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再来!黒の巨人

今回は再びあの巨人が現れます!

砂漠を越えた一行は村へとやってきてラクダを手放し馬を購入しようとしていた

「・・・あまりいい馬がいないな?」

しかしこの村には馬車を引いていけるほどの力を持った馬がいなかった

「はい・・・実を言いますとこの前スフェスから大量に馬を買いたいという依頼が来て

 この村にいたほとんどの馬はそこに買われてしまったんです」

どうやら馬主の話では村にいた全ての馬はスフェスの人達に購入されてしまったらしい

「スフェスに?それはつまり彼らは洞窟を超えてここにきたという事ですか?」

彼らはあの危険な洞窟を超えてきたのかと思っているとどうやらそうだったようで

そんな危険を冒してまで馬を手に入れたい理由はあったのかと思っていた

(どうやらスフェスの情勢は思っていた以上に深刻のようだな・・・

 何が起こっているのか分からないが馬が必要という事は物資の移動?

 それとも・・・まさか戦争の準備でもしているのか?)

何にしてもそれだけの馬を購入するという事は間違いなく悪い事の前触れでもある

そしてそれが自分達が向かう国だというのならば尚更だろう

「・・・どうやら急ぐ必要がありそうだな・・・」

ナオマサはどうなっているのか事態を理解する為には

早くスフェスに向かわなくてはならないと考えていた

「しかし・・・問題はやはり馬か・・・こんなに小さな馬ではな・・・」

その為にはやはり馬車が必要なのだが今問題になっている馬をどうしようか考えていると

向こうの厩舎から凄まじいまでの音が聞こえてきた

「?見に行かなくても大丈夫なのですか?」

しかし馬主はそんな大きな音がしたのにどうしてなのか見に行こうとはしなかった

いや・・・むしろ怖がって近づこうとすらしていなかった

「あっあそこにいるのは厄介な馬でね・・・普通の馬より一回り大きく力も強いのですが

 気性も荒くあいつが来た時に何人かが蹴られて重傷をおったんです・・・!」

どうやら予想を思っていた以上に危険な馬があの厩舎に入るらしい



「なるほど・・・ならその馬を少し見させてもらおうか?」

するとナオマサは何を思ったのかその馬を見せて欲しいと言った

最初は何を言っているのだと馬主は思ったかあまりにもその顔から余裕が伺えたので

仕方なく厩舎へと向かい何重にもなっていた鎖の鍵を解いた

「私は中には入りたくないのでここにいます・・・

 もしも異変があったらすぐに扉を閉めるのでそのつもりで・・・」

馬主の人もさすがに死にたくはないので厩舎の中に入る事はせず

もしも何かあった時には鍵を閉める事も伝える

もちろん当然の判断だとしてナオマサは首を縦に振って頷きながら厩舎の中に入っていく

するとそこには黒い大きな馬が立っており今にも襲わんとする顔と唸りをあげていた

「・・・かなりいい馬だな・・・こいつならどんな場所でも走破できそうだ

 どうだ?俺と一緒に来る気はないか?それとも・・・ここで生を終えるか?」

おそらくナオマサの言っている事を馬は理解してはいないだろう

しかしその顔からどんな事を言っているのかはなんとなく察していた

だが誰かの言いなりになるなど絶対に出来ない馬は話をまさしく蹴るように前足を上げる

「随分と威勢がいい馬だな・・・だが・・・それくらいでは私を倒す事は出来んぞ?」

ナオマサはそんな馬の前足を簡単に掴んで受け止めてしまった

明らかに自分以上に体が大きくおそらくは体重も倍以上はあるであろう馬の蹴りをだ

これは間違いなく異常な事でありさすがの馬も恐怖を隠せないようだ

しかしここで暴れでもしたら殺される危険性もあるのでただ止まるしかなかった

「安心しろ・・・殺すつもりは最初からない・・・だから落ち着いてくれないか?」

ナオマサの顔を見てようやく冷静さを取り戻した馬はゆっくりを足を下ろす

そして自身の敗北を悟ったのか頭を下げながらナオマサに近づいていく

「どうだ?俺達と行く気になったか?もっと広い世界がお前を待っているぞ?」

敗北を認めた馬にとってもはや選択肢など一つしかなかった

いや・・・そもそも自由な世界が待っているのなら選択肢すらなかっただろう



一方その頃、シン達はみんなでこれからの食料を買いに向かっていた

「・・・やっぱりあんまり買い込むのは難しいみたいだな〜・・・

 てか・・・なんか村の様子が少しだけ寂れているような感じがするんだが?」

確かにカライの言う通りなぜか村の様子はおかしかった

それこそまるで生気を失ったようなそんな雰囲気だった

「そりゃそうじゃよ・・・ここ最近、村に物資が送られなくなってきたんじゃからな・・・」

するとお店の前にいた老人が村の元気がない理由を教えてくれた

どうやら数ヶ月前からスフェスの物資が送られてこなくなったらしい

ヴァンカンスの物資でなんとか食べる事に関しては問題はないのだが

他の生活に必要なものが手に入らなくなってしまい困り果てていたのだ

「数ヶ月前から?向こうの方で何かあったのか?」

カライはスフェスの方で一体何が起こっているのかその老人に尋ねる

「詳しい事は分かりませんが何でも国王様が病に伏せられており

 国の情勢が纏まらなくなっているとか・・・」

その話を聞いたシン達は驚くと同時にその事に対して疑問を抱いた

そしてその疑問は最悪の予感へと変わっていく

「まさか・・・彼らが国王に何かをしたのでしょうか?」

最悪な予感とはヴェストの仲間がスフェス王に何かをしたのではないかというものだった

「だとしても疑問が残るな・・・どうしてあいつらは王を殺さないんだ?

