反乱軍
新しいキャラの名前がわかるよ!
「なりません姫様!それでは貴方を危険に晒す事になります!
貴方の護衛としてそれを承諾するわけにはいきません!!」
もちろんララの護衛でもあるナオマサはその作戦を承諾しなかった
例えそれが一番可能性が高く教団の人間を誘い出せたとしても
その後、ララが無事に脱出出来るかどうかなど分かる訳もない
「ですが・・・これ以外の教団をおびき出す方法はありません・・・」
しかしララもこれ以外のうってつけの手がない声を分かっているようで
もしも自分が行動して国が助かるというのならばそうしたいと思うのが彼女だった
「・・・悪いがララ・・・その作戦は俺も反対だ」
するとここでいつもはララに賛同するはずのシンまで作戦に反対していた
ララはそれを聞いて悲しそうな表情を浮かべるが
肩に手を置かれてその表情は疑問のものへと変わった
「よく聞いてくれ・・・確かにララが囮になればその男をおびき出す事は出来ると思う
でもな・・・その男が女王と一緒に来ないって保証はどこにあるんだ?」
その言葉を聞いてララもナオマサもそれは考えていなかったという驚きの顔をしていた
「確かに・・・男が慎重な相手なら女王と一緒にやってきてもおかしくはない
いやそれどこか軍隊を動かして姫様を捕まえる可能性も十分にあり得る」
そう・・・そんな大事になれば確実にララは教団に捕まってしまうだろう
それではおびき出す作戦は完全に失敗し逆に向こうが得をする結果になる
「だからもしもララが囮になるのなら確実に軍隊を止めて女王を引き離せるようにしないと」
シンはララの勇気を否定したかったわけではなく
今のままやると失敗する可能性が高い事を教えたかったのだ
もしも囮をするのならばどうにかして軍隊と女王を足止めしなくてはいけないと
「確かにその通りですね・・・
母様は私が反乱軍を率いたと知っても城からは出てこなかった・・・
おそらくはその男が陽動だと思って警戒していたからでしょうね」
「・・・どうやら作戦会議は難航してるみたいだな?これ食うか?」
するといつの間にかカライが港の人から食事をもらっていたようで
その大量の食事をこちらに渡してきた
それを見たシンの腹から凄まじい音が鳴りその食事をもらう事にした
他のみんなもそれをもらって一旦、会議を止めてまずは腹を満たす事にした
「そういえばまだ名乗ってなかったわね?私はフェルミ帝国第一王女のヒョウカよ
ごめんなさい・・・こんな事に巻き込んでしまって」
ヒョウカは自国の事で全く関係ないのにシン達を巻き込んでしまった事を謝る
「いえ・・・それに教団が関わっているのなら俺達も無関係じゃありませんし」
しかしシン達からしてみれば教団がいるのならば全くの無関係というわけではなかった
それにフェルミを助ければアルブレを取り戻す手伝いをしてくれるはずという考えもある
シン達も100%の善意で協力を申し出ているわけではないのだ
「それにしても教団ね・・・その組織について教えてもらってもいいかしら?」
そういえばまだ教団という組織についてを教えていなかったと思い出したシン達は
ヒョウカにこれまで出会った教団の幹部と彼らの狙いとその行動を教えた
「そう・・・まさか他国でもそんな事になってるなんてね・・・
しかもその狙いがそこのお姫様だなんて・・・本当に謎ね・・・」
そう・・・ヒョウカの言う通り彼らが国を乗っ取ろうとしている事と
古の魔法が使えるララを狙っている事以外、教団の事は何も分かっていないのだ
「六柱官と呼ばれている幹部ですら詳しい事は聞かされていないという・・・
いや・・・たった一人だけはその理由とそして彼らの長についてを知っているらしい・・・」
ヒョウカはその人物が一体誰なのかナオマサの話に耳を傾けていると
「その男は・・・アルブレ王国の騎士団長であり我が友・・・
そしてその六柱官のリーダーであると言われているフェウと呼ばれる男だ・・・!」
しかしその口から出てきた言葉はあまりにも衝撃的な内容で目を見開いて驚いていた
「なるほどね・・・そんな男があなた方の国を乗っ取ったというのなら納得だわ・・・」
「だからこそ私達は国を取り戻すべく帝国の力を借りたくてここに来たんです・・・
まぁ・・・状況は思った以上に最悪でしたがね・・・」
ナオマサの言う通り状況は極めて最悪だと言えるだろう
先ほどのシンが言っていた通り完璧に軍隊と女王を引き離さなければ
教団の男をおびき出す意味がない
そして現状ではその作戦は全くと言っていいほどない状態だ
(意思がある状態で操られているのならばまだ良かったが・・・そうじゃないのならば
やはりその教団の男と一緒に行動する可能性は十分にあり得るだろうな・・・)
何かいい方法はないかと考えているが
やはりいい考えは浮かばずどうすればいいのか考えていた時だった
「あのさ・・・その囮作戦の事じゃないんだけど貴方達の力を貸してもらえないかしら?」
するとヒョウカが申し訳なさそうに別の事で力を貸して欲しいと告げる
シン達はそれが一体何に対してなのかを聞いて見る事にした
