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波止場奪還

・・・最近ヒロイン出てないな・・・

王の居場所も知る事が出来たシン達はアジトに戻り情報をみんなと共有した

「なるほど・・・どうやら我々は相当舐められているみたいだな・・・!」

どうせ王を助けに来る人間などいないし助けに来たとしても牢に囚われていると思う

その心理を突いてあえて私室に閉じ込められているという情報を聞いて

キタンなどはどれほどこの国の人間が舐められているのか理解出来てしまった

「だが城に囚われているという時点で困難な事に変わりはない

 居場所を知れたのは大きかったが・・・助け出すのはどのみち困難

 となればやはり同時に事を起こして注意を分散させた方が良さそうですね」

どちらにしても城から王を奪還するのはかなり難しい

それこそ警備状況によっては不可能になる可能性だってなくはない

だからこそナオマサはやはり同時刻に救出作戦を行い敵を分散させる必要があると考える

「だな・・・その為にはやっぱり例の波止場を抑える必要があるな・・・

 そっちの方はどうなってるんだ?もう作戦は決行していいのか?」

しかし作戦を始めるにはやはり船をこちらに呼び寄せる必要がある

その為には要となる波止場をこれから抑えに行かなくてはならない

「ああ・・・だが慎重に行動しなくては間違いなく向こうにバレてしまう

 それに抑えた後もすぐに作戦を実行しなくてはバレる可能性がある

 まさに時間との勝負というわけだ・・・ここからは一瞬たりとも気は抜けないぞ?」

確かにナオマサのいう通り時間をかければそれだけバレてしまう可能性が増える

かといって急いでミスをしてもバレてしまうつまりは慎重に迅速に行動という

この世で最も難しい作業を要求されているようなものだ

これを成功させるなど大人でもかなり難しい事だけは間違いなかった

「とにかく計画は慎重を期さなくてはならない・・・

 それこそ夜になるまで・・・今は待つしかないな・・・」

ナオマサはバレないように慎重を期す必要があると考え

それには夜まで待ってから波止場を奪還する作戦を実行しようと告げた



「さてと・・・夜になったのはいいけど・・・警備多くない?」

慎重に行動しなくてはいけないのにどうしてなのか警備がかなり多かった

もしもここに突っ込んでいけば間違いなくバレてしまうのは間違いなかった

「おそらくは私達がここに来る事がわかっていたのだろうな・・・

 だが・・・それは逆に派手にやってもいいと自分で言っているようなものだ」

そしてそれは同時に自分達の事をどれだけ舐めているのかも理解できた

(そちらがそこまで舐めてくれるのならばこっちとしてもやりやすい!)

ここからは慎重に行動するのではなく時間の問題でもあるので

ただ素早く敵を倒すだけの強い人間ならば簡単な事になった

「それじゃあ俺達は向こう側から侵入するからナオマサ達はここから頼むな!」

ツガルはそのまま別の入口へと向かいシン達はそのまま波止場に侵入した

もちろんそこには兵士が待ち構えており扉を開けると同時に矢が放たれた

「危な?!こりゃララや子供達を置いてきたのは正解だったな」

こんな状況下では誰かを守っているほどの余裕はなく

ララ達を置いてきたのは正しい選択だった

そんな事を考えながらシン達は降り注いでくる矢を躱しながら突き進み

そして矢を放ってきた兵士達を倒して前へと進んで行く

「どうやらこちらを舐めてはいるが遊ぶ気はないようだな・・・

 しかし・・・波止場にこれだけの戦力を集めるという事は

 どうやら街の人々が外に出る以外で爆発される事はないみたいだな?」

波止場に来た時点で街の人々を人質にすればいいはずなのに

それをしないという事は正当な手段つまりは特定の範囲を出ると爆発する以外の方法で

爆弾を爆発させる方法を持っていないという事だ

逆にこれは街の人々が何かをしても人質にされないという安心を与えてくれた

「そうみたいだな・・・ってナオマサ・・・腕に矢が刺さってるよ・・・」

いくら死体の体だと言っても自分の体なのだから大切にしてくれとシンは思っていた



「こんな傷はたいした事はない・・・それよりも早く門を開けるぞ」

そう言ってナオマサは腕に刺さった矢を強引に抜いて水門へと向かった

同じ頃にツガル達も入口を突破したようでシン達と合流して水門を開けた

「これでユートピア号がこの波止場に入ってこられるな

 あとは巨人が乗れるように改造して・・・作戦を決行するだけだな?」

確かにツガルのいう通り改造が終われば救出作戦が実行できるのだが

どうしてなのかナオマサは今回の事に対して何らかの疑問を抱いていた

(おかしい・・・街の人々を救出する為にこの波止場が大切な事がわかっているのなら

 どうして誰かを人質にして止めようと考えなかった・・・

 それとも奪われてもいいという自信があったのか?・・・何にしても警戒する必要があるな)

