37話 強い武器を作りたい!
魔界の出身者となって一ヶ月が経った。
もう、完全に赤い空を「普通」と捉えているサナは、新しいことに挑戦しようとしていた。
「鍛冶と裁縫を育てたい」
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名前 サナ 女 Lv20/100
職業:奇妙な商売人
副業:常闇の生産者
ステータスポイント 50
スキルポイント 50
生命 1200(+200)/1200(+200)
MP 1100(+100)/1100(+100)
STR 15(+15)→20(+20)
VIT 15(+15)→20(+20)
DEX 60(+45)→75(+60)
INT 165(+125)→180(+140)
LUK 230(+90)→260(+120)
AGI 125(+115)→130(+120)
※半減していた【魔女】の効果がもとに戻りました。
スキル
天眼Lv1、物質変質Lv1、錬金術Lv1→3、
幸運Lv4、逃走Lv6、料理Lv10
裁縫Lv1、鍛冶Lv8、道具作成Lv5
倉庫Lv1、地図作成、通話、奇想天外、魔導、
深淵食、免疫、
龍気Lv1、武器破壊、鑑定記録、
装備
頭:深淵のゴーグル
体:深淵のマント
腕:深淵の手袋【捕縛】
足:深淵のブーツ
杖:深淵の魔導書【深淵魔術】【魔術の記録】
副装備:なし
称号
魔女、脱兎、料理人、錬金術師、ドラゴンイーター
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折角生産職になったのに錬金術しか育てていないので他を育てようと思ったのだ。
深淵食に頼って鍛冶はLv8までいっているが、未だに何も作っていないからノーカウントという訳だ。
では早速作る―――訳にはいかず、準備がいる。
「材料の鉄は今から取りに行くとして、裁縫と鍛冶の道具を揃えないとね。」
そう、錬金王から制限されていた錬成もとい現在錬金術はスキルで壺を具現化していて能力が使えたが、この2つはそうはいかないようだ。
魔界の店で基礎道具は揃えないとスキルすら使えない。
「えーと、ショップは……あった。」
【雑貨亭ー悪魔の翼】
如何にも厨ニチックな店名の雑貨屋だったが、最寄りの店はここしかなかったので覚悟を決めて入店した。
「ごめんくださーい」
中は思いの外小綺麗だった。グラフィックはきれいに見えてかなり凝っており、棚の奥にも商品が見える。
少し見惚れていると奥から店主らしき筋骨隆々の禿頭の男が現れた。
「いらっしゃい…………おや、懐かしい…………いや気の所為だな……新規さんか」
「?ここは初めてですよ」
突然「懐かしい」という単語が飛び出てきて少し困惑したが何とか言葉を返す。
「あぁいや、気にしないでくれ。改めて、いらっしゃい」
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SHOP
アイテム
薬草 5G
ローポーション 10G
砥石 25G
携帯食料(1日分) 50G
携帯食料(5日分) 200G
簡易キャンプセット 1000G
キット
裁縫箱 500G
鍛冶具 500G
錬金具 500G
儀式具 1000G
農具 1000G
札(無)×100 1000G
その他
地権A(100m×100m) 10000G
残数×5
地権B(500m×500m) 50000G
残数×3
地権C(1Km×1Km) 100000G
残数×1
未鑑定のアイテム 10000G
残数×100
未鑑定の硬い石 10000G
残数×50
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「かなりいい品揃え……これを目指さないとね」
勉強になると呟きながら目当てのアイテムを買っていくのだった。
5分後。かなり(サナ的に)ワクワクするような品揃えの店でつい財布の紐が緩んでしまい3万あったサナの所持Gが1万をきってしまった。
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購入リザルト
裁縫具×1 500G
鍛冶具×1 500G
地権A×1 10000G
未鑑定のアイテム×1 10000G
計21000G
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ホクホク顔で帰ろうとしたときに商品の陳列棚の隅に見覚えのある品が置いてあった。それを見てサナは店主に声をかける。
「ねぇ、店主さん」
「なんだい?」
「あの手袋ってさ、何が特殊効果ついてる?」
サナが見た品、それは自身の【深淵の手袋】と色違いの手袋だった。