「実は私達反乱軍はちゃんとした拠点を持っていないのよ
でもこれから本格的に動くとなればやっぱりそう言ったものは必要になる
だからこの先の国境にあるタルヒ砦を奪いたい・・・それを手伝って欲しいの」
ヒョウカの話ではどうやらその砦は国境の魔物からフェルミを守る為の場所でもある為
出来るだけ早めに自分達の管理下に置いておきたいらしい
「俺は協力するぜ!どっちにしても今から作戦考えていい案が浮かぶとは思えないしな
それなら出来るだけこっちに有利になるような状況を作っている方がいいはずだ」
シンの言う通り今の状況でいい案が出てこないというのならば
まずは戦況を動かす方が先だろう
なのでナオマサ達もその砦を奪う事に協力すると決めたようだ
「ありがとう!それじゃあまずは貴方達を借りの拠点に案内するから
そこで作戦を決めましょう!」
ヒョウカは急いでご飯を食べ終わると反乱軍の仲間の元へと走って行った
「・・・なんというか・・・元気なお姫様だな・・・」
カライがヒョウカに抱いていた感想はまさしく元気の一言だった
しかしそれは同時に自らの悲しみを必死に隠しているようにも思える
「それにしても人を操るか・・・魔道具だとは思うがそんなの本当にあるのか?」
どうしてカライがこんな事を言ったのかというと
現在の魔道具の中で人の心を操る物など存在しないはずなのだ
「それは私にも分からない・・・
だが教団の技術は表に出ているものよりも遥かに上だ・・・
もしかしたら作られていた可能性は十分にあり得る・・・!」
ナオマサはこれまで教団の見た事のない魔道具を見てきたので
おそらく彼らならば人を操る魔道具を作ってもおかしくないと考えていた
「しかし・・・今回は教団の仲間はいない可能性が高いな・・・
もしも仲間がいるのならば女王を操る必要などないはずだからな」
確かにナオマサの言う通り仲間がいるのならば女王を操る必要はない
しかし今の帝国の状態では市民ですら教団の仲間になっている言っていいだろう
「何にしてもどうやって女王を操っているのか・・・情報が欲しいな」
ナオマサはこれからどう動くにしても女王を助けるのならば
やはり情報が必要だと考えていた
だがそれは敵しかいないであろう帝都に侵入しなければ果たす事は出来ない
そんな危険な事を誰かに任せるわけにはいかないのでナオマサはそれを諦める
「お待たせ!それじゃあまずは私達の拠点に移動しましょ!」
そこへ反乱軍の仲間との話を終えたヒョウカが帰ってきて彼らの拠点に向かう
「そういえば気になってたんだけどこんな武器とか馬とかどうやって仕入れたんだ?
さすがに一般人がこんなに入手する事は出来ないんじゃないか?」
その移動する中でシンはヒョウカ達の持っている武器がどう仕入れたのか気になっていた
「ああ・・・これは私に賛同してくれた将軍の一人がくれたものなんだ」
「将軍?それじゃあこっちの味方の中にも将軍がいるのか?」
シンは先ほど話していた以外の将軍が協力してくれているのだと驚いていた
何故ならば将軍は基本的に王に仕えるものだからだ
そう・・・例えヒョウカがお姫様だったとしても将軍が女王を裏切るなどありえないのだ
「その人は私が小さい時から支えている人だから今回の反乱を知って
大罪と分かっていても私に協力してくれる事を決めてくれたのよ」
どうやらヒョウカの話ではその将軍は長年支えてくれたからこそ
今回はヒョウカに味方する道を選んでくれたらしい
「なるほど・・・確かにその人に会ってみたいな・・・」
ナオマサはその人物が一体何を考えてヒョウカについているのか
それを知らなくてはいけないだろうと思いその将軍に会いたいと思った
そんな話をしているとどうやらヒョウカの話していた反乱軍の拠点にたどり着いたようだ
「ヒョウカ様!あれほど勝手に動いてはならないと!!」
ヒョウカが拠点の中に入った瞬間に老兵の一人が彼女を叱っていた
おそらくは彼こそが先ほど話していた将軍なのだろう
「初めまして・・・私はアルブレ王国の騎士であるナオマサです
此度の事件・・・我らも解決に尽力したいと思っております」
ナオマサはその将軍の元へと向かい彼に自分達が力を貸すと告げると
将軍は先ほどとは違いかなり険しい表情を浮かべていた
「・・・姫様・・・他の皆に無事だという事を教えて安心させてきてくだされ」
ヒョウカはその言葉を聞いて不思議に思いながらも言う通りにした
「・・・あまり姫には聞かれたくない話だからな・・・奥で話そう」
その将軍に案内されてシン達は拠点の奥へと行き彼からの話を聞く
「正直なところ儂はあまりこの内戦を大事にしたくはない・・・じゃが・・・」
おそらく将軍が言いたいのは女王についている教団の男の事だろう
確かに彼の存在はもう既にフェルミの中で収まるような事件ではないだろう
「将軍・・・私達もそれで少しだけお話ししたい事があります・・・
教団と呼ばれる組織について」
将軍がナオマサ達の話を聞き何を思うのか
そして教団から来た男は何者なのか
まだまだフェルミの謎は深まるばかりだった