表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

45/100

41話 その暗殺者魔術の世界に降り立つ2


 さて、魔術が問題なく習得できることも判明したため、次は弓術に関する本を読もうと思う。


 「タイトルは……『射法大百科』か……ひとまず読んでみよう」


           ※

 《『射法大百科』を読破しました。これにより各射術の必要熟練度が低下し射術スキルを獲得しやすくなりました。》

 次は剣術だな。


 《『短剣においての失敗しない立ち回り方』『固定観念に囚われないバトルナイフの使い方』を読破しました。短剣術の必要熟練度が低下し短剣スキルを獲得しやすくなりました。》


 次に体術。


 《『必読!受け身のとり方』『入り組んだ地形で戦うための身体の育て方』を読破しました。必要熟練度が低下し体術スキルを習得しやすくなりました。》


 最後に野草学


 《『植物図鑑【全】』『毒の書』を読破しました。スキル【野草知識】【毒知識】を獲得しました。》


 「よし、これで必要になりそうな本はすべて読めたな。今はもうここには用は―――ん?あの本は……」


 近寄ってみて見れば古ぼけた本に『世界の神話』と銘のついた本を見つけた。


 「これは……読む必要がありそうだな」


 無駄だと思うだろうが俺は神話には目がない。ゲームの中で、しかもどれだけ分厚くとも読みたくはなるのだ。


 「暫く攻略は後回しになるな」


           ※


 「かれこれ30分も読み込んでしまったが……悔いはない。さて、今日のところは弓関連のスキルを取ってしまおう」


 俺は矢をいくつか買い初心者の森へ歩みを進めた。


 今回習得するスキルは【狙撃】、【散射】だ。効果は文字の通り、狙撃が遠距離攻撃をするため、散射が銃などで言う拡散弾に該当するものだな。


 獲得条件は余り確かではないが、狙撃に関しては当てはある。


 「グギャ!ギャギャ!」


 よし、ゴブリンを発見。まだこちらには気づいていない。呑気に欠伸までしているな。


 ひとまず離れたところで射れば獲得できるだろう。今は軽く200mほど離れて狙撃してみよう。


 「【遠視】、【集中】」


 【集中】はその名の通り集中して命中率などを上昇させるスキルだ。今回ステータスを振っていない俺はまともに矢を当てることは難しいだろうから用意した能力だ。


 まあ、GBO時代の感覚も使えばどうにでもなりそうだがな。


 矢を放つと思いの外弾速が出た。感覚で言えば目の前に一般人が放った拳が目の前を過ぎたような感覚だ。


 分かりにくいとは思うだろうがその程度だ。そして放った矢は見事気の緩み切ったゴブリンの首筋に着弾しゴブリンのHPバーを消し飛ばした。


 そして、今までならば光となって消えるはずのゴブリンは地に伏し物言わぬ死体になった。


 《アップデートによりモンスターが死体として残るようになりました。【剥ぎ取る】行為で素材を回収出来ます。尚、アイテムはアイテムポーチに収納されます。収納数には限りがありますのでご注意ください。》


 俺はゴブリンに近付き剥ぎ取りを行う。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


 ゴブリンの角×2

 ゴブリンの魔石【小】×1


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


どうやら討伐までの経緯で獲得できる素材が変わるようだ。


 今回は首筋に矢が着弾したため、素材を無駄にすることなく獲得できた様だ。


 アイテムポーチを確認するとしっかり素材が入っていた。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


 アイテムポーチ 収納量10


 ・ゴブリンの角×2

 ・ゴブリンの魔石【小】×1

 ・

 ・

 ・

 ・

 ・

 ・

 ・

 ・


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


 1つの欄に1種類のアイテムが収納できる様だ。つまり持ち運べる数はまだ未知数だが10種類は持ち運べるみたいだ。


 さて、次の獲物だ。


 「ギチギチギチッ!」


 これは……フォレスト・スパイダーだな。少し近すぎる離れなければ。


 「【加速】」


 加速を発動させた途端俺の体がもの凄い速度で加速した。発動時間をかなり短くしたが、そのせいというか、お陰というか瞬間的に最高速を出せたおかげで、慣性の法則に従って50mは余分に走ることができた。


