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砂漠の首都アデム

いよいよアデムに到着!

道中で様々な出来事があったものの一行は

無事にヴァンカンスの首都であるアデムへと向かっていた

「・・・!見えてきました!あれがアデムです!」

そして本日とうとう目的地であるアデムへと到着したのだった

「あれがアデムか・・・なんか目立った建物とか屋敷はあるけど

 城とかそう言った王族の建物はものはないんだな?」

ここでシンがアデムを遠目から見て思ったのは城がないという事だった

「前にも話したがこのヴァンカンスはいくつもの民族が合併して作った国家だからな

 一応は俺の親父が代表を務めているが全ての決定権はみんなにある

 そう言った意味も含めて城とかそう言ったものは作らないようにしてあるんだよ」

カライの話では民族が集まって作られた国家だからこそ突出して偉い人間を作るわけにはいかず

そう言った意味も含めて城という物は作られていないそうだ

「・・・でも・・・その民族国家で突出する者が現れてしまった・・・」

おそらくカライが話しているのはこの国の乗っ取りを企んでいる大富豪の事だろう

しかもその人物が王国の騎士団長と繋がっているのだからもはや財力も戦力も

国としては見過ごせない存在と言えるだろう

「・・・そういえばさっきの大富豪もここに拠点を構えているのか?」

シンはその話に出ている大富豪もこのアデムにいるの尋ねる

「いや・・・俺達も奴がどこにいるのかまでは知らないんだ・・・

 親父が偵察隊なんかも出したみたいだが・・・誰も帰ってこなかった・・・」

しかしカライ達もその大富豪の居場所は知らないようでかつては調べようともしたみたいだが

残念ながらそれは失敗し犠牲者も出してしまったと告げる

「・・・そうか・・・どちらにしてもまずは親父さんに状況を説明しないとな」

まずは国そのものから協力を得ない限りは手を出すわけにはいかないので

当初の目的通りにこの国の国王に事情を話に向かう事にした

「・・・というかカライはまず無断で出かけた言い訳を考えた方がいいんじゃないか?」



「・・・やっべ・・・完全に忘れてたぜ・・・」



こうして一行は何事もなくアデムへと入場し

ララとナオマサはカライ達と一緒に国王に会いに向かった

「で・・・取り残された俺達はどうしたもんかね〜・・・」

そしてシン達はそんな場所に行っても何も出来ない事が分かっていたので

付いて行かずに街を見て回る事にしたのだが何故かシンだけは暇だった

「最初はあの大富豪に関しても情報を聞いていこうと思ったけど

 テンテコとマイマイが張り切って行っちゃたし・・・やる事ないな・・・」

実はシン達は大富豪の情報を集めようと頑張っていたのだが

シンにそちらの才能はなかったようでテンテコとマイマイからお払い箱にされてしまったのだ

結果として暇になってしまったシンはこうして広場の真ん中で空を見上げるしかなかった

(・・・なんか・・・こうして考えると俺って剣以外は何も出来ないんだな〜・・・)

改めてシンは自分の不甲斐なさを実感しせめて

自分の活躍出来る事だけでもどうにかしようと考えていると

何やら揉めているような声が聞こえてきてすぐさま向かってみた

「離してください!私は急いで行かなくちゃいけない場所があるんです!」

するとそこではおそらく商品を売りに来たのであろう少女が屈強な男二人に絡まれていた

「そんなの後回しにしてさ?俺達と一緒に遊ぼうよ!」

しかし男達はそんな事は知らないと言わんばかりに少女の手を離そうとはせず

さすがに見ているわけにはいかないシンはその男の手を掴んで少女から手を離させる

「全く・・・この街にもこんなクズみたいなやつはいるもんだな・・・」

シンはその男の手を離してため息を吐いていると男達が激昂して襲い掛かってきた

しかしそんなチンピラのような男達に負けるようなシンではなく簡単に撃退して見せた

「いいか?今度、俺の前でこんな事をしたらそん時は腕の一本が飛ぶと思えよ?」

そう言って腰に掛けていた剣を抜いて見せると男達は急いで逃げていった

「あっあのありがとうございました!本当に急いでいるのでお礼は後ほど!!」

別に気にしなくていいとその少女に言おうとしたシンだったがすでにその姿はなかった



(それにしてもさっきの男達・・・兵士でもなさそうだったが・・・一体どこの所属だ?)

シンは先ほどの男達が武器を持っていた事に気付いていたが

あんなチンピラのような者達がこの街の兵士だとも思えずどこに所属しているのか気にしていた

「まぁ深く気にしても仕方ないし今はとりあえずララ達を待っているとしますか」

何もする事のなくなってしまったシンは街をぶらぶらしながら

ララ達が帰ってくるのを待っている事にした

「それにしても・・・なんか随分と寂しい気がするのは気のせいか?