だが、形が全く同じだったから何かしら効果を持つと期待して店主に聞いたのだが―――
「いや、無いが……お前さん、もしかしてミュゼの親族かい?」
ただの見た目装備だった上に謎の人物の親族かと聞き返された。
「多分違うと思います。それにミュゼって?」
恐らく何かのイベントが発生してたのだろうが、サナは気付かない。この世界にのめり込んでいるのだ。
「人違いか……まぁでも何かの縁だ教えてやるよ」
少し残念そうにしていた店主が少し説明してくれた。
「ミュゼってのはな、この店の常連だったやつのことなんだが、変わった魔力の色をした奴なんだ」
「魔力の色?」
聞き慣れない単語に首を傾げるサナ。すると店主はすかさず教えてくれた。
「あぁ、お前は人間だから見えねぇのか。俺達魔界生まれは、魔力―――まぁ分かりやすく言うと、俺らで言う魔素、お前らで言うMPを操るためのオーラと言うか魔法みたいな力のことなんだが―――についている色を見分けることができるんだ」
「凄いね。で、なんで魔力の色が関係してるの?」
「ここからが本題だ。実はお前の魔力の色がミュゼとそっくりなんだ。怖いくらいにな。それにその手袋、それは見ての通りうちの商品だった物をミュゼが買っていったからなんだ」
それを聞いてサナは少し驚いた。
(じゃあ、ミュゼって人の装備が攻略特典で貰えたって事だよね……オリジナル装備ってもしかしてこういった縁に繋がってるのかな?)
「見たところ手袋に能力が宿っているところを見ると、神に認められて装備が進化したのかもな」
「え?装備って進化するの?」
「あぁ、どんな装備でも条件次第では進化して強くなるんだ。一番多いのは神に認められて力を授けられた時に同時に装備も進化するんだ」
新しい情報を手に入れてサナは「自分で作った装備が進化する」というロマンを見出していた。
「嬢ちゃんの装備はアイツの下がりだと思うが魔力の質が同じって程似通ってるからとても使いやすいと思うぞ」
「そうなんだ。じゃあ【捕縛】が高性能だったのはそのせいかなぁ……」
過去に見た説明で、本来は対象を拘束するための能力と記されていたが、これで納得がいった。だが、【捕縛】と聞いて店主の反応が変わった。
「【捕縛】だとっ……!嬢ちゃん、その装備の能力は【捕縛】なのかっ!?」
身を乗り出して迫る筋肉マッチョの禿頭に引きつつもそうだと告げると。
「そうか……そうだったか……教えてくれてありがとよ」
少し目に涙を滲ませて言うものだから何がどうしたのかと聞くと「ミュゼが死んだことに気が付けた」と訳のわからないことを教えてくれた。
※
暫くして店主が泣き止みサナはとある地への地図を渡された。
店主曰く「そこに行けば分かる」との事で詳しく教えてくれなかった。
そして店から出る際にもアイテムを渡された。何でもお礼なのだとか。断れなかったのでサナは素直に受け取ったが。
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スキルメモリー【超改造】
使用するとスキル【超改造】を習得できる。
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「結局断れなかったけど……使わせてもらおうっと」
《スキル【超改造】を獲得しました。これによりスキル【奇想天外】の効果【スキル改造】が発動しなくなりました。》
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名前 サナ 女 Lv20/100
職業:奇妙な商売人
副業:常闇の生産者
ステータスポイント 50
スキルポイント 50
生命 1200(+200)/1200(+200)
MP 1100(+100)/1100(+100)
STR 20(+20)
VIT 20(+20)
DEX 75(+60)
INT 180(+140)
LUK 260(+120)
AGI 130(+120)
スキル
天眼Lv1、物質変質Lv1、錬金術Lv3、
幸運Lv4、逃走Lv6、料理Lv10
裁縫Lv1、鍛冶Lv8、道具作成Lv5
倉庫Lv1、地図作成、通話、奇想天外、魔導、
深淵食、免疫、
龍気Lv1、超改造
装備
頭:深淵のゴーグル
体:深淵のマント
腕:深淵の手袋【捕縛】
足:深淵のブーツ
杖:深淵の魔導書【深淵魔術】【魔術の記録】
副装備:なし
称号
魔女、脱兎、料理人、錬金術師、ドラゴンイーター
超改造:自身のスキルや、装備のスキルを調整できる能力は十二ヶ月に一回のみ使用でき、スキルスロットからスキルを取り出すことも可能となる。
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「かなり凄いね……いいのかなこんな貴重な能力もらって……まぁでも、早速使わせてもらいます【超改造】!」
