21話 ボスに会ったけど……なんか弱い?
イベント開始から一時間。
サナは周囲のピースを片っ端から集めながらボスのいる平原の中心に向かっていた。
「見た感じ、多分ピースは全部集まらなくても良いっぽい。なんかパズルみたいだから多少穴開きでも大丈夫ではあるのかな」
考えながら歩くその後ろにはプレイヤー。
目立つプレイヤーには当然襲いかかってくるプレイヤーがいる。サナも例外ではなかった。
「うおりゃあ!【ヘビースタンプ】!!」
巨大な鎚を持った巨漢が勢いよく叩きつけてくるが―――
「鑑定……はあっ!」
呆気なく武器を破壊され、そのまま急所へ包丁が突き刺され光になった。
《スキル「武器破壊」を獲得しました》
「あ、新しいスキルだ。見てみようっと」
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武器破壊
取得条件:100回以上武器を破壊する。
効果:武器に与えるダメージの増加。破壊した際にSTR+10。最大25回。
※パッシブスキル
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「結構使いやすそう。これで攻撃力は問題なくなったね」
そしてボスのいる場所までやってきた。
この平原のボスはゴーレム型。先に尊い犠牲により武器を無限と言えるほど取り出していたそうだ。
サナは知る由もないが。
ボスが動く。ボスは大量の武器を取り出しサナに向けて投げつけてきた。ほとんどが槍、斧などだ。
だか……
「ちょうど試せるや、鑑定……やあぁぁあ!」
飛んでくる武器の中自分に当たりそうなものだけを【解体包丁】で破壊していく。
全て破壊はできないが、叩き落としたり弾いたりして無傷で済ました。
そして武器破壊の効果でSTRが上昇していく。
さらに落とした武器も破壊し、さらにバフが掛かる。
「―――パワーアップ」
そして魔術でさらに上昇したSTRでボスを力いっぱい殴った。
運のいいことに、ボスにとっては悪いことに幸運のスキルが発動しクリティカルヒットを叩き出した。
それに耐えられるはずもなくボスのゴーレムは一撃で光に変わりドロップ品を残して消えた。
「なんか弱かったな。私も強くなったかな?」
誰も答える者はいないと知ってながらも呟いた言葉を近くに隠れていて聞いていたプレイヤーがいたが、
「アレが弱いはずないだろ……そしてお前は異常だろ」
と思わず返し、サナに葬られたのは仕方のないことだった。
結城 蓮です。
眠いですね。あとなんとか書籍化したい。
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また次回合いましょう。