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蜃気楼の城塞

いよいよ敵の本拠地へと乗り込む一行!

シン達は夜になるのを待ってテンテコが掴んだ情報の場所に向かった

すると目の前にちょうど良かったというべきなのか傭兵の姿があった

そしてその後をついていくと何かの魔道具を使ったのか突然と消えてしまった

「・・・どうやらここに拠点があるのは間違いないみたいだな・・・

 問題はどうやってバレずに中に入るかだな・・・まさか魔道具が必要とは・・・」

ここで予想外だったのは中に入るのに魔道具が必要だという事だった

しかし今のを見る限りそれを持っているのは外に出ている傭兵だけだろう

だがその傭兵は先ほど拠点の中へと入ってしまったので出てくる事はない

それに外にいる傭兵がどれほどの数がいるのか全く分かってもいない

つまり拠点の中に入る方法が全くないという事だ

「このまま夜が明けるまで待つわけにもいかん・・・

 どうにかして中に入る方法を探さねば・・・」

ナオマサは他に何かいい方法がないかと考えているとここでシンが一つだけ思い出した事があった

「そういえばさっきの奴ら・・・昼間に見かけたのとは違ったな・・・」

それは先ほど拠点の中に入っていった人達が昼間に出会った者達とは違うという事だった

そしてもしかしたらまだこの近くにその者達がいるのではないかと思い周辺を探してみると

「・・・マジでいたわ・・・しかも何故か迷子になってるし・・・」

なんと奇跡とでもいえばいいのかシンが出会った男達が後ろで拠点を探しながら彷徨っていた

「なんであいつら迷子になってるんだ?普通はならないだろ?」

自分達の拠点だというのに何故、場所が分からなくなってしまったのか

しかし今はそんな事を気にしている場合でもないので

シンとナオマサはこっそりと彼らに近づいて気絶させ魔道具を奪った

「・・・なるほどね・・・昼間の戦いでコンパスが壊れたのか・・・」

そして同時にどうして彼らが迷っていたのかも判明するのだった

「何にしてもこれで魔道具を手に入れる事が出来た・・・後は侵入するだけだが・・・

 こちらからは何も見えてない以上は気をつけて進まなくてはいけないな・・・」



まず最初にナオマサが魔道具を入って侵入し中の様子を調べる事になった

そして周囲に何もない事を確認しもう一度外に出てみんなを連れて蜃気楼の中に入る

「・・・マジか・・・さすがに敵の拠点だからそれなりに大きいとは思ったけど・・・

 これはさすがに予想外だったな・・・」

そう言っているシンの前に広がっていたのはまさしく城塞と呼べるような建物だった

四方は全て巨大な壁で囲われており壁の穴からは大砲が出ていた

さすがに壁の向こうまでは分からないがこの時点で

すでに相手の規模がどれほどのものなのか理解するには十分だった

「とにかくまずは壁の向こうに行く方法を考えないとな・・・壁を登るか?」

真正面から侵入するわけにもいかないのでカライはどうやって壁の向こうに行くのか尋ねる

「壁を登るにしたって・・・なんか道具でもない限りは絶対に無理だぞ・・・」

壁には突起や窪みのように掴んで登れるようものはないので

道具も何も持っていない現状ではその選択肢はないだろう

「となると残るは抜け穴か・・・しかし果たしてそんなものがあるのか?」

これだけ綺麗な壁なのに本当にそんなのがあるのかと思いながらも

とりあえずは周辺を見て回るのも含めて周りを見て回る事にすると

「思った以上に厄介な作りになっているみたいだな・・・

 門は外から絶対に入れないようになっている・・・

 そして壁にも高圧の電流が流れているみたいだな・・・俺でなければ死んでいる」

どうやら予想以上に厳重な城になっているようで

先ほど壁に登る案も実行していれば間違いなく黒焦げになっていただろう

「・・・本当にやらなくてよかったと心底思ってるよ・・・マジで・・・

 でも本当にどうする?入る方法も場所もないんじゃ手の打ちようがないぜ?」

しかし今はシンの言う通り感心している場合ではなくどうやって壁の向こうに行けばいいのか

それを考えなくてはここまで来た意味がなくなってしまう

「お〜い!こっちに来い!いいもんがあったぜ!!」



「これは・・・もしかして隠し通路か?」

テンテコが呼んでいた場所に向かうとそこには厳重に鍵の掛けられた小さな扉があった

おそらくそこは城塞に何かあった場合の抜け道なのだろう

「よく見つけたな?あとはこの鍵をどうやって開けるか・・・」

見つけたのはいいがそこはまさしく厳重な鍵が掛けられておりその鍵を持っていないので

どうやって開ければいいのだろうと考えていた時だった

「それならば俺様に任せろ!こういう鍵開けには慣れてるんだ!」

テンテコはマイマイから道具を受け取ると凄まじい速度で鍵を開けていく

しかも中にはトラップなども仕掛けられているのにそれすらも発動させる事がなかった

「・・・これで子供だっていうんだからありえないよな?」

まさしくその手際は熟練された泥棒と一緒でありシンは子供ではないと思っていた

そしてそれから5分もしないですべての鍵が外された

「・・・何はともあれここから侵入出来るな・・・俺が先に行く」

ナオマサは開けられたその小さな扉を通ろうとしたのだが

