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砂漠の決戦!

ヴァンカンスの王が立ち上がる

ララ達は護衛の人の案内でみんなが避難していたキャラバンに辿り着いた

「おお!皆様も無事でしたか!よかった・・・

 我々だけ無事だった時はどうしようかと・・・」

そこへ一番最初に出迎えてくれたのは他でもない国王でありララ達の無事を本当に喜んでいた

「親父・・・教えてくれ・・・あいつらは一体いつ・・・どこから攻めてきたのか・・・!」

カライが気にしていたのは他でもない彼らが攻めてきたその方法だった

自分達が向こうの拠点に潜入した時にはすでにここを攻めに向かってきたのだろうが

それならば彼らはその時点であの街を攻めるだけの準備が出来ていたという事だ

そしてそれは同時にこのキャラバンの場所もバレている可能性があるという事でもある

「・・・正直な話をするのならば儂も分からん・・・

 何せ急に軍隊を連れて現れたのだからな・・・

 しかもそれを率いていた大富豪・・・いや・・・奴は疾風のヴェストと自ら名乗っていた

 そやつは自らの巨人を出して一気に街を占領したのだ・・・

 奴の巨人はまさしく風の如きスピードで街の重要拠点を破壊していった・・・

 しかしそのおかげで我々は逃げるだけの時間を与えられたと思っている・・・

 まぁこれがあやつらの作戦でなければという前提があってこそだがな・・・」

どうやら国王も自分達が本当に無事なのか心配はしているようで

もしかしたら彼らが来るかもしれないと警戒を強めているそうだ

「親父・・・やっぱり俺達は戦わなくちゃいけないんだ・・・

 そうじゃなきゃあいつらはここから出て行かない・・・!

 それだけじゃない・・・あいつらは国はおろかそこに住む人間にすら興味はないんだ・・・!」

おそらくカライはヴェストが話していた生贄という言葉を思い出していたのだろう

そしてそれは彼にとってとても許せない話でもあった

「・・・何を聞いたかは分からんが・・・

 どうやら国を乗っ取るだけが目的ではなかったようだな・・・

 カライ・・・やつらの本当の目的とやらを聞かせてくれ・・・!」



「国民を全て生贄にするだと・・・?!

 あやつら・・・国はおろか人の命にすら興味はないというのか?!!」

カライから全ての話を聞いた国王も同じように激怒していた

自分の国を攻められ更にはその目的が民の命だというのだから当たり前だろう

「それに姫様の誘拐ですか・・・やはり彼らは姫様の能力を求めているようですね」

そして彼らのもう一つの目的であるララの誘拐についても教えられ

ナオマサは国の重要人物としてではなくララの能力が目的だったのだと改めて知った

(それならば前の暗殺者は騎士団が雇った者ではないのか?

 しかしそれ以外で王や姫様が狙われる理由はないはずだが・・・)

ここで疑問として上がってきたのは前にシンを倒した事のある暗殺者だった

彼の目的は間違いなくララの誘拐ではなく命そのもの

騎士団に雇われている相手ならばそんな事はないはずなのだが

それを考えるともしかしたら雇った相手は別ではないのかとナオマサは考える

(・・・いや・・・今は余計な事を考えている場合ではないな・・・)

しかしその考えは今するべき事ではないとすぐに忘れてこれからの事を考える

「・・・今の話が本当だとするのならば

 彼らの侵攻は人々の命が一つ残らず消えるまで続けられるでしょう・・・

 こんな事を言うのはなんですがやはり覚悟を決めた方が良いと思います・・・」

自国の事ではないので強くは言えなかったがそれでもすでに彼らの目的は常軌を逸しており

本当に民の事を考えるのならば今度こそ立ち上がるべきだと進言する

「・・・そうですな・・・彼らの目的が分かった以上はもはや手を拱いている場合ではない

 一刻も早く彼らを倒して国の平和を取り戻さなくては!」

国王もついに決心し彼らと戦う事を決めすぐさま他の部族に応援を要請した

「それでも来てくれるのは早くて明日の朝になるでしょう・・・

 皆さんはお疲れでしょうし少しでも休んで明日に備えてください」

ララ達を労ったのか国王は休憩所があるのでそこで休むように告げて自分は作戦室に向かった



「どうぞ!よかったら飲んでください!」

休憩所に来たララの前にツムジが現れて飲み物を差し出す

「ありがとうございます・・・すいません・・・こんな事になってしまって・・・」

ララはもしかしたら自分が来なければこんな事にならなかったのではないかと思っていた

「姫様が謝る事じゃありません!悪いのは全部あいつらなんです!

 それに・・・お話を聞きました・・・姫様だって被害者なんです・・・

 だから・・・私達に謝らないでください・・・」

しかしツミジ達もちゃんと分かっていた

悪いのは全て彼らでありララは何も間違った事はしていないと

むしろ彼女も自分達と同じく被害者であり同情すらしていたのだ

「ありがとう・・・皆さんも大変なのに・・・私にも手伝える事はありますか?」

その言葉を聞いて少しではあるがララは救われた気持ちになり

ツムジに何か手伝える事があればどんな事でも言って欲しいと告げる

「手伝って欲しい事ですか?・・・あっ!それなら子供達の面倒を見てもらえませんか?