今回の敵は策士だと考えどちらにしても警戒する必要があるとナオマサは考えていた

そして考えている策士が自分の予想を超えているのならおそらくこのままでは終わらない

「・・・いや・・・元々私は頭を使うようなタイプではないから

 こんな事を考えたとしても無意味か・・・相手の出方を待つしかない・・・」

しかし考えても分かるわけはないとナオマサは諦めてとにかく今は作戦を優先する事にした

ナオマサがそんな事を考えている内にツガルは仲間に伝書鳩を飛ばして

波止場に来るように指示を出した

それからしばらくしてツガルの仲間がユートピア号を連れてきてくれた

「船長!まさか俺達がここに戻ってこれるなんて夢みたいです!」

波止場に戻ってきただけだというのにツガルの仲間達はとても喜んでいた

だが本当の戦いはこれからですぐに巨人が乗れるように改造を始める

「どれくらいの時間が掛かりそうだ?」

ツガルは仲間達にどれくらいで改造が終わるのかを尋ねる

「なんとも言えないですね・・・元々の船の材質的には耐えられますが固定する材料が・・・

 たとえ出来たとしても十分な強度になるかどうか・・・どちらにしても一日は必要です」

どうやら改造が終わるのは一日なのだが完成度に関しては保証できないらしい



「とにかくやってくれ・・・!この作戦はスピード勝負だからな・・・!」

ツガルの命令で急いで船の改造を進めていく船員達

その間にナオマサ達は波止場の近くにあった屋敷で最終確認を始める

「やっぱり問題になってくるのは装置の周りにいる敵の数か・・・

 多分増援も送られているだろうけど・・・正確な数を知るにはな・・・」

何せ海底にある装置を壊さなくてはいけないのだがそこに行く方法が

ツガルの船であるユートピア号しかないので偵察に行く事すら出来ないのだ

なので装置を破壊する組に関しては場所も知らなければ敵の数も知らない

まさに特攻隊のような事をしなくてはいけないのだ

「それをやるのが別の国の王子・・・なんとも面白い特攻じゃないか・・・!」

その役目を担うのは他国の王子であるカライだというのだから普通は異常と感じるだろう

しかし逆を言えばそれほどまでに追い詰められている状況だという事だ

「俺もここまで不利な条件で他国の王子を放り込むのは外交的に反対だが・・・

 この国の為に力を貸してくれるというのだからあんたを信用する・・・!」

キタンとしても外交問題になりそうな事ではあるのだがそれでも国を救う為に

そして王と民を救う為に力を貸してくれるカライを信じていた

「相手はかなりの策略家だ・・・おそらく装置のある場所にも何か対策をされているだろう

 そして城にも・・・どんな策があるか分からない以上は誰しもが特攻隊だ

 それだけの覚悟を持って皆に挑んでもらう必要があるが・・・いいな?」

一度死んでいる身のナオマサだからこそその言葉には重みがあった

この戦いでは犠牲は当然と言えるように出るだろうし

それはおそらく彼らにとって最悪の犠牲を出す可能性だって少なくはない

「ああ・・・最初からみんな覚悟の上だ・・・!自分達の命は自分達で賭ける!」

それでも彼らは自分達の国を、家族を、友達を救う為に己の命を賭けている

ここにはもはやナオマサの言葉を聞いてやめるような者はいなかった

「・・・どうやら覚悟は本物のようだな・・・それでは細かな班分けをしよう」



それからしばらく細かなところを調子する話し合いが続いた

その話し合いが終わるとツガルとキタンだけが残されて他の人間は外に出された

「それで?俺達だけに話し合いって一体何なんだ?」

ツガルはナオマサが自分達だけを残したその理由についてを尋ねる

「彼らの狙い・・・それがおそらく姫様なのではないかという事だ

 ヴァンカンスに現れた奴らの仲間は姫様を誘拐して何かの儀式の生贄にすると話していた

 執政官もこのどさくさに紛れて姫様を狙う可能性は高い・・・それを言っておきたかった」

ナオマサの話を聞いてツガルとキタンは押し黙ってしまった

あんな年端もいかない少女が国と家族を失っただけではなく

自分の命までも理不尽な理由で狙われているのだから

その心の内はどうなってしまっているのか理解してしまった

「・・・お前さんの話はわかった・・・もしもの時は必ずあの姫様を守る・・・!

 それだけじゃない・・・あんたらは俺達にとって最後の希望だ・・・!

 だから・・・安心して背中を任せてくれ!」

これにいち早く反応できたのはキタンで必ず守ると言ってくれた

この言葉には国の為というものはあるが一人の少女を守りたいという想いが篭っていた



「・・・お話は終わったのですか?」

その頃、話を終えて外に出てきたシンをララが出迎えてくれた

「ああ・・・正直不安は残るけどこれしかないと思う・・・

 あとはうまくいく事を祈るしかないな・・・」

シンの不安そうな言葉を聞いてララまで不安そうな顔をしていた

「・・・大丈夫だよ・・・みんなが協力してくれるしテンテコ達だっている

 必ずうまくいくって・・・だからそんなに心配そうな顔すんなよ」

シンはそんなララの不安を拭う感じで頭を撫でながら夜空に光る星を見つめた



明日の作戦が成功する事を信じて・・・

波止場を奪還したシン達はいよいよ国と民の救出を開始する!

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