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少年旅立つ!

最初にプロローグがあります!

この世界には数千年前・・・魔法使いと呼ばれる特殊な力を使う者達がいた

彼らはその力を人々の為に使い繁栄をもたらしたと言われている

しかし・・・いつの世も強い力は人の心を惑わし時に争いを生む原因にもなった

力に溺れてしまった魔法使い達が世界を我が物にしようと暗躍し世界に対して戦争を仕掛けた

その戦いはあまりにも苛烈なもので何万人もの死者を出す結果となった

戦争は長い間続きようやく悪の魔法使いを倒して終結した

だが・・・その代償はあまりにも大きすぎるものだった・・・

戦争の影響を受けてしまった大地はどんな作物も育たぬ荒れ果てた土となり

川は表面すら見えないほどに黒く汚れてしまい魚は死に絶え

自分達の実りすら無くなった動物達は絶滅の一途をたどる事になった

魔法使い達は自分達に持てる力を全て使いどうにかして世界を元に戻したが

それからすぐ後で彼らは話し合いを始めた・・・これからの自分達についてだ

そして再び同じような事が起きないように自分達の力を封印する事にした

もし同じように戦争が起きたとしても魔法による被害はこれで無くなると思ったのだ

確かにこの考えのおかげで数百年の間は大きな戦争はなく世界は平和だった

しかし数百年前・・・彼らの予想を超えた出来事が起きてしまった

それは人々を脅かす悪しき存在・・・魔物の出現だった

彼らはなんと失われたはずの魔法を使える唯一無二の存在だったのだ

古の魔法使いのように様々な魔法が使えるわけではなく

精々が一種族に付き一つの魔法が使える程度だったが

魔法の使えない人々にとってはそれだけでも十分な脅威となりえた

そこで新しく生み出されたのが錬金術と呼ばれるものだった

錬金術は魔法使い達が己の力を封じ込めた石を使う為の方法やその為の道具を作る事である

この錬金術を用いて再び人々は繁栄を取り戻し魔物に対抗する事が出来るようになった

そして・・・この錬金術の全てを注ぎ込んで作られた魔物に対抗する兵器を人々はこう呼んだ



・・・巨人と・・・



それから数百年の時が流れ・・・とある村から旅経とうとする少年の姿があった

彼の名前はシン・・・王国の騎士になる為に王都へと向かうつもりのようだ

「・・・爺ちゃん・・・俺・・・爺ちゃんみたいな立派な騎士に必ずなってみせるからな!」

シンは家の裏にある祖父の墓に報告しながら村の出口へと向かっていく

「村長!それにみんなも!!」

するとそこにはこの村の村長と村に住む住民達の姿があった

「シンよ・・・とうとうお前もこの村を旅立つ時が来たのじゃな・・・

 お主の祖父であるリンジュ殿は儂らにとってはまさしく英雄じゃった・・・

 それに負けぬぐらいの騎士になるのじゃぞ!」

村長からの激励の言葉を皮切りに村のみんなが全員でシンを応援する

そこへ一人の男が剣を持ってシンの元に来た

「シン!これから村を旅立つお前に渡すものがあってな!これを受け取れ!」

その男は持っていた剣をシンに見せると目を見開いて驚いていた

「テツジさん!これ・・・もしかして爺ちゃんの剣か?!」

そう・・・その剣は他でもないシンの祖父でありリンジュが使っていた剣なのだ

「ああ!現役を引退した時にうちの親父が預かってな!

 本当はお前が大人になった時に渡すように言われていたんだが・・・

 騎士を目指すのなら剣は必需品だろ?だから渡そうと思ってな!」

どうやらその剣はリンジュ本人から預かっていた物のようで

いずれシンが大人になった時に渡すように言われていたらしいのだが

騎士を目指すのならば剣は必要だろうと今日、渡す事にしたようだ

「・・・ありがとう!大切に使わせてもらうよ!」

シンはその剣を受け取る時に不思議と重く感じていた

しかしそれは物理的な重さではなくその剣に込められている思いに対してだった

リンジュはこの剣を使い人々を守る騎士としてまさに英雄のような活躍をしていた

そう・・・剣に込められているのはリンジュだけではなく人々の思いも込められているのだ



(・・・爺ちゃん・・・俺・・・必ずこの剣に見合うだけの男になってみせる・・・!)



村のみんなとの別れをすませたシンは王都へと向かった

王都への道のりはかなり長いがそれでも騎士を目指す彼には辛くはなかった

「・・・確かここからは爺ちゃんとの修行でも来なかったよな・・・」

そしていよいよシンは自分が来た事のない外の世界へと足を踏み入れる

「おぉぉぉぉ・・・!」

外の世界はシンが思っていた以上に広大で彼はその広さに感動していた

「これが・・・爺ちゃんが守ってきた世界か・・・!」

それと同時に彼は自分の祖父がどれほど偉大な人だったのか改めて実感もしていた

再び王都に向かおうと歩いていると何やら向こうの方が騒がしいのに気がついた

急いでその場に向かうとそこには何かに怯えて逃げている人々の姿があった

「一体何があったんですか?!」

シンは逃げてきた人達に一体何があったのかを尋ねる

「魔物だ!魔物が現れて襲いかかってきたんだ!!」

何とその人達は突如として現れた魔物に怯えて逃げていたのだ

それを聞いたシンは急いでその魔物が現れたと言われる場所に向かった

するとそこには小さいながらも魔法を使って人々を追いかける怪物の姿があった

「っ!させるかぁぁぁぁぁ!!」

シンは剣を抜いて魔物を切り捨て追われていた人達を助ける

「逃げてください!ここは俺が食い止めます!!」

そして自分を囮にして追われていた人々を逃す事にした

幸いな事に小さな魔物の使う魔法はそこまで威力の高いものではなく

それなりに武術を学んでいる者ならば十分に対処できるほどの強さだった

しかしどうやら事態は彼の考えたいた以上の事が起こっていたようだ

「なっ?!

