表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

91/100

77話 天使侵略3日目


 「えっ?」


 サナは自身の叩きだした異常なダメージに驚き動きを止めてしまった。なにせ600万ダメージをたった一撃で出したのだ。無理もない。


 「えっと……か、勝ったよ~?」


 「「「「「お前どんな攻撃力だよバケモノか!!!」」」」」


 周囲からの総ツッコミを受けながらそそくさとレンとガリルの下に戻ったサナはひっそりとスキルの検証を始めた。だがらといって注目が集まらないとは限らないわけで、多くのプレイヤーがそれを眺めるのだが、ガリルが威圧した瞬間蜘蛛の子を散らすように去っていった。


 「あ、このスキル面白そう」


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


 種族固有スキル【庇護】


 動物や物質を庇護し、加護を与え自身の格を高める。


 加護(小):付与数無限。加護を得た存在の全ステータスが10%上昇する。


 加護(中):付与数上限1000。庇護者に関連するスキルを加護保持中のみ1つ獲得し、全ステータスが30%上昇する。


 加護(大):付与数上限100。庇護者に関連するスキルを加護保持中のみ3つ獲得し、全ステータスが50%上昇する。


 寵愛:付与数上限12。寵愛を受けた存在の全ステータスが2倍。寵愛を得ている間、全スキルが一段階進化する。


 ・加護を与えられた存在は定期的に一定の供物を捧げなければならない。

 ・寵愛を受けている存在は寵愛主の殺害以外全てにおいて完全な自由が保障される。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


 面白いどころかぶっ壊れである。多少の代償があるが加護はメリットが絶大に大きい。故に加護を得ようとする者は多く、反面とても数が少ない。理由として加護を得る前提として庇護者に気に入られなくてはならないからだ。庇護スキルを持つのは最低でも『神種』であり、その存在に出会うことも稀なのだ。


 「ねえガリル~【寵愛】受けっとって~。レンも~」


 「…………了解だ」


 「貰えるなら貰うけど……なんか官能的な響きだね。その言い方」


 そんな加護を中でも絶大な寵愛を軽々しく渡したサナは他の仲間も呼びあっさりと寵愛を5枠使用した。


 《条件『【寵愛】を5枠使用する』を達成しました。脳波分析により相互の好感度が一定を超えている事を確認しました。新たな種族固有スキル【能力収束】を獲得しました》


 《被寵愛者と庇護者にスキル【能力接続(スキルコネクト)】が付与されます》


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


 能力収束


 自身が寵愛を授けた存在の能力を一時的に使用できる。


 能力接続(スキルコネクト)


 同一スキルを持つ存在と共に使用することにより、次に発動させるスキルの効果が変異する。組み合わせによっては絶大な効果を発揮することが出来る。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


 「うわ……エグ……」


 「神化してたことにツッコミどころしかないけど、お姉ちゃんいつの間にか変な事してるよね?」


 「えっ……酷くない?まあでもほら!!早速スキル試してみようよ!」


 ユズにまで遂におかしいと言われたサナは無理矢理話を逸らそうとする。サナ自身も何故こうなったのか良くわかっていないのだ。


 「はあ……後でちゃんと話を聞かせてね?お姉ちゃん。でもこのスキルは面白いことができそうかも」


 「あ、でも久しぶりにメンバー揃ったから一人ずつ成長の成果を見せようよ」


 「お~いいね!じゃあ他の町の天使で試そうか!」


 シズの提案で目的地が決まったサナたちは早速歩き出した……訳ではなく、サナに龍になったサナに乗って行くことになった。


 「よ~しやりますか~【神龍化】!」


 その瞬間サナの身体が輝きだし、身体が大きくなっていく。10秒ほどで龍の姿になったサナは地に伏してシズたちを背に乗せた。


 「【自在飛翔】」


 そしてそのまま勢いよく飛び立った。空を駆けるサナはあっという間に雲を抜け広大な雲海の上で上昇を止めた。


 「あっという間だね。飛行できるっていいね」


 「凄くいい景色です!」


 天使の侵略が始まってから久々のゆったりとした時間にまだ初心者のモミジが嬉しそうに歓声を上げた。幸いにもこのメンバーの中に高所恐怖症を患っている者はいないようで、各々が空の景色を楽しんでいる。


