63話 シズ、闘技大会に出場する。
「最近サナが強くなりすぎてる気がする」
私はそう呟きながらさてどうしたものかと思案する。私もレベルがそこそこに上がって強くなったつもりだったけど、サナの作るアイテムと武器でまだまだ足りないけど思い知らされる。
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名前 シズ Lv91/100
職業:忍者
クリティカル率:30%
ステータスポイント 80→0
スキルポイント 810→0
生命 1100(+100)/1000(+100)
↓
4100(+100)/4100(+100)
MP 1200(+200)/1200(+200)
↓
2700(+200)/2700(+200)
基礎値/加算値
STR 60→1000/290→920
VIT 40→300/60→780
DEX 10→150/60
INT 150/60→140
LUK 0/0
AGI 60→1000/210→710
スキル
加速5→10→超加速1→10→俊足1→10→神速1→10→超神速、
攻撃強化3→10→怪力1→10→剛力1→10→超剛力、
防御強化1→10→頑強1→10→堅牢1→10→超堅牢、
(火魔術Lv1→5)+(風魔術1→5)+(妖術Lv5)+(属性剣Lv7→10)→豪炎剣
刀術8→10→聖刀術1→6、剣技、疾風+流水→体術【霞】、炎剣技、
不屈+不退転→不倒健在、
連帯攻撃→超連鎖、
ゴブリンキラー
超神速:光の如き速度まで加速できる。AGIにボーナスが付く。
超剛力:鬼神の様な力を発揮できる。STRにボーナスが付く。
超堅牢:緋緋色金の如き強靭さを得る。VITにボーナスが付く。
豪炎剣:剣、刀に烈火の炎を纏う。MP消費:50/分
聖刀術:魔を払うための刀術。攻撃に聖属性を付与できる。
体術【霞】:攻撃ではなく回避、いなすことに重点を置かれた体術。回避、いなし後に強烈なカウンターを放てる。カウンター時STR+150%。
不倒健在:自陣営、または保有者が対敵した際総数またはレベルが相手に軍配が上がる場合VIT+1000。また、一日一回死亡するような現象が起きた場合HP1で耐える。
超連鎖:キル時相手がパーティー、または結託していた場合その中のランダム10名に与えていたダメージの半分の固定ダメージを与える。その固定ダメージでキルした場合その半分の固定ダメージを10名に与え、死亡者が出なくなるまで繰り返し継続する。
装備
頭:朧の組紐・炎印(STR+60)
↓
炎剣帝の組紐(STR+200)
体:朧の武服・炎印(STR+60VIT+20)【存在完全隠蔽】
↓
炎剣帝の武衣(STR+200VIT+160)【炎剣帝の威光/存在完全隠蔽】
腕:朧の篭手・炎印(STR+60VIT+20)
↓
炎剣帝の籠手(STR+200VIT+160)
足:朧の草鞋・炎印(STR+60)
↓
炎剣帝の草鞋(AGI+200)
刀:如月(DEX+60)【朧霞】
副装備:術媒介の術符・炎印(INT+60)
↓
炎剣帝の術符(INT+200)
日光の直刀→陽光(クリティカル率+10→30%)【白日】
炎剣帝の威光/存在完全隠蔽:強者故に目立つが味方のステータスを50%上昇させる。効果を切れば【存在完全隠蔽】に戻る。
称号
暗殺者、不屈の剣士、炎剣技の開祖
勲章
真・炎剣士→炎剣帝
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ステータスを見てため息をつくシズだが、一般的に見れば十分な強さを誇るのだが、本人は知らない。いい方向に育ったスキル群とそれを十全にいかしたシズは今のところ負けなしなのだ。
中でも超連鎖は倒した個体に自身が倒すまでに与えたダメージの半分の固定ダメージを与えるため、状況次第では大きな殲滅力になる。
それに知名度もあり、故郷で活動していた時期にはプレイヤー間で『単騎の軍勢』と畏怖の意味を込めて密かに呼ばれるほどの実力者であり、悩む必要は皆無なのだが、規格外の主人と比べたらと考えてしまうのでキリがない。だが、機転が訪れる。
《プレイヤーでの闘技大会をこれより空中大都市にてエントリーを開始します。エントリー期限は一時間です。優勝景品はスキルとプレイヤー運営ショップ『喫茶スバル』の無料券を贈呈いたします》
それは天空大都市に密かに実装されたシステムでプレイヤーが景品を定めプレイヤーを競い合わせる闘技場が新たに追加されたのだ。これはライバルのスキルを堂々と見ることのできるイベントで戦闘を楽しむ以外にもかなり重要な役割を果たすシステムなのだ。
