牢獄の街
ようやくスフェスの首都であるコリーに潜入!
海底洞窟から下水道に来れたシン達はそのまま先に進んでいき
ようやく街へと出られる場所を見つけてそこから外へと出る
「・・・どうやら兵士とかはいないみたいだな・・・」
シンは街に兵士の姿が見えない事を確認し急いで移動する
「首都には入り込めたが・・・どこかで街の現状を知る必要があるな」
ナオマサはどこかで街についてを知る方法はないかと考えていると
誰かの足音が聞こえてきて急いで身を隠したが出てきたのは子供だった
みんなは取り越し苦労だったかと肩を下ろしたが
その瞬間にララがその子供達の違和感に気がついた
「あの子供達・・・首に何かをつけられていませんか?」
それを聞いてシン達も子供達の首元をじっと見ると
確かに首に何かが巻きついておりしかも全員が同じ物を付けていた
「それじゃあ俺があいつらに話を聞いてくるから待ってろ!」
テンテコが首につけられているのが一体何なのか聞いてくると言って
遊んでいる子供達の元へと向かった
そして何を聞いたのが後ろ越しからでも分かるほど驚いており
急いで聞いた事を教えなくてはいけないとこちらに戻ってきた
「大変だ!あいつらの首に巻き付いていたのは爆弾らしい!!」
何と子供達の首に付けられていたのは爆弾だった
テンテコの話ではどうやらこの街に入った時に兵士から渡されたらしい
そしてそれを身につけた一人が街から出た瞬間に爆発し亡くなったそうだ
「外道が・・・!子供にすらそんな物を付けてこの街に隔離したいのか・・・?!」
これにはみんなもそんな仕打ちをした者に対して怒りを露わにしていた
「・・・とにかくまずは大人にあって詳しい話を聞こう
テンテコ・・・彼らに親御さんや大人の人はどこにいるのか聞いてきてくれ」
ナオマサの言う通り何をするにしてもまずは街の人に話を聞く必要があった
子供達の話では大人は休む暇もなく労働を強いられているようで普段は工場にいるらしい
しかしそこには兵士が見張りでおり近づくのは困難だった
なので別で大人に会う方法はないかと聞くとどうやらここにも対抗する組織があるようで
その人達がどこにいるのかを教えてもらいシン達はまずそこに向かった
「子供達の話を聞いただけでも現状を酷いと感じたが・・・
もっと詳しく聞いたらここがどれほどのものなのか・・・正直、考えたくもないな・・・」
カライの言う通りおそらく大人に聞けばここがどれほど苛烈な事になっているのか
それは子供達が分かってしまうほどに酷いと言えるものなのだろう
もはやこれは人間を家畜と同じ・・・いや・・・それ以下として扱っているようなもの
国を治める王族としては他国の事とはいえ心に重くのしかかった
「・・・どうやらここのようだな・・・それでは入るぞ」
そんな話をしている内に例の組織がいる場所にたどり着いたようで
扉を叩いてみると扉から顔だけを出してこちらを見てきた男がいた
「安心しろ・・・俺達は街の外から来た者だ・・・街の現状を教えてくれないか?」
ナオマサは自分達が敵ではない事を告げるがどうやら簡単には信用してもらえないみたいで
男はなかなか扉を開けようとしてくれずどうしようかと悩んでいると
「頼むから開けてくれ!俺はどうしてもあいつを助けたいんだ!」
みんなを押しのけてツガルが扉の男に話しかけると男は目を見開いて驚いていた
「お前は・・・海賊のツガルか?!まさか生きていたのか!!」
男は驚きながら扉を開けて歓迎するように扉を開けて中へと入れてくれた
「悪いがここで待っていてくれ!今から隊長に知らせてくるから!」
中に入れられると応接室のような場所に通されてここで待っているように言われる
どうやらこの組織を作ったリーダーに会わせてくれるそうだ
一体どんな人物が来るのだろうと待っていると扉が開かれて大柄な老人が現れた
「ふん・・・!まさかお前も俺と同じで死に損なうとはな・・・ツガル・・・!」
その老人はツガルの事を知っているようで本人を見ると震えながら指をさして
「キ・・・キタンのおっさん?!」
「・・・そうか・・・キタンのおっさんも俺と同じで追い出されたのか・・・」
キタンと呼ばれる老人はどうやら王に仕えていた老兵らしく
王が倒れる前に執政官によって左遷されていたのだが
街の現状と王が倒れたという知らせを聞いてここに戻り彼らに対抗する組織を作ったそうだ
「ああ・・・組織を作ったはいいが・・・戦える人間はほとんどいなかった・・・
それどころか街に来れば家族ともどと人質にされ戦う力を奪われた・・・
現状では名ばかりでとても何かしたという実績はない・・・!」
しかし対抗する組織とは名ばかりで実際は戦える人間はおらず
キタンですらも街の人々全てを人質に取られて下手な行動は出来なかった
「ならやはり先にみんなの爆弾を解除する方が先だな・・・でもどうすればいいんだ?」
話を聞いたシンはやはり当初の考えていた通り先に爆弾を解除しようと考えるが
問題はどうすれば彼らの爆弾を取り外す事が出来るかだった
