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盗賊退治

今回は新しい場所に向かいます

一行は王都を奪還する助力を得る為に来たへと向かう事になった

しかしまずは王都から避難してきた人々の為に砂漠の民族国家ヴァンカンスを目指す

「と言ってもヴァンカンスの首都であるアデムとはそれなりに距離が開いている

 どんなに最短ルートを行こうとしても一週間は掛かるだろうな」

ナオマサの話ではアデムは文字通り砂漠のど真ん中にある首都なので

行く為にまずその手前にあるオアシスで装備を整えなくてはならない

つまりは色々と寄り道をしなくてはアデムにたどり着けないという事だ

「それは別にいいんだけどさ・・・他にも寄り道しなくちゃいけないんじゃないの?」

しかしシンはオアシスだけではなく他でも寄り道する理由があると告げる

「どこを寄り道するというのだ?生憎だがこれ以上寄り道をするような場所はないぞ?」

一方でナオマサは何で他にも寄らなくてはいけないのだと疑問に思っている

「あるだろうが!何で馬車をもらったくせに荷台が空っぽなんだよ!

 食料や水だって現地調達するにもほどがあるんだぞ!

 おまけにディパシーを頼るって言っても武器もないのにどうやって戦うんだよ?!」

そう・・・実はあれから勢い良くアデムに向かって出発したはいいものの

馬車の中を確認したら食料はおろか水すらも乗せられておらず

さらには今回の旅で活躍する事になるであろうディパシーの装備を忘れていたのだ

「確かに言われてみればその通りだな・・・仕方ないがここは一つ寄り道をするしかないか」

自分の落ち度だという事に全く気がついていないナオマサは時間が惜しいところではあるが

どこか他の街によって食材や水そして武器を手に入れる必要があると告げる

「それならばモミに行くのはどうですか?あそこならば色々と物は揃っているかと」

するとララはそこまで色んな物を手に入れなくてはいけないのならば

モミという場所に行くのがいいと告げる

「なるほど・・・確かにモミならば食材だけではなく武器も手に入りそうですね」

ナオマサもそれを聞いていい案だと思い一行はモミに向けて出発する事になった

「・・・えっと・・・そのモミって一体どんな場所なんだ?」



「モミとはこのアルブレ一番の市場がある街なんです」



「おぉ〜!スゲェ!人でいっぱいじゃん!!」

モミに着くとシンはそのあまりに人の多さに圧倒されていた

「このモミに集まっている人は王都に住んでいる人々の倍はいると言われています

 と言っても実際に住んでいる人は王都よりも少ないのですが・・・」

ララの話によるとモミに住んでいる人自体は王都に比べて少ないのだが

ここで開かれている市場に参加したくて集まってくる人はおよそ王都の倍はいるらしい

「確かに王都の時も驚いたけど今回はそれを大きく上回ったぜ・・・

 それで?まずはどこから回っていくのがいいんだ?」

この街については何も知らないシンは二人にどこへと向かうのがいいのか聞く

「・・・その前に重大な事を話しておく・・・実は私達は・・・無一文だ・・・」

ナオマサからの重大発表を聞いて三人の時間は停止した

「っ!嘘だろ?!!本当に何もないの?!財布とかは?!」

どうにか意識を取り戻したシンはナオマサに本当に一銭もないのか尋ねる

「ああ・・・本来ならば自分達の金があったんだが・・・全て城に置いていってる状態だ

 姫様も金品になるようなものは持ち合わせていない・・・お前の方は?」

どうやらナオマサの持っていたお金は全て城に置き去りになっている状態で

ララもお姫様なのでお金を持っているわけもなく

結果としてお金を持っているのはシンだけだという事だった

「そりゃ持ってるけど今日と明日の食費分にしかならねぇよ・・・

 これで武器まで買うとなると・・・無理だろうな・・・」

残念ながらシンもそこまで大きなお金を持っているわけでもなく精々が二日分の食費程度

アデムにたどり着くまでに一週間は掛かるというのにあまりにも足りない

さらにはディパシーの武器も買わなくてはいけないので

個人のお金で払えるような額ではなかった

「・・・どうすんだよ?まさかここでしばらく働くなんて言わなよな?

 ただでさえ時間がないのに今更ゆっくりと金を稼ぐなんて無理だぞ」



「あの〜・・・それなんですけど・・・あれなんてどうですか?」

するとララが壁に貼られていた一枚の紙を二人に見せる

「これって・・・盗賊注意に張り紙か・・・嘘?!賞金も出るの?!!」

ララが見せてくれたのはここら辺に出ると言われている盗賊の張り紙で

なんとその下には捕まえてくれた場合の賞金も出ると書かれていた

「まだ貼られていると言う事は捕まえられていない可能性がありますね

 出来ればどこから彼らの居場所を聞ければいいのですが・・・」

そう言ってナオマサは近くにいたお店の人に尋ねる事にした

「すまないが・・・この盗賊達を捕まえに行きたいのだがどこにいるか分かるか?」

ナオマサが張り紙を見せながらお店の人に尋ねると何やら苦い顔をされた

「あんたらもその盗賊の賞金に目が眩んだのかい?だったらやめておきな・・・

 悪いが俺からして見ればそんな額じゃ割に合わないよ・・・

 何せその盗賊の頭は他でもない巨人の乗り手らしいからね」

それを聞いた瞬間に三人は目を見開いて驚いていた

数少ない巨人の乗り手が盗賊団の頭だと言われたのだから無理もないだろう

そして同時にこの人の言う通りどれほど危険かという事も理解できた

(いくらシンがディパシーを使えると言っても乗れるようになっただけ・・・

 おまけに武器もない中で巨人同士の戦いはまだ早いか・・・)