全ての魔物を倒したシンの前に現れたのは何と人を超えた巨大な魔物だった

さすがのシンでもこれほどの魔物を倒す事は出来ず驚きで固まっていた時



『そこの君!伏せろ!!』



後ろから声が聞こえて急いで伏せると真上を何かが通った

それは巨大な槍でありそれは先ほどの魔物を貫いていた

「これって・・・もしかして?!」

シンは急いで後ろを振り返るとそこにはまさしく巨人と呼ばれる巨大な人形が立っていた



これこそがシンと巨人の初めての邂逅だった



『君!大丈夫か?!』

巨人はシンの元へと近づいてきて中から甲冑を身に纏った男の騎士が降りてきた

「はい!大丈夫です!まさか巨人が来てくれるとは思ってませんでした!」

シンは初めての巨人を見てとても感動している様子だった

「あははは!でも俺が乗っているのは下級の巨人なんだけどね・・・」

男の騎士は自分が巨人に乗っていても偉くはないと謙遜していた

しかし実際は巨人に乗れる人間はかなり少ないと言われている

その理由は簡単で巨人は乗り手を選ぶからだ

巨人に乗り込んだ時に巨人に組み込まれている魔法使いの力が込められた石である

魔法石が反応し自身と波長の合った者を乗り手として選ぶと言われているのだ

しかもそれは複数の魔法が込められている魔法石ほど難しくなり

上級の巨人に選ばれたものなどこの世界に百人はいないと言われているほど少ない

故にたとえ下級の巨人であろうとも乗れる時点でその人は尊敬の的になっている

「そんな事ないですよ!俺の爺ちゃんが言ってました!巨人に乗れる人間はほんのわずかで

 乗り手となった者は例外なく大変名誉な役どころにつく事が多いって!!」

もちろんシンはその事を亡き祖父から全て聞いており

謙遜する男の騎士にそんな事はないと尊敬の眼差しを向けていた

「へぇ〜!それを知ってるって事は君のお祖父さんは騎士だったんだね!

 そっか!もうすぐ騎士の入隊試験が王都で開催させるんだった!

 もしかして君はそれに出る為にここへやってきたのかい?」

男の騎士はシンの祖父が騎士だったのだと気づいた瞬間にシンの目的についても理解した

「はい!俺は爺ちゃんみたいな立派な騎士になるのが夢なんです!!」

シンは自分の夢が立派な騎士になる事だと告げると

何故か男の騎士は難しい顔をして頭をかいていた

「・・・えっと・・・・悪いんだけど・・・

 その試験って推薦状がないと受けられないんだよね・・・」



「・・・えっ?」

さすがのシンもそこまでの事は聞いておらずまさしく完全に思考が止まってしまった

「まぁ国を守る仕事だからそれなりに安心できる人物じゃないとダメだからさ・・・

 だから今の騎士団に所属する人間が認めた者じゃないと参加できない事になったんだ・・・」

どうやらシンの祖父が現役だった時代とは違い

今の騎士団は安全を考慮して

現役の騎士が認めた者以外は試験を受けられないようになっているらしい

「そんな・・・それじゃあ俺は何の為に・・・」

あまりの現実を受け止められないシンを見かねたのか男の騎士が何かを閃いた

「そうだ!それなら俺が君の推薦状を書いてあげるよ!」

それはシンの推薦状を自分が書くというものだった

「えっ?本当にいいんですか?こんな見ず知らずの人間に渡して・・・」

これはシンにとってはありがたい申し出だったのだが素直に受け取れなかった

その理由は先ほどあった自分をあまりにも信用してもらいすぎだと思ったからだ

しかし男の騎士にとっては初めて会ったばかりのシンを信用できる理由があった

「確かに君と会ったのはこれが初めてだしよく知らないけど・・・

 でも・・・これだけはハッキリと分かる・・・君は騎士になる為の素質を持っている!」

そう・・・シンは騎士にとって最も大切である人を守るという意思

それを持っていたからこそ男の騎士は推薦状を渡したいと思ったのだ

男の騎士はすぐさまその場で推薦状を書いてシンに手渡す

「これを持って王都の城に向かいなさい!君の入隊を心から待っているよ!」

シンはそれに対して大きく返事をしてその騎士と別れて再び道を歩き出した

そしてそれからしばらく歩いて次の日の朝

「着いた・・・!ここが王都・・・!

 爺ちゃんの原点・・・そして俺の夢が始まる場所だ・・・!!」






しかしこの時のシンはまだ知らなかった・・・

この世界では今まさにとてつもない陰謀が動き始めているという事を・・・

そして彼は出会うだろう・・・自らの運命を変える者と・・・!

次回から本格的に物語が進んでいきます!

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