 街の筈なのに村よりも人の気配が少ない・・・どうしてだ?」

街を歩いていてシンは全く人がいない事に気がついた

それこそ村よりも表に人がおらず遊んでいる子供達すらいないほどだ

「・・・これじゃあまるで滅びる寸前みたいだぜ・・・」

もしかしたらシンの言う通りこのアデムという場所は滅びる寸前なのかもしれない

しかしそれにしてはあまりにも早すぎるのではないかと思っていた時だった

「あんたね!また屋敷を抜け出してきて!少しは王子としての自覚を持ちなさいよ!」

何やら前の方で喧嘩が起こっているようで少女が誰かに対して怒っていた

「俺は別に好きで王子様になったわけじゃないんだしいいだろうが・・・

 それに抜け出してきたんじゃなくてお前の様子を見に来たんだよ」

怒られている方は何やらシンにも聞き覚えるのある声で

もしかしてと思いながらその声のする方へ向かってみるとやはり怒られていたのはカライだった

「お前さ・・・さっきララやナオマサと一緒に親父さんに会いに行ったんじゃなかったのか?」

どうしてこんなところにいるのかカライを睨みながらシンは説明を求める

「おおシン!いやそれがさ〜・・・親父が俺が屋敷から無断で外出した理由を聞き出そうと

 うるさくて話が進みそうにないから避難してきたんだよ」

どうやら無断で街を出た事に対して国王がかなり怒っていたらしく

自分がいては話し合いにすらならないと考えて外に出てきたようだ

「お前な〜・・・そこは素直に謝って許してもらうところじゃないのか?」



一方その頃、カライがいなくなってようやく落ち着きを取り戻した国王が

ララとナオマサの待っている部屋の中に入っていった

「すまない・・・我が子の事になるとどうしてもあんな風になってしまってな・・・

 出来る事ならばもっと王子らしくなってほしいとは思っているのだが・・・

 それよりもお二人の事情は大体まで理解しています

 援助の事も快く引き受けさせてもらいたいのですが・・・

 いささかこちらも事情がありまして・・・」

やはり友好国という事もあってか国王はかなり親身になってくれているみたいで

個人としては是非とも手伝いたいみたいなのだがやはり例の件で首を縦には触れないそうだ

「・・・私達も事情は知っています・・・そしてその事でお話したい事があるのです」

ナオマサは自分達が大富豪の一件についてを知っている事を打ち明け

そしてその大富豪が自国の騎士団長と繋がっている可能性がある事を教えた

「なんと・・・!ではこの二国で起きた事は全て繋がってたという事ですか・・・!

 それが事実ならばもはや黙っているわけにもいきませんが・・・」

この事実を聞いて国王は国の代表として黙っているわけにいかないと思っていたが

どうやら素直に立ち上がれない理由がもう一つあるようだ

「・・・実は例の大富豪は彼自身が巨人の乗り手なのです・・・

 そして最近は傭兵を雇って街で騒ぎまで起こした始めたのです・・・

 おかげでこちらの兵は疲労しており・・・とてもではありませんが・・・」

大富豪はすでに手を打っていたらしく傭兵を雇って兵の力を削いでいたようで

今から彼らに徹底抗戦するにしてもまともに動けるような兵士は少ないそうだ

そして一番最悪なのはその大富豪自身は巨人の乗り手だという事だった

彼だけを狙うにしても同じく巨人を使えるものでなくては話にならない

(巨人の乗り手・・・敵の親玉だけあってやはり只者ではなかったか・・・

 しかしこれほどまでに巨人の乗り手がいるとは・・・これは偶然なのか?)

希少な巨人の乗り手が偶然で集まるにしてはあまりにも不自然だとナオマサは考えていた



「・・・その事なのですがヴァンカンス王・・・私達にもお手伝いさせてもらえませんか?」



「いやいやいや!自国の事でも大変なのに姫様にこれ以上の負担を掛けられません

 それにこのヴァンカンスは民族国家です

 その絆は普通の国よりも強固だと私は考えております

 いざとなればみんなで協力して事に当たるつもりです」

国王としては他国の姫に何かあっては申し訳が立たないと考えていた

だからこそララの提案を断ろうとしていたのだが

「私達も善意でお手伝いを申し出ているわけではありません・・・

 ご存知の通り私達は国を追われている身・・・

 ですからそちらの援助に対して何の対価も支払えないのです

 だからこそこの事件を解決しその対価として援助をお願いしたいのです・・・!」

どうやらララは善意ではなく援助をしてもらう対価として手伝いを申し出たようだ

そして国を救った対価ならば他の人間からしてみても無下には出来ないはずだと

国王はしばらく考え込んでいた

確かにララの言う通り彼らが手伝ってくれればこちらとしても援助をしやすくなる

しかし同時にララを巻き込んでしまったら国際問題になりかねない

(いや・・・もはや敵が国家間で手を組んでいる以上すでに国際問題か・・・)

どちらにしてもすでに国際問題にはなっているので今更それが増えようとも問題はなく

むしろ早めに解決する事こそが一番いい事なのだろう

「・・・分かりました・・・その申し出を受け入れましょう・・・

 そちらの戦力についてお聞かせ願いませんか?」

国王は必死に悩んだ末に首を縦に振る事にした

大富豪と戦う手伝いをする事になったララ達

果たして大富豪の正体とは一体?!

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