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絆創膏の結婚指輪

作者: 葉波都湖

同じ職場で出会った先輩の貴方は最初の印象は最悪だった。


随分素っ気無い人だと感じた。


一緒に過ごすうちに本当は面倒見の良い人だとわかってきた。


爪先が一瞬触れただけで全身の意識がそこに集中した。


時が経つ度に偶然身体が接触する機会が増えた。


その度に触れた部分に意識が集中してしまう。


ある時、私が左手の薬指を切った際、優しい貴方は私に絆創膏を貼ってくれようとしたけど、自分で貼ると断ってしまった。


正直本当は貼って貰いたかったけど、左手の薬指と言う事で結婚指輪をイメージしてしまったから、恥ずかしくなって咄嗟に断ってしまった。


普段は職場で私語はあまり話さないけど、思い切って質問してみた。


「長男ですか?」と。


貴方は微笑みながら答えた。


「わかる?妹がいるんだ」と。


他愛の無い会話を少しして、作業を再開した。


仕事を終えて自宅に帰宅したら、すぐに絆創膏を外した。


このときめく気持ちはこれ以上発展する事は断じて有り得ない。


私には大事な夫と子供が居るから、疑似恋愛体験は家庭には持ち込みたくないし、職場で不純な感情を抱きながら働いてる事を家族に知られたくない。


中学生の頃の様な甘酸っぱくてほろ苦い片想いは永遠に私の中だけに留めておこうと思う。









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