さすがにナオマサも最近、乗り手になったばかりのシンには荷が重いと感じ

何か別のもので金を稼ぐしかないかと考えていた時だった

「・・・おじさん・・・その盗賊団のアジトがある場所を教えてくれ・・・!」

何と他でもないシン自身が盗賊団のアジトがある場所を訪ねていたのだ

「お前・・・わかっているのか?相手は巨人の乗り手としておそらくお前よりも格上だ

 そんな相手と戦えばお前は死ぬ可能性だってあるんだぞ?」

ナオマサは冷静になりながらも

シンに自分がどれほど無謀な事を言っているのか本当に理解しているか尋ねる



「わかってるさ・・・でも・・・だからと言って放っておくわけにはいかないだろ!

 人々を守るはずの巨人に怯えながら生きていかなくちゃいけないなんておかしいだろ!

 だったら俺はそんな間違った奴を倒してみんなを助ける・・・それが俺の覚悟だ!」



(・・・随分と・・・懐かしい言葉を聞いた気がするな・・・)

ナオマサは真の言葉を聞いてどこか懐かしさを感じていた

「ナオマサ・・・私からもお願いします・・・」

そしてララもまたシンと同じ考えから盗賊退治を願い出た

もしかしたらこんな事になる前に騎士団を動かさなかった事を後悔しているのかもしれないし

ちゃんとした正義感から盗賊退治をやろうと言っている可能性もある

(・・・どちらにしてもこのお顔は何を言っても曲げてはもらえないな・・・)

ララの顔が真剣な事に変わりはなくナオマサはどんな事を言っても無駄だと判断し

「・・・分かりました・・・ただしあくまで身の安全を最優先でいきますよ?」

三人はその盗賊団を倒す事にした

「やれやれ・・・本当に行くつもりなのかよ・・・だったらお願いがあるんだがいいか?」

行く事が決まった三人を見て店主は呆れながらも行くのならばお願いがあると告げる

「実はこの街にいた錬金術士が攫われてるんだ・・・

 向こうも巨人がなくちゃ盗賊なんてやってられないからな

 だから行くんだったらその人も助け出してほしい・・・この街の恩人なんだ」

その願いとはどうやらこの街に住んでいた錬金術士の救出だった

店主の話では巨人の整備をさせる為に誘拐されたようで

本当は助け出したいが自分達ではどうにも出来ないからお願いしたいようだ

「わかった!俺達に任せておけ!!」

シンはその人を助け出す事も了承しその店主に盗賊団のアジトを教えて貰った

「それにしても・・・どうして国でも重要そうな場所であるここが盗賊に襲われるんだ?」

ここで一つシンが疑問に思ったのは

どうして国で一番大きな市場であるここが盗賊団に襲われるのかという事だった

しかし・・・その理由はあまりにも単純で覚えのあるものだった

「・・・国の重要な場所だからこそ・・・ここを守っていたのは騎士団長直属の部隊だ・・・」

そう・・・ここを守っていたのは他でもない王都を襲っていた部隊だったのだ



「・・・そう・・・だったのか・・・」



街から少し離れた場所でシン達は先ほど店主に教えて貰った盗賊団のアジトにやってきていた

「あれが盗賊団のアジトか・・・どうやらちゃんと見張りはいるようだな・・・」

ナオマサの予想通りやはり向こうはかなり手練れた盗賊団のようで

表にはちゃんと見張りが立っておりしかも中にまで見張りがいるようだった

つまりは目の前の見張りを倒しても中にいる見張りがさらに教えてしまうという事だ

「どちらにしてもバレるのならば潔く正面から入ったほうがよさそうだな

 幸いな事にこちらがどれほど強いのかは向こうは知らないみたいだしな」

ここで最大の利点となってくるのは向こうが強いと自覚している事だった

それは逆を言えば他に強い人間を知らず慢心してる可能性もある

ナオマサはそこにつけこむ事にしたようだ

「それではまずは私が陽動を仕掛けますその隙にシンと姫様は中に入って人質の救出を

 もしも巨人を使われたらシンは洞窟の外に出てディパシーで応戦しろ」

ナオマサの指示にシンは静かに頷いて返事をしそれを確認したナオマサは飛び出していった

そして作戦通りに外の見張りを対して盗賊達の注意を自分に向け

その間にシンとララは洞窟の中へと入っていった

「暗いから足元に注意して・・・あとは出来るだけ離れないで」

洞窟の中は盗賊団が灯した明かりがあるがそれでもかなり暗く

シンはララの手を取りながら歩いていると向こうの方で声が聞こえてきた

「まさかこの俺達に挑んでくるバカがいるとはな・・・

 だがまぁ一人だけならこいつを出すまでもないだろう」

そう言って一人の男が自分の後ろにある巨人を眺めていた

シンはそれを見て彼こそが盗賊団の頭なのだと判断し

打ち合わせ通りにララを残して盗賊団の前に出て行った

「だったらさっさとその巨人に乗ったらどうだ?侵入者の二人目を倒す為にな!」

シンの登場をさすがの頭も予想だにしていなかったようで慌てながらも巨人に乗り込む

「面白い!そこまで言うのならばこの俺が相手してやろう!このアフェドゥでな!」

次回はいよいよ初!巨人戦闘!

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