「・・・どうやら入れないみたいだな・・・」

どうやらナオマサの屈強な体では通れないみたいで

結局そこを通れたのはその次に大きいカライからだった

「仕方あるまい・・・私はこのまま外に残って脱出の準備を進めていく・・・

 シン・・・わかっていると思うが姫様に傷一つも負わせるんじゃないぞ・・・!」

ナオマサの顔を見て本気だという事は分かっていたが元よりシンにその気はない

しかしそれでも真剣な顔で頷いて返事を返しナオマサを納得させた

「それじゃあ俺が先に行かせてもらうぜ?姫さんと子供達は後で来な」

カライは開いた扉からそのまま入っていき先に壁の向こうへと行ってしまう

「早っ?!全く・・・それじゃあ俺達も行くとするか・・・!」

残されたシン達も急いで後を追いかけて行き壁の向こうに行くのだった

「頼んだぞ・・・後を任せられるのはお前達だけだ・・・!」



「どうにか壁の中には侵入できたが・・・ここはどこだ?」

扉を抜けた先は先ほど見た城塞とは思えないほど煌びやかな廊下だった

それこそこんな砂漠の上にあるのはおかしいと思えるほどだろう

「まさしく大富豪の屋敷って感じだな・・・とにかくまずは見取り図が欲しいな」

シンはここまで広いのならばさすがに見取り図がなければ迷うと考えていた

しかし問題はその見取り図がどこにあるのか

そしてその見取り図を見つけるまでに迷わないかどうかだった

見取り図を見つけても自分の現在地が分からないのでは意味がなくなってしまう

「せめて分かりやすい場所で見取り図を入手できればいいんですけど・・・」

ララの言う通り一番いいのはどこなのか分かりやすい場所で地図を入手する事

なのでまずは近くにあった部屋の扉を開けて中を確認する

「ここは・・・どうやら厨房みたいだな・・・ここで見取り図の入手は無理か・・・」

部屋の中は料理器具などが置かれておりそれらを見て厨房だと分かったカライは

ここで見取り図の入手は無理だと判断した

「いや・・・ここでむしろここでなら見取り図の入手は簡単かもしれない」

しかしシンはここで待っていれば見取り図は簡単に入手する事が出来ると考えていた

一体どういう事なのだろうと思っていると物音が聞こえてきて

五人は急いで物陰へと隠れるとおそらく料理をしに来たのであろう人が入ってきた

「やっぱりな・・・もうそろそろ夜の巡回をしている傭兵に差し入れをするんだろう

 あいつを気絶させておそらく持っているはずの見取り図を奪うぞ・・・!」

シンは静かにその人に近づいていき口を塞ぐと首に手刀を当てて気絶させた

そして服を漁っていると本当にこの城塞の見取り図を持っていた

「驚いたな・・・どうしてこの人が城塞の見取り図を持っていると思ったんだ?」

カライはどうして持っているはずのない料理人が見取り図を持っていたのか聞く

「だってこの城塞はつい最近できたばっかりなんだろ?だったら飯を運ぶのに

 場所を覚えてないといけないけどそんなすぐには無理だろ?だからだよ」



「とにかく見取り図は手に入れたし後は親玉に会うだけだな・・・!」

見取り図を手に入れた五人は慎重に進んでいき

いよいよ大富豪がいるであろう部屋にたどり着いた

そこには鍵が掛けられていたがもちろん簡単にテンテコが解錠し中の様子を見るが

「?!いない?!逃げられた?!それとも別の場所に行ったのか?!」

何故か大富豪の姿はそこにはなくどこを探してもいる様子はなかった

もしかして逃げられたのではないかとカライは焦っていたが

それならば逃げるよりも罠を張って待っているはず

「罠?・・・?!しまった!この部屋自体が罠か!!」

シンはすぐに罠の存在に気がついたが時すでに遅く扉と窓が塞がれ閉じ込められてしまった

「やられた・・・!奴は俺達が来る事が分かっていたのか・・・!」

まんまと罠に嵌ってしまった事を悔しがっていると

部屋の中心が開いて水晶が載せられた台が現れる

『やぁ初めまして・・・俺がこの城塞の主人にして君達の探している大富豪・・・

 そして本来の名と役目である疾風のヴェストと呼ばせてもらおうかな?』

その水晶から映像が映し出されてそこには褐色の男が映し出されていた

そしてその男は自らを疾風のヴェストと名乗っていた

「本来の名と役目?ならお前の役目はこの国を乗っ取る事じゃなかったのか?!」

カライは先ほどのヴェストの言葉を聞いて彼の目的が自国の乗っ取りではなかったのか聞く

『もちろんそっちも俺の役目だよ?いやむしろそれこそが俺に任されていた役目だ

 でもとある人が失敗しちゃったからその尻拭いをする事になっちゃったんだよね〜』

どうやらヴェストの目的はヴァンカンスの乗っ取りで間違いないみたいだが

それよりも優先するべき事が出来たようでだからこそ本来の名と役目を名乗ったようだ

そしてシンは理解した

ここで本来の名と役目と告げたという事はその優先すべき事が何なのかを

「まさか・・・!お前の優先するべき目的ってのは・・・!!」



『そう・・・そこにいるお姫様の捕獲さ・・・!』

罠に嵌められてしまったシン達は

そこで疾風のヴェストと名乗った男からその目的を聞かされた

果たして彼が告げたララの誘拐とその理由とは?!

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