表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
49/142

雪山を超えて

今回は巨人戦です!

それから一行はヒョウカの案内でようやく例の雪山にたどり着いたのだが

「さっ寒くてもううっ動けない・・・!!」

どうやら暑い国で育ったカライはこの気温に耐えきれなかったようで

ここにたどり着く前にもう気力も体力も使い果たしてしまったらしい

「これじゃあ魔物との戦いには役に立たないな・・・どこかで休める場所はありますか?」

さすがにこのままでは使い物にならないので

ナオマサはここら辺で暖かくなれる場所はないかヒョウカに尋ねる

「それならたしかこの近くに駐屯地があったはずよ?ほとんど使われる事はないけど」

それでもこの雪と風を防げるのならば十分に行く価値はあるだろう

シン達はヒョウカについていくと一個の小さな家が見えた

「あれが例の小屋よ!あともう少しだから頑張って!!」

ヒョウカに応援されならがようやく一行は小屋の中に入れた

そして急いで暖炉に火をつけて小屋の中を温める

「フゥ・・・まさか雪山を目前にして天候が悪化するとは・・・ツイテないな」

実は先ほどこの小屋が見える位置までたどり着いた瞬間に天候が悪化したのだ

おかげで先ほどまで寒くても大丈夫だったシン達も限界ギリギリだった

「それにしてもおかしいわね・・・空の様子を見ても天候が悪化するなんて思えないのに」

しかし地元の人でもあるヒョウカはこの悪天候を不思議に思っていた

というのも先ほど空を確認した時にはこんな風に悪天候になる予兆はなかったからだ

そして今もこんな悪天候になるような空模様ではなくどう考えても自然のものではなかった

「それってつまり例の魔物がこの悪天候を引き起こしてるって事か?」

もしもそうだというのならばそれが伝説の魔物が使う魔法という事になり

同時に厄介な能力であると思い知らされる

(こんな天候が続けば下手をすれば雪崩などを巻き込まれる可能性があるし

 何よりも視界が悪くてとてもではないが戦える状況ではないぞ・・・!)

まさしく魔物と戦うには最悪とも言える状況でありそれを魔物がやっていると言うのならば



・・・おそらく戦う事すら出来ずに今回の作戦は失敗する事になるだろう・・・



(いや・・・魔物とて無尽蔵の魔力を持っているわけではない・・・

 つまりこの天候もそんなに長くは続かないはずだ・・・問題はその期間か・・・!)

さすがにいつまでも止まない吹雪を待っているわけもいかず

時間をかけ過ぎればいずれ自分達の存在がバレてしまうだろう

つまり出来れば一週間以内に吹雪が収まらなければ

ナオマサ達は撤退しなくてはいけないのだ

(しかし・・・この事実をまだシンや姫様達にいう訳にはいかないな・・・)