 そちらのご兄妹を見る限り子供と遊ぶのが好きそうなので是非とも!」

下手な仕事を任せるわけにはいかないと思ったツムジは子供達の面倒をお願いした

正直な話、ここまで逃げてきて食料などの整備などもあるので大人は忙しく

子供を見てもらう人が欲しいと思っていたところなのだ

「・・・なんか俺達が基準なのは腹立つが・・・一緒に面倒見るぜ!」

テンテコとマイマイも一緒に面倒を見てくれると言ってくれたので

ララは喜んで子供達の面倒を見る事にした

「・・・少し押し付けすぎたかな・・・」

しかしツムジは去っていくララの姿を見ながら仕事を押し付けすぎたかと思っていたが

「いや・・・むしろあの子にはそれくらいで十分なのかもしれないぜ?」

そこへカライが現れてツムジの与えた仕事くらいがちょうどいいと告げる

(俺達は王族であり民とは違うが・・・人を支えたい気持ちだけは本物だからな・・・)



「それにしてもシンの奴・・・拠点を抑えるのに時間が掛かっているよだな・・・

 どうやら向こうにも巨人の使い手がいたみたいだな・・・」

ナオマサの発言を聞いてみんなは一気に取り乱したがそれを手で制した

「安心してください・・・あいつはそんな危険な者達を放っておきはしません

 時間は掛かるでしょうが必ず倒してこちらと合流するはずです

 こちらのやるべき事はたった一つ・・・疾風のヴェストが操る巨人の攻略です」

しかしナオマサは必ずシンが勝って帰って来るという事が分かっていたので

自分達のやるべき事である疾風のヴェストをどう攻略するかを考える

「ヴェストの操る巨人ですか・・・詳しい事までは分かりませんが

 おそらく風の属性を持つ巨人であると思います

 あのスピード・・・あれほどの速度は風の魔法石を組み込まれた巨人の特徴ですからな」

国王が言うのは街の拠点を破壊する速度は間違いなく風の巨人が得意とするものであり

彼の名前からしてみてもその説が濃厚であると考えていたのだ

(風の属性か・・・それならばシンに相手をさせるのが一番なのだが・・・

 問題はヴェスト以外の巨人乗りがいるかどうかだな・・・)

スピードの勝負ならば時の属性を持つディパシーが有利ではあるのだが

そんな簡単に手の内を明かすとは思えず他にも巨人がいる可能性も考えていた

「・・・お聞きしたいのですが・・・そちらは巨人乗りはいないのですか?」

故にナオマサはその時の対処をするにはヴァンカンスの戦力が必要だと考えていた

「・・・残念ながら巨人はあるのですがそれに乗れる者はおりません・・・

 そしてそれ以外の巨人乗りは砦などにいるのでそこから離れるわけには・・・」

残念ながらこの街には巨人乗りはいないようでもしもの対処は不可能のようだ

(やはりこうなってくると奴以外の巨人がいない事を祈るしかないな・・・

 それにしてもあいつら・・・巨人乗りはどの国でも重要な人物のはず・・・

 それを囮にしてまで街を攻め込む作戦を立てるなど明らかにおかしい・・・

 もしかしてあいつらにとっては只の巨人乗りなど取るに足らないという事なのか?)



幾重にも策を考え話し合いその日は夜まで会議をしてようやく終了した

「・・・作戦会議は終わったのか?」

作戦をしていたテントからナオマサは出てくると

そのテントの横にカライが座っており作戦会議の終了したのかを聞く

「ああ・・・と言っても全てが成功しない限り全滅するまさに奇跡頼りの作戦だ・・・

 いや・・・もはや作戦とすら言えないようなものだ・・・

 だがそれ以外であいつらを倒す策はない・・・」

どうやらどんなに話し合っても決定的な穴を埋めるだけで精一杯であり

細かい穴まではカバーする事は出来なかったのだ

そしてもしもその穴を突かれてしまったら完全に作戦は失敗し敗北するのは確実だった

「奇跡頼りの作戦か・・・確かにもうそれは神頼みで作戦じゃないな・・・

 でも・・・ちゃんと希望はあるんだな?」

カライの言う通り確かに穴だらけではあるし一歩間違えば間違いなく敗北ではあるが

それでも同じく成功する可能性だって残されている

「・・・ああ・・・勝つ可能性は・・・ゼロじゃない・・・!」

ナオマサも勝つ可能性だけはあると告げながらララの待つテントに向かった

「・・・勝つ可能性はゼロじゃない・・・なら俺も・・・覚悟を決める時が来た・・・!」



ナオマサがテントに戻るとララがとても青い顔をして待っていた

そしてその表情が何を意味しているのか・・・ナオマサはすぐに察した

「・・・姫様・・・今度はどんな予知夢を見たのか・・・教えてもらえますか?」



「・・・明日・・・このキャラバンが・・・襲撃されます・・・!」

疾風のヴェストとの戦いを決めたヴァンカンス王

しかしそんな中でララはキャラバンが襲われる予知を見てしまう!

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