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森を抜けた先で待っているもの

新しいキャラが登場します!

シンの活躍によりなんとか森を脱出する事が出来た一行だったが

あの戦いから二日ほど経っているのにシンが目を覚ましていなかった

「おそらくはディパシーの使ったあの未知の能力が原因でしょう・・・

 あれはもはや奇跡や神の御業といった類の魔法です

 それをまだ巨人に乗って数日しか経っていない彼が使ったのですから無理もありません」

確かにナオマサの言う通りシンの倒れた原因は間違いなくあの能力だろう

あれはもはや時間すら支配したありえない能力だ

そんな能力が何のデメリットもなく使えるわけもないだろう

それが結果としてシンが長期間、眠っている理由になっているかもしれない

「・・・そうですね・・・もしかしたら魔力を使い切ってしまったのかもしれません

 巨人乗りには必ず魔力が備わっているはずですから・・・」

そしてララは自分も同じような能力を持っているからこそ理解していた

巨人乗りは全員が魔力を少しではあるが持っており

それが魔法石に反応して巨人を動かしているのだと

そしてその性能を引き出すのは間違いなく乗り手の魔力次第

つまりシンは自分の魔力には余る魔法を使った事で魔力切れを起こしたのだ

「でも私の考えではもう魔力はほとんど戻ってきていると思います

 明日の朝には目を覚ますと思いますが・・・問題はそこから先ですね?」

ララが懸念していたのはシンが目覚めた後の事だった

「・・・例の姫様が見たという予知夢ですね?正直な話をするのならば外れて欲しいですね」

どうやらそれがララの見た予知夢に関係しているようで

ナオマサはそれが外れて欲しいほど酷いものだと思っているらしい

「・・・残念ではありますが・・・覚悟を決めた方が良さそうです・・・」

しかしララは自分の予知夢が絶対に避けられないものだと分かっているようで

もはやここまで来たら覚悟を決めて進む以外の選択肢はないと告げる

「・・・そうですね・・・後で起きるシンには申し訳ないが・・・後で説明しましょう」



「・・・いや・・・それで牢屋に入れられた理由になるわけないよな?」

そして一日経ってシンが目を覚ました今、何故か一行は牢屋に入れられていた

「・・・実はあの後で少し先の村を通っていたのだが・・・そこで待ち伏せにあってな

 完全な一般市民だったから手を出すわけにもいかないからこうして大人しく捕まったんだ」

ナオマサの話ではララが見ていたのは普通の村人が自分達を襲うというものだった

しかもそれを避けて通った場合どうなってしまうのかも見えていた

「・・・もしも私達がこのまま通り抜けた場合・・・彼らは謎の魔物に全滅させられるのです」

それを聞いてシンは目を見開いて驚いた

本来ならば魔物は巣を持ちその範囲で行動する生き物

だからこそ村や集落などはそれに注意して建てられているはずだからだ

なのにララはここが魔物の襲撃を受けてしかも全滅まですると言っている

「・・・その魔物ってもしかして・・・俺が森で戦ったのと同じくらいに大きいのか?」

シンはその規模から考えて魔物が森の主クラスなのではないかと尋ねると

ララは静かに頷いて肯定した

「しかもそれだけではない・・・姫様の話では小型の魔物も連れてくると言っていた

 つまり・・・魔物は集団で行動してくるという事・・・

 おそらく大型の魔物はその集団のリーダーなのだろう」

しかもナオマサの話ではさらに魔物は小型を率いてくるようで

まさしくこれくらいの小さな村ならば簡単に全滅してしまうという事だ

「でもなんで魔物が急にこの村を襲うんだ?

