表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
40/142

同時救出作戦

いよいよ始まるスフェス決戦!

翌日になり朝になった頃にはすでに船の改造作業が終わりを迎えようとしていた

「どうやら作業も終わりそうだな・・・これでみんなを助けに迎えるな!」

ツガルはようやく念願が叶う時が来るのだととても嬉しそうにしていた

しかし本当に成功するかどうかはみんなの行動次第だ

「問題は向こうがどんな策を練っているのか・・・それ次第だな?」

確かにトルビリオンはまさしく策士というにふさわしい男であり

おそらくはこの襲撃も気づいており何らかの対策をしていると考えるべきだろう

「だが・・・それでも俺達はその対策を超えなくては・・・勝利はない・・・!」

キタンはたとえどんな罠などがあろうとも絶対に屈してはいけないのだと告げる

彼の言う通りここで時間を掛けていたとしても結局は向こうに時間を譲るだけ

ならばたとえ無謀と呼ばれようとも積極的に攻めるしかないのだ

「ああ・・・その為に私達も全力を尽くすつもりだ・・・必ず皆を救おう・・・!」

ナオマサ達もその為に自分達がいるのだと思っておりみんなを救いたいという思いは

キタンやツガル達と何も変わる事はないはずだと告げた

「そうだな・・・それでは俺達は持ち場に向かうとしよう

 海底の装置の方は任せたぞ・・・!」

そろそろ船の改造が終わると思ったキタンは持ち場に戻るべく波止場を後にした

「それじゃあ俺達も向かうとするよ・・・カライ!任せたぜ!」

その後に続くようにシン達もカライに激励の言葉を送って城へと向かった

「・・・シンは・・・彼らは本当に大丈夫でしょうか?・・・」

去っていくシンの後ろ姿を見ながらララは不安に思っていた

「大丈夫です・・・今回は姫様も予知夢を見ていないので彼らは無事に帰ってくるはずです」

確かにララはこの街に来てから予知夢を見てはいないがそれはあくまでも見ていないだけ

つまりまだ未来は何も決まっていないという事でもある

そう・・・たとえその未来が良くても悪くても・・・

「船長!船の改造が終わったぜ!いつでも出航可能だ!!」



「よし!それじゃあ俺達もいざ海底に向かって出発するぞ!!」

カライはトゥネを呼び出してそのまま船の上に乗りいざ海底へと向かう

「・・・どうやらちゃんと固定されてるみたいだな・・・!いい腕をしてる」

海の中に入ってもトゥネは船から離れる事なく固定されており

たった一日だけで作ったというのに想定以上の出来上がりだった

「しかし・・・海底だとやっぱり暗くて何も見えないな・・・

 一応はライトで照らしてるが・・・探すのに時間が掛かりそうだ」

最初から予想はしていたが海底の中はかなり暗くライトを使っても

全体を照らせるわけではないので下手をすれば何も見つけられず

逆に罠に掛けられる可能性も少なくはない

(敵の罠にも警戒しながら装置を探さなくちゃいけないなんて・・・

 まるで追いかけっこをしながらかくれんぼをしているみたいだな)

ナオマサはそんな二つの事を同時にやらされている現状に

もはや敵の作為なのではないかと感じてすらいた

「とにかく今は装置を探すしかないな・・・罠に関しては掛かった時にだ」

今から後の事についてを考えている場合ではないと思ったナオマサは考える事をやめて

装置を探そうと海底の中を必死で見つめていた時だった

「・・・!急に水音が変わった・・・!何かが迫ってきてるぞ!!」

ツガルが先ほどには聞こえなかったおかしな水音が聞こえて

急いで音の聞こえる方を見ると確かに何かがこちらに迫ってきていた

「もしかしてあいつらか?!だとしたらやっぱり罠を張っていたか!!」

敵の姿が見えない以上全てが憶測でしかないがそれでもやはり罠だとみんなが思っていた

そしてその考えたいた通り姿が見え始めるとその姿は巨人の物だった

「まさか装置の護衛の巨人を使っていたのか・・・!しかも海中仕様・・・

 船に固定しているだけのこちらが圧倒的に不利か・・・!」

向こうは自由に海中を動けるのに対してこちらは船と同じに動くので圧倒的に不利だった



「いや・・・!向こうが巨人だろうとこの船なら大丈夫だ!」

しかしツガルはこの船ならばきっと大丈夫だろうと言っており

船員に向かって戦闘体制を取るように指示を出すと船は戦闘形態になった

だがここが水中ならば火器は使えないはずではないのかとナオマサが思っていると

「ちゃんと近づけて撃てよ!こいつは作った数が少ないんだからな無駄にするな!」

どうやらツガルも考えていたようで水中でも使える弾を用意してきたそうだ

そして敵は十分に近づいてきたのを確認するとツガルは発射の合図を出す

砲弾から発射されたのは丸い弾であまりに速度が遅く不発かと思ったが

敵が近づいてきた瞬間に砲弾が爆発して巨人に直撃した

「どうだ?!これが海中戦用に作った爆裂砲弾だ!」

どうやらこれこそがツガルの用意していた切り札のようで

水の中でも濡れない縄と火を使って砲弾そのものを爆発させる仕様らしい

確かにこれならば敵に当たらなくても距離さえ縮めれば相手を倒す事が出来る

現に先ほどの爆発でおそらくは巨人のブースターが壊れたのか

海中で動けないまま海底の底へと落ちていった

(怖ぇ〜・・・俺も船から落ちたらあんな風になるのか・・・気をつけないとな・・・)