こんな事を教えれば無理をしてでも雪山を登ろうとしてしまうだろう

だからこそナオマサは結果が出るまでこの事実を隠す事にした

自分の杞憂だけで終わるのならばそれでよしもしもそうでなければ・・・

「・・・少し外の様子を見て参ります・・・私ならば寒さを感じないので」

そう言ってナオマサは死体の体を利用して外の偵察へと向かった

「・・・大丈夫でしょうか・・・ナオマサは・・・」

どうやらララは先ほどのナオマサの表情を見て何かを隠していると悟ったようだ

しかしそれが何なのかは分からないのでララは不安に思っていた

「大丈夫だろ?確かにナオマサは色々と考えてるんだろうけど

 それを言わないって事はまだどちらに転ぶのか分からないからだろうし」

シンはそんなララに心配する必要はないと告げる

確かに彼の言う通りナオマサは良い方に転ぶのかそれとも最悪な方に転ぶのか

それが分かっていないからこそ何も伝えないのだ

そしてシンはそれが分かっておりだからこそララにそれを伝える事が出来た

「そっそうだな・・・!それに俺達がかっ考えなくちゃいけないのは

 こっこの寒さの中でどっどうやって雪山にたったどり着くかだ・・・!」

カライもシンに同意見でそれよりも考えるべきはどうやって雪山を踏破するかだと告げる

確かにここからは寒さとの戦いになるだろう

おまけにここのような休憩所がないという事は雪山での野宿もあり得る



「そうね・・・私もここから先に関しては行ったことがないから

 地図とこのコンパスを頼りに進むしかないわ」

ヒョウカの話ではどうやらこの先は彼女ですら知らない未開の地らしく

目的地のタルヒ砦に向かうには地図をコンパスを頼るしかないそうだ

「本当にそんなんで大丈夫なのか?魔物もいるのにそんな悠長で?」

カライは本当に地図やコンパスだけで雪山を超えられるのか疑問視していた

確かに魔物がいる中でそれだけを頼るのは心許ないのも事実だった

「やっぱり問題は伝説の魔物か・・・せめて出くわさないといいんだが・・・」

シンとしてはとにかく出会いたくないと思っていた

その理由としては今回は雪山での戦いであり確実にララ達が巻き込まれてしまうからだ

それこそ激しい戦いとなれば命に関わる可能性のある雪崩が起きてしまうだろう

「だな・・・おまけに俺達の巨人は寒さに対策してないから

 下手したら凍ってそのまま動かなくなる可能性もなくはないぞ」

さらにはカライの言っており通りシン達の巨人は雪への対策を全くしていない

足を掬われるだろうし可動部に雪が入って動かなくなる可能性もある

伝説の魔物がもしも吹雪を起こせる能力ならなその可能性は高くなる

「あら?二人は巨人乗りなのね?全然分からなかったわ」

するとこの会話に反応したのは他でもないヒョウカだった

どうやらシンとカライが巨人乗りだという事に驚いていた

「確かに巨人乗りは珍しいけど・・・そんなに驚くことか?」

しかしシンはどうしてそこまで驚いているのか逆に気になっていた

巨人乗りは世界にもそこまで多くはないが王族ならばそんな人物に会う事も珍しくない

なのにどうしてそこまで驚くのだろうと思っていると

「実は私も巨人乗りなのよ!・・・と言っても実際に乗ったのは起動の一回だけだけど」

どうやらヒョウカも巨人乗りだったからこそ驚いていたようで

それを聞いたシン達もまさか自分達と同じ巨人乗りだとは思っていなくて驚いていた



「ただいま戻りました・・・やはりこの吹雪は魔物によって引き起こされているようです」

しばらくしてナオマサが帰ってきてやはり吹雪は魔物の影響だと説明する

「そうなるとこの吹雪がいつまで続くのか・・・魔物次第か・・・」

意気揚々と出てきたのにまさかの待ったをされてシンは肩透かしを食らった気分だった

「だが油断は禁物だ・・・この吹雪がいつまでもこの勢いかどうかは分からない

 もしかしたらもっと強くなる可能性だってなくはないんだ・・・もしもそうなったら

 ・・・この小屋は確実に雪崩で潰される事になる・・・!」

ナオマサは緊張が解けるのはいいが警戒を怠るのだけはダメだと告げる

その理由はこの吹雪が伝説の魔物の実力だとはとても思えないからだ

確かに吹雪を起こす事が出来る魔物も

強力な事に変わりはないが倒そうと思えば十分に勝機はある

それにも関わらず初代皇帝の時代は深手を負わされて倒しきる事が出来なかった

つまり伝説の魔物は大軍を相手にして勝てるだけの力を持っているという事だ

(そんな奴の魔法が吹雪だけだとはとても思えない・・・

 しかし魔物が持つ魔法は一種類に一つだけのはずだ・・・)

吹雪を起こすだけの魔法ならば問題はないのだがもしも本質が違ったら

もしくはそもそも自分達の常識から外れた存在だった場合は

ナオマサの頭の中には伝説の魔物と呼ばれる存在がどれほどのものなのか

その予想を立てようとしても過去の経験からではそれが導き出せない

「そういえば気になってたんだけどこの雪山には他に魔物はいないのか?」

するとシンが伝説の魔物以外に雪山に魔物はいるのかどうかを尋ねる

「それが・・・伝説の魔物の印象が強すぎて私もよくは知らないの」

しかし地元の人間ですら伝説の魔物の印象が大きすぎて調べてはいないらしい

「そうなのか・・・もしもいたら挟み撃ちになると思って警戒してたんだけど・・・

 いるかどうか分からないなら構えておいても意味がないかもな・・・」

どうやらシンは複数の魔物と戦う事を警戒していたようだがその心配は微妙な結果になった



「・・・別の魔物・・・!もしかしてこの吹雪は・・・・!!」

ナオマサは何を思ったのか急いで外に出て行きシン達もそれに続いていく

「やはり・・・!この吹雪は伝説の魔物が引き越したものじゃなかった・・・!」

そう言ってナオマサが何かを捕まえるそこには白いウサギの魔物がいた

「もしかしてこいつがこの吹雪を起こしていたのか?」

まさかシンは吹雪の原因がこんな小さな魔物だとは思わず驚いていると

「いや正確にはこいつらだ・・・そしておそらくは・・・あれが伝説の魔物だ・・・!」

ナオマサの見つめる先にはこの白いウサギの魔物達がたくさんおり

そしてさらにその先には白く巨大な猪の魔物が立っていた

その猪の魔物には幾つもの傷があり歴戦の証として残っていた

「なるほどな・・・確かにあれなら巨人でも厳しそうだ・・・!トゥネ!!」

カライは猪の魔物に対抗しようと自分の巨人であるトゥネを呼び出す

そして猪の魔物に対して大斧を振り下ろして攻撃しようとするが

「グァ?!」

猪の魔物がとてつもないスピードでトゥネに突っ込みそのパワーに負けてしまった

「トゥネのパワーにも勝てるのか!だったら・・・ディパシー!!」

今度はシンがディパシーを呼んで最速のスピードで猪の魔物に突っ込んでいくが

「なっ?!」

先ほどのウサギの魔物が吹雪を引き越して前が見えなくなった

そして猪の魔物も見えなくなるとどこから背後から突進してきた

「くっ!!」

なんとかそれを躱すシンだったがこれでは防戦一方だ

「・・・!待ってください!!」

その時、急にララが現れてシンと魔物の攻撃を止めさせる

「・・・雪山の主様・・・どうかこの雪山を通らせてください・・・!お願いします!」

そしてなんとララは魔物に向かって頭を下げてお願いをしたのだ



「・・・帰って行った・・・?」

するとララの願いが通じたのか魔物は攻撃を止めてそのまま雪山へと戻って行った

「・・・もしかしたらあいつはただ迎えに来ただけなのかもしれないな・・・

 あのウサギ達を・・・」

雪山の主と和解したシン達はいよいよ雪山を超えてタルヒ砦に辿り着く!

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