この能力は半年に一回しか使えないけど使い勝手はかなりいいみたい。今回は、能力をスッキリさせてみようと思う。
まずは深淵の魔導書から。
《【魔術の記録】の【魔導書作成】と【深淵魔術】、【魔術伝授】そして【魔導】を改造し新たな能力に昇華します……完了新たに【魔術符作成】を獲得。【深淵魔術】が【魔術の記録】に吸収されました》
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魔術の記録
かつて全ての魔術が収められていた魔導書。現在は損傷しており魔術全ては使用できない。
【魔術吸収】魔術を吸収し無害化し、MPへ還元する。余剰文はブックカバー中心の結晶に蓄えられる。
【魔術符作成】あらかじめ魔術の代償を払い自他共に使用できるアイテム、スペルカードを作り出す。
【復元】習得した魔術を元にかつての魔術を復元する。
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次は生産職必須の能力たち。
《【天眼】と【龍気Lv1】を改造し新たな能力に昇華します……完了。新たに【天龍眼Lv1】を獲得しました。》
《【奇想天外】と【鍛冶Lv8】、【道具作成Lv1】、【裁縫Lv1】、【料理Lv10】及び【スキルポイント50】を改造し新たな能力に昇華します……完了。新たなに特殊なスキルを作成しました。【総合鍛冶術Lv1】、【総合裁縫術Lv1】、【特殊道具作成Lv1】、【副装備作成Lv1】、【総合調理術Lv1】を獲得しました。》
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天龍眼:空を駆ける龍の瞳。龍のオーラを纏い、龍に対する優位性を得る。数多の本質を見抜き広大な視野を得る。※複合スキル
総合鍛冶術:既存の鍛冶技術に加え、複数の種類の性質を持った武具を作成できるようになる。
総合裁縫術:既存の裁縫技術に加え、性能をそのままに外見変更をすることが可能になる。
特殊道具作成:消費アイテムや、特殊属性を宿す消費アイテム、非消費アイテムの作成が可能になる。
副装備作成:主装備の補助装備を作成が可能になる。
総合調理術:既存の料理技術に加え、付与される追加効果を大きく跳ね上げることが可能になる。
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最後に錬金術関連を。
《【錬金術Lv3】と【物質変質Lv1】を改造し新たな能力に昇華します……完了。能力の変質により、■■■■■■の対象が消失。■■■■■■の対象を新たに設定できないため保留します…………新たに【生命錬成Lv1】、【薬物錬成Lv1】を獲得しました。》
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生命錬成:一定量の生命体の細胞、培養液などから新たな生命体を作り出す。
薬物錬成:錬金術の中でも特に薬物の生成に特化したスキル。
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これでステータスがまるっと変わってしまった……。
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名前 サナ 女 Lv20/100
職業:奇妙な商売人
副業:常闇の生産者
ステータスポイント 50
スキルポイント 0
生命 1200(+200)/1200(+200)
MP 1100(+100)/1100(+100)
STR 20(+20)
VIT 20(+20)
DEX 75(+60)
INT 180(+140)
LUK 260(+120)
AGI 130(+120)
スキル
天龍眼Lv1、生命錬成Lv1、薬物錬成Lv1
幸運Lv4、逃走Lv6、総合料理術Lv1
総合裁縫術Lv1、総合鍛冶術Lv8、
特殊道具作成Lv1、副装備作成Lv1
倉庫Lv1、地図作成、通話、
深淵食、免疫、超改造
装備
頭:深淵のゴーグル
体:深淵のマント
腕:深淵の手袋【捕縛】
足:深淵のブーツ
杖:深淵の魔導書【魔術の記録】
副装備:なし
称号
魔女、脱兎、料理人、錬金術師、ドラゴンイーター
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いやーー、またバグってきたかも……。
結城 蓮です。
タイトルと少しずれましたが暫く生産しているサナが続きます。
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また次回合いましょう。