その様を見ていたカライも自分がああなる可能性があるのだと警戒するのだった

「しかし罠があったという事はおそらく装置はこの近くにあるのだろう

 ある意味で彼らに教えてもらえたという事になるのかな?」

ナオマサはこの襲撃によりこの近くに例の装置があるのだと思い

全力で探してみると確かに人工的な明かりが光っている場所があった

「おそらくはあそこに例の装置があるのだな・・・!前進してくれ!」

ナオマサの指示で船を進めていくと徐々に爆弾の装置が目に見えてくるようになった

「・・・参ったな・・・まさかここまで巨大なものだったとは・・・!」

そこにあった装置は城に負けずおとらずの巨大さを誇っており

破壊を目的にして甲板に乗っていたカライですら壊せるかどうか不安になっていた



「っ?!全力退避!急いであの装置からは離れろぉ!!」

ツガルは急に血相を変えた顔でこの場から退避するように指示を出す

それを聞いて船員達も急いで船を反転させようとすると装置から砲弾が放たれた

幸いツガルの指示があったので船はその砲弾を回避する事が出来たのだが

「参ったな・・・これじゃあ近づくのは難しいぞ・・・」

まさか装置自体にも迎撃装置が付いているとは思っておらず

さすがのナオマサも考えが纏まらないほどに悩ましいものだった

「一個ずつ砲台を破壊したとしても他から狙い撃ちにされるか・・・

 先ほどの爆裂弾で砲台を破壊する事は出来ないのか?」

ナオマサは先ほどの爆裂弾で砲弾を破壊出来ないかどうかを確認する

「いや・・・爆裂弾は爆発するまでの距離が短いから接近しないと使えないんだ・・・

 あれだけ激しい砲弾の雨に晒されるとなるとさすがに撃てないな・・・」

しかしトゥネが壊せないのと同様に爆裂弾も接近しないと当たらないので

やはりどうにかしてこの距離から砲台を破壊するしかなかった

「せめて利用できる材料でもあればいいんだが・・・この海底じゃな・・・」

ツガルは岩などを利用すればいいと考えてはいるのだが周りを見ても水だけで

攻撃に利用できるようなものは漂っていなかった

「どうする?ここは時間差を作る事になってしまうが一度下がって策を考えるか?」

そんなツガルにナオマサは一度下がって別の場所で材料を探すかと提案する

しかしそん捜している間に増援が来ないという保証もない

一体どうすればいいのだろうと必死で考えていた時だった

「・・・そうだ!一発で届かないのならまとめて撃てばいいんだ!」

ツガルが思いついたのは爆裂弾を一発で打つのではなく

時間差を置いてまとめて撃てその爆発で届かせるというものだった

確かにそれならばあの装置にも届く可能性は十分にあるが問題は数

「おそらく撃てるのは五発が限界・・・つまり潰せる砲門は五個だけ・・・!」



「だが!それだけの隙間さえあればこのユートピア号には十分だ!」

そう言ってツガルは船員達に時間差をつけて砲弾を発射するように指示を出す

その指示通りに船員は砲弾を発射すると後ろについていた爆裂弾が爆発する

そしてその爆発による爆風を使って砲弾はまっすぐに進んでいき砲門に辿り着くと

再び爆発を引き起こして砲門を完全に使えないように破壊する事が出来た

「どうやら作戦は成功したみたいだな!お前ら!後もまとめてぶっ放せ!」

砲門を破壊する事に成功したツガルは残りも全て放つように指示を出す

そして全ての弾丸は見事に砲門に命中し五個の砲門を破壊してみせた

(先ほど言っていた通りに砲門は破壊出来たが・・・

 それでもやはりこの砲弾の雨は・・・!)

しかしナオマサは五個の砲門を破壊してもかなりの弾丸が迫っている事に変わりはなかった

「へっ!そんなもんでもこのユートピア号が止まるかよ!!」

そんな砲弾の雨の中をユートピア号は華麗に進んでいき

一発も当たらずに装置の目の前まで迫る

「あとは任せたぜ!ヴァンカンスの王子様!!」

ここまでくればようやくカライの出番でありトゥネの持っている大斧を構える

「これでこの国は自由になるんだ・・・!ハァァァァァ!!」

そして目の前に装置が来た瞬間に全身全霊を込めて大斧を振り下ろした

だが装置の装甲は思った以上に硬かったようで振り下ろした斧が止まってしまった

「くっ!ぶっ壊れろぉぉぉぉぉ!!」

それでもカライは持てる全ての力を斧に込めると斧が装置に食い込んでいき

そしてとうとう・・・斧は装置を切り裂き両断してみせた

壊された装置は火花を散らしながらゆっくりと海底に向かって落ちていく

それを見てようやくカライ達は自分達の作戦が成功したのだと実感していた

「これでスフェスの民は救われた!あとは・・・頼んだぞ・・・シン・・・!」

爆弾の機動装置を破壊したカライ達

残るは城に囚われている王の救出だった

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