単純な仕掛けならばテンテコやマイマイが外す事が出来るのだが
彼らにつけられてる爆弾はどうやら魔道具の一種らしく
取り外すには何か別の方法しかなかった
「それに関してなのだが・・・おそらくこの街の中心に魔道具の本体があるはず
そしてその範囲を設定して街から出させないようにしているのだが・・・
問題はその本体がどこにあるのか見つけるどころか見当すらつかないのだ・・・」
キタン達も魔道具の本体を探しているらしいのだが
どこにあるのか見当すらついていないらしい
ここから探すとなるとかなり時間も掛かるし人も必要になる
しかし彼らには労働の時間もあるし人もいないので満足な結果ではない
「となるとやはり私達で探すしかないという事か・・・この街の地図はあるか?」
そうなってくると探す余裕がありさらに壊す事が出来るのはシン達だけ
それを考えたナオマサはキタンにこの街の地図が欲しいとお願いする
キタンは棚に入れてあった地図を取り出してテーブルに広げる
「なるほど・・・見事な円形状だが・・・これで中心を探すとなると・・・
一日やそこらで探し切れる範囲ではないな・・・」
地図を見たナオマサはこれだけの範囲を探すには最低でも百人以上は必要だと考えていた
しかしそんな人間を動かしてしまえば間違いなく向こうにもバレてしまう
そうなるとやはり時間は掛かってしまうが自分達で探すしかない
「それと・・・王の救出も視野に入れておいた方が良さそうだな」
そしてもう一つの問題はこの作戦がうまくいったとしても王が人質にとられるという事
それをさせない為にはどこかに監禁されている可能性のある王を助けなくてはならない
つまりはそれにも人を割かなくてはいけないのでさらに時間は延びてしまう
「二手に分かれるのか・・・だったら俺とカライは別々になるとして・・・
王様を助けに向かう方にはテンテコとマイマイを連れて行った方が良さそうだな」
シンの言う通りもしも王を助けに行くのならば捕まっている場所には鍵が付けられて
簡単には出入りできないようになっている可能性が高く
鍵を開ける事の出来る二人を連れて行くのが妥当だろう
「どっちもまずは場所を特定しなくちゃいけないけどな・・・どっちから先にやる?」
結局はどちらも場所を特定するところから始まるので探さなくてはならない
まずはどちらからやるべきなのかそれはおそらく爆弾の装置を探すところからだろう
「それじゃあ俺達が探したところに印をつけておくとしよう
そこにある可能性もないわけじゃないがしっかりと調べてはみたからな
あとは・・・魔道具によって隠されている可能性もある」
確かにキタンの言う通り何かで隠されている可能性だって十分にあり得る
しかし彼らが命懸けで調べたのだからそこに嘘はないはず
ナオマサはそれを信じて印の付けられていない場所を探すべきだと考える
(問題は・・・それを守っている戦力だな・・・おそらくは巨人が守っているはず
シンとカライどちらにしても彼らが勝てる相手かどうか・・・)
残された最後の問題はその守備にどれだけの戦力が使われているかどうか
(最悪の場合は・・・どちらかに戦力が偏る事になるかもしれない・・・!)
「さすがに昼間に出歩いて探しに行くわけにはいかないよな・・・
なら夜まで待って装置を探しに向かうとするか・・・」
シン達はその日はその場所に休ませてもらい夜になってから行動を開始した
さすがに全員一緒に探すのは効率が悪いのでバラバラになって探す事になったのだが
(・・・衛兵をやり過ごしながら探すのはさすがにキツいな・・・)
夜になると昼間にいなかった衛兵が街を徘徊するようになり
それを躱しながら装置のある場所を探すのはさすがに苦労していた
おまけにどこを探してもそれらしい装置は見つからなかった
「本当にそんな装置があるのか?・・・いや・・・
それ以前にあの執政官はいつの間にそんな装置を街に隠したんだ?」
ここでシンが一度、装置を探すのをやめて
そもそもいつそんな装置が付けられたのかを考え始める
確かに執政官ならば裏で何かをしていてもバレる事はないだろうが
それでもやはり街のど真ん中に仕掛けるのならばそれなりに人の目はあるだろう
それにも関わらず仕掛けられたという事は人の目に触れなかったという事
「・・・もしかして・・・人の目に触れない場所に作ったのか?」
残された選択肢は彼らが装置を隠しているのではなく
そもそも人の目が全く届かない場所に作ったという可能性だった
「でも確かにそれならみんなが探して見つからないのも分かるな・・・
問題はそんな人目につかない場所なんてこの街にあるのか?」
この街には下水道が通っているがそれだって基本的に人の目があり
さらにはそんな場所に入っていく怪しい人影を見逃すわけもない
他にどこか人の目が寄り付かない場所があるのではないかと必死で考えていると
「・・・あれ?そういえばここって海上都市だよな?普通穴なんて開けたら・・・」
「・・・下から・・・水が・・・!そうか!!」
街の人々に付けられた爆弾
そしてそれの本体は一体どこに隠されているのか?!