「やろう。やるしかない」
ちょうど行き詰っていたシズにはちょうど良くありがたい限りなのだった。そう、決してスターの店の無料券に目が眩んだ訳ではないのだ。断じて。
やることが決まったシズは物凄い速度で天空大都市への転移陣に駆け付け転移する。転移が終了するとやはり物凄い速度でエントリーを完了させる。周囲のプレイヤーは風のように駆けていった謎のプレイヤーにただただ困惑していたがすぐに気を取り直して次々とエントリーを済ませていくのだった。
※
『さあ始まってまいりました!!会場はすでに熱気に包まれております!!実況は私フレイ・サンドラがお送りしています!!今回の優勝賞品はスキルメモリーと喫茶スバルの無料券だー!!血気盛んな男どもが人気カフェの無料券で本気になった女たちに気圧されています!!今日は大きく盛り上がっていきましょう!!第一回戦、卍ゴクドー卍対シズだー!!』
ノリノリの実況の煽りで闘技場内でのボルテージがみるみる上昇していく。彼女はプレイヤーにして珍しい完全非戦闘職の【記者】と【観察者】の上位職見聞きしたことを自在に文章に起こし真実を伝える希少職の【小説家】であり、自身よりレベルが高いプレイヤーではない限りその能力全てを丸裸にできる。ある意味敵に回せば恐ろしい存在である。今回の実況は彼女が細かい状況を分かりやすい言葉で解説しながら盛り上げることが得意であったことと、他プレイヤーの能力を覗くために状況として立候補したのだった。
そして、二人のプレイヤーが現れた。東にシズ、西に卍ゴクドー卍という構図だ。両者ともにいつでも戦えるよう身構えながら開始の合図を待つ。
『選手が入場しました!!東に控えるはヒノクニからラスタドールにやってきた忍者シズだー!!腰に差した二振りの刀は侍を連想させる!!そろそろ転職しないのか~い?炎の忍者ここに見参だー!!』
フレイの紹介に大きな歓声と笑いがおきる。シズも若干そのことを気にしていたので微妙な顔になったが会場は盛り上がる一方だ。
『続きまして西に控えるゴクドーっ!!全て己が力でねじ伏せる極悪非道、無慈悲!!喧嘩は何でもアリの絶対ルールでモンスターを葬り去っていた強者だー!!ついたあだ名は【無慈悲のゴクドー】っ!!今ここに君臨しましたー!!両者共に準備が整ったようです。では第一回戦スタートだー!!』
大きく撞鐘の音がなり試合開始の合図を告げた。同時に二人は動き出し互いに獲物を抜き放った。シズはいつも通り如月と陽光を、ゴクドーは巨大なハンマーをそのまま攻撃に移る。余談だが闘技大会ではプレイヤーは全員レベル50で統一されステータスが制限される。スキルの熟練度は制限されないがかなりの接戦になることが基本になる。
ゴクドーの攻撃に振ったステータスの恩恵を受けたハンマーの打撃がシズに迫る。単純な力に任せただけの一撃だがゴクドーが考えなしに攻撃したのではない。当たれば即死しなくとも無視できないダメージが入り、交わされても彼の持つ【インパクト】スキルを発動させて不意を衝く。インパクトは【槌戦士】の基本スキルだが彼はステータス補助スキルを数多く保有しておりただのインパクトが必殺の一撃にあたる程の強さを誇っていた。故にただ真っ直ぐに向かってくるシズへの勝利を確信して叩きつける。
「【豪炎剣】、炎剣技……【狂乱・鳳仙火】!!」
だが、二振りの刀に豪炎を纏わせたシズの連撃がゴクドーのハンマーを破壊した。そしてその勢いのまま首を刎ね心臓を突き焼いた。ゴクドーのHPは全損しその体を光に変える。ゴクドーは目を見開いてとても信じられないと言った表情で消えていった。そして場外でデスペナルティ―を受けずに蘇生した。
『き、決まったーーっ!!ゴクドー選手の強烈な一撃を武器の破壊で回避し反撃の超連撃で一瞬にして体力を削り切ったーーっ!!私は目で追うのがやっとでしたが後日リプレイを公開します!!第一回戦、勝者は―――シズだーーーっ!!!』
フレイの熱い実況も伴って大きな歓声が闘技場に満たされる。中では賭博をしていた者たちも少なくないようで一部では喜びと悔し気な声も混じっていた。シズは控室に戻り次の出番を待つ。
こうして後に闘技王という称号が実施されその栄誉を求めて競う第一回の闘技大会が始まったのだった。
結城蓮です。
遅れてすいません。これから少しシズの闘技大会編になります。
多分5~10話くらい。
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また次回会いましょう。