 ヴァンカンスの時みたいに国を手に入れるのが目的なら王は邪魔なはずだ」

確かにシンの言う通り彼らの目的が国を手に入れる事ならば

それを全て王という存在は邪魔なはずなのだ

なのに殺さないでただ病で伏せているなどおかしいと思っていたが

その考えをすぐさま否定したのはカライだった

「スフェスは商業国家として実績と信頼があるからな・・・その王が死んだとなれば

 間違いなく国を手にれるどころの騒ぎじゃないはずだ・・・だから殺さないんだろう」



「・・・あいつらはどこまで外道なんだ・・・!」



「はい・・・まるで人の命を道具のように・・・決して許される事じゃありません・・・!」

ララもシンと同じように彼らのやり方には怒りを覚えていた

「・・・それは貴様ら王族も同じなのではないか?」

するとそれに答えるかのように声が聞こえてきて振り返ると

そこにはシンと同じくらいでローブを身に纏った少年の姿があった

そしてシンはすぐにその一言だけで頭の中にある

あの苦い記憶を思い出しララを守るようにその少年の前に立った

「ほう?もう俺の正体に気がついたのか・・・どうやら生身の方でもかなりやるようだな?」

そのシンの行動を見て少年もまさか気づかれるとは思っていなかったようで

かなりの鍛錬を積んできたのだと感心している様子だった

「おいシン!こいつは何者なんだよ?!」

状況を飲み込めていないカライは目の前にいる少年が誰なのか尋ねる

「・・・前にララの命を狙っていた・・・黒い巨人の乗り手だ・・・!」

それを聞いてカライだけではなくララ達も同じように驚いていた

そしてカライはシンと同じようにララの前に立って槍に手をかける

「・・・さすがに村の中でやるのは俺も本意じゃない・・・

 だからと言って貴様らを逃すつもりもない・・・どうする?」

もはや脅しとも取れるその言葉を聞いてシン達は大人しく彼についていくしかなかった

村の外まで出てある程度の距離まで離れるとその少年とシン達は向かい合うように離れる

「・・・一つだけ聞きたい・・・お前にララを殺せと言ったのは誰だ?」

シンは彼ほどの男がどうしてララを狙っているのかその依頼を誰にされたのか尋ねる

「残念だがこれは誰かに言われたわけじゃねぇ・・・俺自身の復讐だ・・・!リエン!」

しかし彼は自身の復讐の為にララを狙っているのだと告げリエンを呼び出した

「ちゃんと話し合いをするつもりはないみたいだな・・・!ディパシー!」

シンもまたディパシーを呼び出してお互いに決闘のような感じで前にゆっくりと進んで行く

「話し合いもまともに出来ないんだったら・・・丁重に帰ってもらうだけだ・・・!」



それからお互い一気に距離を詰めていくと振り下ろされた武器が交差する

「どうやら前に戦った時よりも腕を上げているみたいだな・・・

 だが!たとえどんな相手であろうと我が復讐の刃は止まらない!」

リエンはパワーでディパシーを吹き飛ばしたがディパシーも負けておらず

すぐに態勢を立て直して振り終わりでスキだらけのリエンの切り込んでいく

「ぐっ?!」

リエンは振り下ろされた大剣を軸に回転する事でなんとかその攻撃を避け距離を開ける

「復讐と言っていたがそれはララじゃなくて王族に関してだろ?!

 なら一番復讐する相手である国王は死んだはずだ!!」

シンは攻撃を繰り出しながら彼に復讐する相手はいないと諭していく

「いや!俺のいた国は王族によって滅ぼされた!ならばその一族は全員殺す!

 たとえそれが女であろうと子供であろうともだ!」

どうやらその少年は国を王国に滅ぼされたようでその復讐の為にララを狙っているらしい

「ならそれは嘘だ!王族は国を滅ぼしたりなんてしていない!!」

しかしシンはその少年が言っている事が嘘だと告げる

それは苦し紛れの言葉ではなくちゃんとした理由があった

「俺の爺ちゃんは王国で騎士団長をやっていた・・・その爺ちゃんが言ってたんだ・・・

 守れなかった命や救えなかった命はたくさんあるけど・・・奪った命は一つもないって!」

そう・・・シンの理由とは他でもない祖父でもリンジュの言葉だった

彼が殺しをしていないというのならば間違いなくそんな事はなかったと言う事

シンはそれを信じていたのだ

「ふざけるな!その言葉など信用できるものか!」

しかしそれを初めて聞いた少年からして見ればそんな言葉を信用は出来ない

・・・だからこそ・・・

「ならお前にこの事を言った人間は信用出来るのかよ?!」」



「?!」

シンの言葉と自分が教えられた事実

果たして少年はどちらを信じるのか?!

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