表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
4/142

伝説の巨人

今回でようやくロボットが出てきます(戦闘はないけど)

「別に大した事はしていませんよ・・・

 それよりもどうしてこうなったのか教えてもらえますか?」

ララからの自己紹介を受けたシンは謙遜すると

同時にどうしてこんな事になったのかその経緯を聞く

「それについては私が話そう・・・」

そこへ現れたのは先ほどシン達を助けた男だった

「私の名はナオマサ・・・一応はここで騎士をしていたが・・・今はあいつらと敵対している」

どうやら男の名はナオマサというらしく彼も襲ってきた連中と同じく騎士をしていたようだ

「事件が起こったのは数週間前の事だった・・・

 国王が謎の死を遂げると姫様が予見してな・・・

 それで私が独自に調査をする事になったのだが・・・そこで知ってしまったのだ・・・

 この国の大臣と・・・

 そして唯一無二の友であるはずの騎士団長が王の暗殺を企んでいる事を・・・」

それを聞いた時にシンは驚きを隠せなかった

王の暗殺をそんな短期間で決意しそして一気に国を転覆させるその手腕にだ

そしてナオマサは静かに話を続ける

「計画を知った私は何としてもこれを王と姫様に伝えなければならなかった・・・

 だが・・・その時にあいつらに見つかり・・・私は・・・命を落とした・・・」

そこでシンはさらなる真実を聞いてしまった

なんと目の前にいるナオマサは一度、死んでいる身だというのだ

「ちょっと待ってくれよ!!

 あんたが命を落としたっていうのならなんでこうして俺達の前にいるんだよ?!」

シンは死人であるはずのナオマサがどうして自分達の前に姿を見せているのか聞く

「・・・確かに私は命を落とした・・・その後、彼に・・・錬金術士に助けられてな・・・

 だが私が目覚めた時にはすでに王は亡くなられた後で・・・

 残されたのは姫様を救出する事・・・それだけだった・・・」



「・・・とりあえずどうしてこうなったのかは分かった・・・

 それで?これからどうするんだ?てかここはどこなんだ?」

一通りの説明を聞いたシンは理解できないところもあったがとりあえずは納得する事にして

今後の対策をどうするべきなのか尋ねる

「ここは王都の中にある倉庫の一つだ・・・だがここがバレるのも時間の問題だろう・・・

 何としても姫様を連れて王都から脱出しなくてはならない・・・だが・・・」

ナオマサが気にしていたのは他でもない巨人という存在だった

生身の人間が追っ手として向かってくるのならば彼でも十分に対処は可能

しかし巨人が相手ともなればさすがの彼でも勝つ事は不可能に近いだろう

「こちらも巨人があれば話は別だったのだが・・・残念ながらそういう訳にもいかなかった」

するとナオマサの言葉からは巨人を手に入れる方法はあったようなのだが

それを断念する羽目になったみたいでシンはその諦めた理由に心当たりがあった

それは巨人の最大の特徴でもある巨人自らが乗り手を選ぶという事だ

そしておそらくナオマサは乗り手として選ばれなかったという事だろう

「それなら俺にも試させてくれ!その巨人は今どこにあるんだ?!」

しかしそれが唯一の希望だというのならばそれにすがるしかない

シンは自分が動かしてみせると言ってその巨人はどこにあるのか尋ねる

「勇ましい少年じゃのう・・・巨人ならばお前さんの後ろに立っておるぞい」

すると先ほどまでララと話をしていた錬金術士がシンの後ろを指差した

そこには白く細身でありながらもどこか勇ましさを感じる巨人が確かに立っていた

「この巨人の名はディパシー・・・

 儂が先代の国王から依頼を受けて一から作りだした巨人じゃ・・・

 じゃが小僧よ・・・たとえどんな優れた者であろうとこの巨人を認めさせるのは無理じゃ」

自分が作り出した巨人のはずなのに錬金術士は乗る事は叶わないと告げる

シンは一体どういう事なのだろうと思っていると錬金術士がその理由を説明する

「この巨人にはな・・・伝説とされておる最上級の魔法石が組み込まれておるのじゃ・・・」



「最上級の・・・魔法石・・・?!」

シンもそれを聞いてこの巨人がどれほど貴重なものなのか理解できてしまった

最上級の魔法石は先ほど錬金術士が離していた通りまさしく伝説と呼ばれるほどの物だった

どんな錬金術士でもその力を引き出す事は出来ずましてや

それを使った巨人は誰も乗れなかったと言われているのだ

故に最上級の魔法石と呼ばれてはいるが実際はガラクタのような扱いを受けており

誰もそれを使った魔道具や巨人を作ろうとはしなかった

(だが・・・逆を言えばそれだけの事をしなくちゃ対抗できないって事か・・・)

しかしそれは同時にその奇跡を起こしでもしない限り彼らに対抗できないという事でもあった

「・・・それでも・・・可能性はゼロじゃない・・・!」

だからこそシンはためらいなくその巨人に乗る事を選んだ

たとえ乗れなくてさらなる絶望につながったとしても何もしないよりはマシだと思ったから

「・・・わかった・・・お前さんに全てを任せるとしよう・・・

 しかし無理だと思ったらすぐに諦めるのじゃぞ?」

錬金術士に言われた通りにシンはディパシーへと乗り込んでその操縦桿を握る

するとシンの頭の中にとてつもない何かが入り込んできた

そして一瞬だけ気を失ってしまい目を覚ますとそこは何もない真っ白な空間だった

「ここが・・・巨人が俺を試す為の場所か・・・」

シンはすぐにそこが自分の力を試す為の場所だと理解したが問題はどんな風に試されるかだ

そこには誰の姿もなく試練が始まる気配すら感じない

(・・・やっぱり俺には資格がないって事なのかよ・・・!)