 リーダーがいるって事は群れからはぐれたわけじゃないよな?」

ここでシンが疑問に思ったのはどうして魔物が村に来るのかだった

今の話を聞く限り小型の魔物が群れからはぐれたわけではなく

ちゃんと統率がとれた状態で攻めてくるという事だった

そう・・・まるで誰かに命令されているかの如く

「・・・正直私もそれがどうしてなのかまでは理解できない・・・だが・・・」



「このままいけばこの村は間違いなく・・・火の海となるだろう・・・!」



「・・・そういえば聞き忘れたけど・・・この村の人間はどうして俺らを捕まえるんだ?」

ここでもう一つシンには疑問に思う事があった

それはどうしてこの村の住民達が自分達を捕まえるのかという事だった

「わからない・・・もしかしたら騎士団の方で何かを言われた可能性はあるな・・・

 何れにしてもまずはこの檻を出て事情を聞かねばならないのだが・・・」

そう言ってナオマサは檻の方まで近づきどうにか力づくで壊そうとするが

「やはりこの檻には魔法が組み込まれているな・・・魔道具の檻か・・・

 どこで仕入れてきたのか分からないがこのままでは出られないな・・・」

どうやらこの檻には魔法が付与されているようで力づくで開けるのは困難だった

「マジかよ・・・それじゃあ本当に何も出来ないじゃんか」

完全に手詰まり状態になったシン達の檻に誰かが近づいてくる音が聞こえてきた

三人は急いで檻から離れた場所に座ると彼らの前に現れたのは子供の男女二人だった

「なぁ・・・あんたら王族の人間なんだよな?ここから出してやるから取引しないか?」

そしてその一人である男の子が牢屋から出す代わりに取引して欲しいと告げる

「内容にもよるな・・・どんな取引をして欲しいのだ?」

真面目なナオマサは取引次第だと告げてその男の子にどんな取引をしたいのか尋ねる

「そんなもん決まってるだろ!俺達への報奨金だよ!」

男の子が求めていたのはどうやらお金のようだ

しかし残念ながら今のシン達には彼らに払えるようなお金など存在しなかった

「・・・悪いが見ての通り今は金を持っていない・・・

 だが俺達は砂漠の民族国家ヴァンカンスに向かっている途中だ

 そこでならお前達への報酬を渡せるが・・・どうする?」

ナオマサは素直にお金がない事を話しそしてヴァンカンスへ行けば渡せる事を告げる

それを聞いて男の子は待っていた言わんばかりに笑顔を浮かべていた

「決まってるだろ!そんなもん俺達もついていくぜ!俺はテンテコだ!よろしく!」

テンテコはそれで契約は成立だと見なして女の子に牢屋の鍵を開けさせる



「ようやく出られたぜ・・・で?これからどうするんだ?魔物が来るんだろ?」

そう・・・あくまで牢屋から出るのは始まりの状態にすぎない

ここから今度はこちらに向かっている魔物の迎撃をしなくてはいけないのだ

「問題は村人だな・・・俺達を捕まえたという事は警戒心を持っているという事だ

 逃がすにしても隠れさせるにしても攻撃されては意味がない」

ナオマサの言う通り問題はなぜか攻撃的な村人への対応である

彼らがもしも戦っている間に邪魔をしてきたらさすがに対応しきれない

「それなんですけど・・・

 村人がみなさんを襲った理由は多分高額な報奨金が目的だと思います・・・」

するとそこへ先ほど牢屋の鍵を開けてくれたマイマイという女の子が

どうして村人があんなに警戒しているのかその理由を教えてくれた

どうやら今の三人は騎士団によって指名手配されているらしく

みんなはその報奨金を目当てにシン達を捕まえたのだそうだ

「やっぱり騎士団が絡んでいたか・・・でもどうしてお前達は助けてくれたんだ?」

シンは先ほどお金が目当てだと言ったのにどうして自分達を助けたのか二人に聞く

「そりゃ決まってるだろ?その騎士団が出してくれる報奨金が嘘っぱちだからさ!」

するとテンテコはまるで裏切られたと言わんばかりに怒りながら報奨金が嘘だったと告げる

「・・・どういう事なのか説明してもらってもいいか?」

ナオマサはその嘘とはどういう意味なのかを二人に聞く

「・・・今言ったよな?この村に魔物が迫ってきてるって・・・

 その魔物を操っているのはな・・・他でもないその騎士団なんだよ・・・!」

テンテコの話を聞いて三人はありえないと驚愕の表情を浮かべる

「嘘だろ?!騎士団が魔物を操る?!いやそれ以前に魔物って操れるのかよ?!」

シンが混乱してしまうほどに色んなあり得ない事が今の話には含まれていた

まずは騎士団が魔物を操るという事・・・それはつまり魔物を利用しているという事である

そしてもう一つは人の手ではどうしようもできないはずの魔物が人に操られていると言う事



「まさしくどちらも国民にバレれば脅威となり得る話だな・・・

 いや・・・それこそ再び戦争の引き金を引きかねない話だ・・・!」

ナオマサの言う通りこの情報はどの人間にとっても恐怖の対象となり

そして・・・再びこの世に戦乱をもたらしかねない話だった

「・・・しかし今はその話を考えるのは後にいたしましょう・・・

 まずは村人への説得をします・・・!シンは念の為、村の外で待機してください」

するとララはその話を詳しくするのは今ではないと判断し

自らが村人の説得をすると申し出た

「・・・確かに姫のお話ならば彼らも信じるしかないでしょう・・・

 私も同行させていただきますが・・・ご無理はなさらないように」

本当はナオマサは反対する立場なのだがそれが最も確率が高いという事も分かっており

仕方なくその作戦を了承しララと一緒に村人の説得をしに向かった

「よし!俺は村の外に出てまずは偵察だな!」

残されたシンは村から出てまずは魔物がどんな感じで来るのか偵察する事にした

「それなら俺達がいい場所知ってるぜ!ついでに村をこっそり抜ける為の道もな!」

するとテンテコが抜け道の案内と偵察にいい場所を教えてくれるらしく

シンはそれを頼りにまずは村の外へと出て行く事にした

「おぉ!本当に出られたぜ!さてと魔物はどんな感じで来るのか・・・」

三人は周辺を見渡して魔物の姿が見えないか探しているとマイマイが悲鳴を上げて尻餅をついた

シンはそんなマイマイを慰めながら彼女が見ていた方向を見てみると

「・・・マジかよ・・・これじゃあ本当に村が一瞬で全滅するぞ?!」

そこにいたのは巨大な蟻の魔物とそれについてくる小型の魔物が百は超えており

まさしく村を飲み込むが如く波のように迫っていた

森を抜けた先で再び戦いを迫られるシン

果たして魔物の大群を前にどう戦うのか?!

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