!おまけに奥には特大のも・・・!
動力室を守るって名目なら間違いなくこっちにあるはずだ!」
確かに魔物が守っているのならばその可能性は十分にあるだろう
そして二つ目の車両に向かうとそこには大量の魔物が徘徊していた
「どうやらこっちで間違いないみたいだな・・・後は時間との勝負だ・・・!」
シン達は立ち塞がる魔物を倒しながら先頭車両を目指して前に進んでいく
しかし魔物の数がかなり多く時間がないと言っているのに思った以上に時間が掛かっていた
(思った以上に時間が掛かってる・・・!
このままだともしかしたら間に合わないかもしれないな・・・!)
それに対してクロトも最悪なパターンを想像してしまったようだがどうやらそうでもないみたいだ
「・・・動く気配がない・・・?もしかして俺達をこの列車の中に誘い込んだと言う事か?」
どうやら彼らはここで自分達の事を倒そうと考えているようで全く列車が動く気配がなかった
「・・・と言う事はもう急ぐ必要は無くなったという事だな!だったら気にせずに暴れられる!!」
先ほどまで時間に捉われていた所為で十分な攻撃を当てる事が出来なかったシン達だが
その心配がなくなったおかげで思う存分に暴れる事が出来るようになった
(・・・だが・・・逆を言えばあいつらはこの列車に俺達を倒すだけの何かを積んでるって事か)
魔物を倒しながら先へと進んでいくと今度は教団の兵士が魔物を引き連れて現れた
「やはり向こうは既に魔物を操る為の術を持っているみたいだな・・・
ならばこちらも手加減など無しでやらせてもらう!」
シン達は向かってくる兵士や魔物を凄まじい勢いで倒していく
「どうやらここから先にはもう誰もいないみたいだな・・・
だが・・・大物が待ち構えているのだけは間違いないか・・・」
気配が分かるシン達は先頭車両にいる魔物の気配が明らかにおかしい事に気がついていた
気配は一つしかないはずなのに複数の気配が一つになったような感じになっているのだ
(なんかこの気配・・・見ているだけで吐き気がしてくる・・・!)
嫌な予感を感じながらもシン達はその気配がする車両まで向かうとそこで衝撃的な物を見た
「・・・なんだ・・・こいつは・・・?!!」
そこにいたのはまるでチグハグに複数の魔物をくっつけられた異形の怪物だった
そのあまりの悍ましさに思わず吐き気がしてしまうほどその怪物は衝撃的だった
「まさか教団は魔物すらも改造するようになったのか・・・!悪魔が・・・!」
魔物は本来、人々の生活を脅かす存在としてこの世界に存在しているのだが
目の前にいる怪物の存在を見てしまうともはや教団の方が恐怖に感じてきた
しかし今はそんな事を言っている場合ではなく目の前の魔物に集中しなくてはならない
すると魔物はシン達の事をようやく認識したのか一つの口から炎を吐き出す
シン達はそれを難なく躱すがその先で今度は雷や氷や水などあらゆる魔法が飛んでくる
「どうやら取り込まれている魔物の魔法を全て使えるみたいだな・・・!
攻撃の隙が全くないがどうやって倒せばいいんだ?!」
確かにクロトの言う通り複数の魔物を撃ってくるので躱すので精一杯
とてもではないが攻撃をしている暇など無かった
「だがこれだけの魔法を同時に使っていればいずれ魔力不足になる!
その瞬間さえ逃さなければ絶対に倒せるはずだ!!」
シン達は相手の魔力切れを狙って必死に攻撃を躱しているのだが
(なんて弾幕だ?!このままじゃ先にこっちの方がやられる!!)