 「にしても【寵愛】の効果って凄いね。しばらく敵無しなんじゃないかって位強くなってるよ」


 「そうなんだ。後で見せてくれないかな……って危なっ!!」


 だが、そんな時間も束の間。突然サナに風の魔術が飛んできた。身をよじって躱そうとしたが避けきれず着弾しようとした瞬間一閃の斬撃に散らされた。


 「風剣技―――【風切】!……まったく、天使もしつこいねぇ」


 シズはため息を吐きながら如月を担ぐ。周囲はあっという間に天使に囲まれてた。中には上位天使もいるようでサナを除いた5人には足場が無いため不利な立場だ。本来なら。


 「【重力操作】、【次元斬】」


 「【空間跳躍】、炎剣技【寒緋桜・花吹雪】」


 「式神武装【黒天羽翼】、【墜撃の呪い】」


 「精霊武装【聖風剛翼】、精霊魔術【烈風斬破】」


 「飛べないけど……【九尾の妖炎】」


 「もうここで実験だー!【風化侵食】」


 相手が悪すぎた。サナ一行を囲んでいた天使達はそれぞれ回避不可の斬撃、死の剣舞、呪い、不可視の風の斬撃、業火の炎、滅びの風に散らされていった。


 《ガリルのレベルが100になりました!転生が可能になりました》


 《シズのレベルが99になりました!》


 《ユズのレベルが98になりました!》


 《レンのレベルが98になりました!》


 《モミジのレベルが96になりました!》


 《サナのレベルが2になりました!》


 通知が鳴りパーティーメンバーのレベルアップを知らせる。その中でガリルのレベルがカンストしていた。サナがガリルの方を見ると滅神刀・奈落を納めたガリルが中に浮いたまま佇んでいた。


 「あ、ガリル転生できるじゃん。輪廻の果実持ってる?」


 「いや、いらないな(・・・・・)。どうせなら魔術で転生するさ」


 サナの問いかけに若干ズレたような返事を返すガリル。その言葉に一同が脳内に沢山の疑問符を浮かべたが次の瞬間にはその答えが出た。


 「―――【転生進化】」


 「「「「「えええええぇぇぇええぇえぇえええ!!!!????」」」」」


 ガリルが魔術(・・)で転生を行ったのだ。実はガリル、暇さえ見つければOMOにログインし図書館衣引き籠って大量の魔術書を読み漁っていたのだ。さらにモンスターのみが扱う魔術を見るためにダンジョン攻略を行っていたのだ。ガリルは一度熱が入るととことんやり込むガチ勢派で、今や魔術で世界法則の再現を行えるほどになったのだ。


 《創造神が驚愕しました》


 《闇神が興味を持ちました。加護を授けます―――拒否しました。闇神が激昂し敵対関係になりました》


 《ガリルが加護及び称号の受け取りを拒絶しました。創造神と魔術神を除く全ての神と敵対関係になりました》


 《創造神の権限により称号【反逆者】を獲得しました》


 《転生が開始されました。自家開催のため全ての選択の自由度が飛躍的に上昇します》


 「ちょっ!?ガリルさん!?なんかメッチャ怒ってるんだけど!?これホントに大丈夫!?」


 その結果を見た神々はガリルに加護を与えようとしたが、全てガリルは拒否し一瞬で殆どの神と敵対してしまったのだ。これにはサナも自分がいつも滅茶苦茶にやっていることを棚に上げて心配しだしたのだった。


        ※


 《種族が選択されました。再度人間に転生します……【白幸龍の寵愛】の隠れ効果が発動しました。白幸龍の眷属として生を受けます》


 《新規種族固有スキル【超多重詠唱】、【偽神化】を獲得しました》


 《スキル【停滞】を超進化…………ユニークスキル【万象停止】を獲得しました》


 《ユニークスキル【冥人(クロード)】に【死神の衣】と【霊装展開】を吸収させました。【極闇の衣】が【冥府の衣】に進化しました》


 《【七星滅刃】と【次元斬】、聖魔両刀の性質を統合し新たにエクストラスキル【千変万化】、【次元断】を獲得しました》


 《ユニークスキル【冥人(クロード)】にユニークスキル【万象停止】を吸収させました》


 《ステータスが再設定されます…………LUKが削除されました…………完了》


 《転生が完了しました》

結城 蓮です。


この作品が面白いと思ったらブックマーク登録や評価をよろしくお願いします。


▽ Twitter

https://twitter.com/oM_REN_Mo


また次回会いましょう。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