試練が始まらないのはやはり自分がその資格を持っていないからだと思い悔しがっていると

シンの目の前に光が集まっていきそれが人の形を成した

『・・・懐かしい気配がする・・・暖かく心地よい気配・・・』

その人形はゆっくりとシンへと近づいていき彼の顔を確かめるように見つめる

『・・・そうか・・・汝も運命に選ばれた子か・・・ならば力を貸さねばならぬな・・・』



「っ?!」

一瞬だけ目の前が完全なる光に包まれてその光が晴れていくと

シンは再びディパシーの操縦席に戻ってきていた

そして先ほどまで動かし方すら分からなかったディパシーの動かし方を理解していた

「・・・もしかして・・・認められたってことなのか?」

これにはシンだけではなく外にいた錬金術士やララ達も驚きを隠せなかった

「あの小僧・・・本当に動かしおった・・・!伝説と言われておる巨人を・・・!」

正直な話をするのならばここにいる誰も巨人を動かせると信じていなかった

しかしそれをシンは見事に裏切ってくれたのだ

「とにかくこれで巨人への対策は出来た・・・!後は脱出するだけだ!」

ナオマサはこちらにも巨人が手に入ったので脱出するのに問題はないと思っていた

だが問題はちゃんとあった・・・シンは先ほどディパシーを認めさせたばかりなので

操縦方法が分かっていてもちゃんと思い通りに動かすには時間が必要なのだ

「おまけに急拵えで作ったから武装もないしのう・・・逃げる以外は使えぬか・・・」

さらなる問題は目の前にいるディパシーには何の装備もないという事だった

一応は先代の王から頼まれていた事と言っても巨人の開発にはかなりの時間を必要とする

それ故に本体を作るので精一杯で武装を作っているほどの余裕はなかったのだ

「とにかく小僧!お前さんはディパシーを出来るだけ動かせるようにせよ!

 儂はナオマサと共に外の様子を探ってくる!」

錬金術士はナオマサと共に倉庫から出て行ってシンはとにかくディパシーを動かせるようにする

しかしどんな風にしてもうまく動かす事が出来ず遂には膝から崩れ落ちてしまう

「ぐっ?!動かし方は分かっているのに・・・なんでうまく動かないんだ・・・!」

シンは乗り手として選ばれたのに全く動かせない自分を悔しく思っていた

すると操縦席の入り口から音が聞こえてきて見てみるそこにはララの姿があった

「ちょっ?!何してるんですか!!」

何故か操縦席に乗り込んできたララに対してシンはどういうつもりなのか尋ねる



「本来ならあなたを巻き込む事はなかったはず・・・

 それなのに私達の争いに巻き込んでしまった・・・だから・・・何かをしたいのです・・・

 その為のお手伝いならば・・・お願いします!」

それを聞いたシンは何も言えなかった

彼女の言っている事が理解できてしまったから

こんな状況の中で何もできない自分を卑下してしまうその気持ちを

「・・・わかった・・・なら少しだけ画面を見てもらっていいか?

 俺は操縦に集中したいから」

シンにそう言われてララは真剣に画面を見ているとそこに錬金術士とナオマサが映し出された

「どうやらここもすぐにバレそうじゃ!急いで逃げる準備をせよ!」

錬金術士の話ではすでにこの王都も包囲されようとしており

この倉庫もおそらくはすぐに見つかってしまうだろうとの事だった

それを聞いてシンはできる限りの操縦だけを覚えてなんとか逃げ出す準備を整えた

「よし!とにかくこれだけ動けば・・・!早く手に乗ってください!」

シンはディパシーの腕を動かして手の上にナオマサを乗せる

そしてもう片方の手に錬金術士を乗せようとするが

「いや・・・お前さん達は先に向かってくれ・・・儂はやる事が残っておる・・・」

錬金術士はやり残しがあると言ってこの倉庫に残る事を選んだ

シンはそんな錬金術士を説得しようと思ったがすぐそこまで巨人の足音が近づいてきていた

「早くせい!お前さん達がちゃんと逃げてくれなければ

 これまでの犠牲が全て無駄になるのじゃ!じゃからとっとと行け!!」

錬金術士の叫び声と共にシンは歯を食いしばりながら倉庫を飛び出していく

「・・・全く・・・装備もないのに追っ手を振り切れるわけがなかろうて・・・

 じゃから・・・せめて彼らを足止めせんとのう・・・」

シン達が逃げたのを確認した錬金術士はゆっくりと壁に向かいそこにあるスイッチを見つめる

「若き者達よ・・・後はお前さん達に任せる・・・どうか・・・元気にのう・・・」






そして錬金術士はそのスイッチを押し・・・倉庫は大爆発した・・・

無事に王都を抜けたシン達はこれからについてを話す

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