 加速、優秀だ。さて、次はやつを仕留めなければ。


 そう言えば、このスキル武器を持っていれば剣などの攻撃まで加速が影響するらしいのだが弓矢はどうだろうか?試す価値がありそうだ。


 「【遠視】【集中】……【加速】」


 狙いを定め、矢を放つ放った瞬間に加速を使用する。何せ0,1秒しか発動しないのだ。かなり難しいができない訳ではない。さて、結果は―――


 先程より遥かに早い速度でフォレスト・スパイダーの眉間(?)に着弾した矢はフォレスト・スパイダーの胴体を貫通してHPバーを空にした。


 《スキル【狙撃】、【貫通】を獲得しました》


 スキルも獲得できたが、嬉しい誤算に【貫通】も獲得できた。


 次に剥ぎ取りを済ませ、矢の残数を確認する。初期の10本に購入した10本から2本引いて……18本。まだまだ行けるが5本は残して考えて13本。


 よし、次は【散射】だな。


 問題はこのスキルだ。習得の手順によると―――


 〈矢を射る前にMPを消費し、矢が増えるイメージを持ちながら矢を射る〉


 と言うひどく曖昧なものだったのだ。


 俺が予想するのはMPを擬似的な矢にして増やすというものだと解釈したが、それは試さなければ分からない。これには相手が居なくとも獲得できそうだが、素材等も欲しいのでモンスター相手に行う。


 「ギャギャッ!」


 相手はゴブリンの様だ。では早速MPを10消費してから矢を引き絞る。


 そして矢が分裂して(・・・・・・)拡散弾の様に(・・・・・・)広がる(・・・)光景をイメージして、矢を放つ。


 すると、俺とゴブリンの中間地点まで矢が飛んだ所で拡散しゴブリンに3本近い矢が突き刺さった。


 肩、太もも、首筋に被弾し死体に変わったゴブリンだが、首筋に矢が着弾した時が最もダメージが多かった。これはゴブリンの弱点では無いだろうか。


 そして、スキル獲得通知が来る。


 《スキル【拡散弾】を獲得しました。また【拡散弾】を獲得したことにより下位スキル【散射】の習得が不可能になりました。》


 む?散射ではないだと?


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


 拡散弾Lv1


 MPを消費し、擬似的な散弾と化する。弓に限定せず、対象に『放つ』というプロセスを挟んだ場合任意に発動できる。


 尚、MP1消費につき1つ増える。レベル上昇で数が増える。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


 かなり有用な能力を意図せず手に入れる事ができたが、もし、この獲得法を応用すれば―――


 MPを5消費し矢を引き絞る。今度のイメージは『放つ対象に自身の力を繋げる糸をつなぎ、自在に操る』だ。このイメージで重要なことは方向性を決めることだけであって、推進力には何もしない事だ。推進力まで操作しようなら無駄に疲弊するだろうしな。


 矢を放ち方向を力を流して変える様にイメージする。コマンドで言えば→←↑↓だろうかな。


 すると矢は綺麗に想像と寸分違わない動きをした。


 成功だ。


 《スキル【誘導】を獲得しました。また【誘導】を獲得したことにより下位スキル【曲射】の習得が不可能になりました。》


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


 誘導Lv1


 1つの方向に力の加わっている物体の方向性を操作する能力。


 MP1消費につき1回方向を変える。レベルアップで回数が増える。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


 この調子なら今日中に弓関連のスキルは獲得できそうだ。


           ※


 さて……これで、弓士としてそこそこに戦えるだろうな。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


 名前 ガリル 男 Lv1(5)/100


 ()の中は遅延の影響が無くなった際に到達するレベル。


 職業:弓士


 ステータスポイント(SP1) 50


 スキルポイント(SP2) 0


 生命 71/100


 MP 0/100


 STR 0


 VIT 0


 DEX 0


 INT 0


 LUK 0


 AGI 0


 スキル


 跳躍Lv1、加速Lv1、遠視Lv3、

 集中Lv3、遅延Lv4、加速Lv2、

 追撃

 〈NEW〉

 誘導Lv1、拡散弾Lv1、速射Lv1、

 連射Lv1、剛射Lv1、遠射Lv1、

 属性付与Lv1、状態異常付与Lv1、

 感覚強化Lv1


 速射:矢を放つまでの時間を短縮するスキル。


 連射:矢を連続で放つスキル。


 剛射:貫通力のない威力のみの矢を放つスキル。


 遠射:遠距離から矢を射るスキル。


 属性付与:MPを消費し、属性をまとった矢を作るスキル。


 状態異常付与:MPを消費し状態異常をまとった矢を作るスキル。


 感覚強化:五感を強化し察知能力や危機感知能力を強化するスキル。


 称号


 なし


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


 「後で熟練度も稼がなければな。幸い、本のお陰で必要な熟練度が少なく済むところが救いだな」


 俺は1度街に戻ることにしたのだった。

結城 蓮です。


これからまた少しずつ投稿数を増やしていこうと考えてます。余り期待はしないで欲しいですけど、週2回は出したいと思います。

面白いと思ったらブックマーク登録や評価をよろしくおねがいします。

また次回合いましょう。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