あまりにも魔物の攻撃が多すぎてとてもではないが魔力切れまで持ちそうに無かった
せめて壁などを盾にして攻撃を防げればいいのだがこの列車にそんなものはない
それに相手が大きすぎてそんな壁を作り出す事すら出来ないのだ
もはや巨人クラスでも苦戦しそうな魔物を相手にどうやって戦えばいいのか
そんな考えすらも巡らせている余裕はなくシン達はどうすればいいのだと思っていた時だった
突如、魔物が苦しそうに悶え始めて攻撃が一時的にではあるが止んだのだ
その一瞬を逃すわけもなくシン達は全力の一撃を魔物に叩き込む
しかし相手は巨人でも苦戦しそうな魔物、一撃で終わるわけもなく
ゆっくりと起き上がって再び攻撃をしてくるかもしれないと警戒したのだが
「「「?!!」」」
起き上がった魔物の体が急に崩れ始めて魔物は絶叫を上げる事すら出来ずに灰となった
「・・・おそらくは無理矢理に体を繋ぎ合わされた代償だろうな・・・
自分の体に合わない魔法を使い続けて結果・・・体が限界を迎えた・・・」
クロトは魔物が倒れた原因をみんなに説明するが
おそらく言われなくてもなんとなく分かっていただろう
だからこそこんな事をした教団に対して皆は怒りが込み上げていた
「・・・とにかく今は先頭車両に向かい動力炉を破壊するぞ」
ただ一人だけ冷静だったナオマサがみんなに本来の目的を思い出させて
急いで動力室に向かうと巨大な動力炉がまるで稼働限界ギリギリと言うところまで動いていた
「・・・これ・・・もしかして攻撃したら爆発するんじゃねぇの?」
先ほどまでと打って変わりシンはもしかして爆発するのではないかと恐怖する
「・・・その可能性は十分にありそうだな・・・
こんな事ならガンジ殿の爆弾をとっておくべきだった・・・」
ナオマサもその可能性は十分にあると考えているようで
ガンジの作った爆弾を取っておけばよかったと後悔していた
「えっ?それなら俺達が追加の分、持ってるぞ?」
なんとどうやらテンテコ達がガンジから追加の分の爆弾をもらっていたようで
シン達はもっと先に出して欲しかったと思いながらもその爆弾を受け取り設置する
「どこまで爆発するか分からないから私達は列車から降りて離れるぞ!」
流石に動力炉を爆発させるのでどこまでの破壊力があるのか分からず
近くで爆発させるのは危険だと列車から降りて遠くから爆発させる事にした
先ほど線路を爆発させたくらいの場所まで来たシン達は起爆ボタンを押す
すると先頭列車が凄まじい爆発を引き越し他の列車すらも巻き込んだ
「・・・巻き込まれなくて本当によかった〜・・・」
まさかあそこまで爆発するとは思っていなかったようでみんな安堵していた
とにかく作戦はうまくいったのでみんなは急いで村へと戻った
「そうか・・・魔物の改造したものまで現れたのか・・・
ロシェめ・・・そんな外道に力を貸すとは・・・あの大馬鹿者めが・・・!!」
報告を聞いたガンジも魔物の改造を聞いてかなり怒っており
しかもそれをした教団に自分の孫が協力しているのだから尚更、怒りが収まらなかった
「とにかくこれで一つめの関門は排除した・・・残るは二つ・・・
ダモンに向かう道中にある要塞砦とダモンにある関所・・・
どちらも相当の手練れがいるからかなりの苦戦を強いられるだろうな」
どうやら残った二つは要塞砦とダモンの関所の二つだけらしいのだが
問題はその二つにはミエンの中でも歴戦の戦士が守っているらしく通るのは厳しいそうだ
「砦に関所か・・・情報規制が厳重なミエンだけはあってかなり硬いな・・・
更にその二つを超えてもまだダモンで教団が待ち構えているか・・・」
現実問題としてここにいる数人だけでとても解決できるようなものでは無かった
しかしここには仲間になってくれるような人はいないので他にどうしようもない
「関所に関しては儂が設計図を持っておるからそこまでの心配はないが・・・
問題は要塞砦・・・あれはロシェが作った物だから何も分からん・・・」
一方その頃、ダモンにある工房ではロシェが怒って道具に八つ当たりしていた
「まっまさか装甲列車がはっ破壊されるなんておっ思わなかったんだな・・・!
おっおまけにあの老害・・・!
プップレゼントなんてなっなんの役にも立たなかったんだな・・・!」
自分の為にと言っておきながらなんの役にも立たない道具を送ってきた老人に対して
怒りながら同時に教団の部下達にも怒りを露わにしていた
「はぁ・・・はぁ・・・だっだが怒っている場合じゃないんだな・・・
のっ残された壁はよっ要塞砦と関所の二つ・・・どっどうするんだな・・・!」
ロシェは残った二つでどうやってシン達を倒せばいいのだろうと思っていると
「ロシェ様!例の兵器がようやく完成しました!」
ダモンにいる職人の一人がロシェにとある兵器が完成した事を知らせに来た
「つっついに完成したんだな?!はっ早く見せるんだな!」
ロシェは急いで向かうとそこには巨大で明らかに異形な装置があった
「まだ最大出力で試してはいませんが半分ほどの出力で十分な成果が出ました!
これならば兵器として活躍する事は間違い無いでしょう!」
研究員は嬉しそうにこれで十分な成果を上げられた事を説明すると
それを使わない手はないとロシェは凶悪な笑みを浮かべていた
「いっいいと思うんだな・・・!なっならじっ実地試験をするんだな・・・!」
そういってロシェはその兵器をとある場所へと運ばせるのだった
列車を破壊し一つめの関門を超えたシン達
しかしロシェの罠はまだこれだけでは無かった