15話 元βプレイヤー存在が薄くなる。
私が地下室に入るとまるで、と言うよりまんま迷路の様な通路が広がっていた。所々不死性魔物のうめき声が聞こえる。
多分地下室では一切魔物に遭遇しないことが必要になってるんだと思う。
なぜなら、この「暗殺者」の称号の効果が
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暗殺者
獲得条件:モンスター、プレイヤーに発見されていない状態で50回殺害する。
効果:モンスターからの発見をされにくくなる。
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と言うものだから。
さらにここには障害物が多いから奇襲、潜伏を目的にした場所だと言っているみたいなものだし。
「さて……レベルのためにもここのモンスター全部殺っちゃおうかな」
そう呟いて私は駆け出した。
※
30分後。地下一階を突破した私はステータスを利用した上からの奇襲や幻覚で10体ほどの不死性魔物を片付けた。
狭い地下室だから刀は振るえない、だから私が取った方法は関節技。
方法は簡単、高いSTRで目を隠した不死性魔物の首やら胴体を折りまくった。
その際にHPが消し飛び倒せたわけ。
あとこの装備の通り忍者らしく適当に落ちてた短刀で暗殺。
そんなことを繰り返すうちにボス部屋にたどり着いた。
中で待ち構えていたのは二股尻尾幼狐。
「まるで日本そのままだね」
まずキュウビは青い炎を飛ばしてくる。プレイヤーで使ってるのは見たことないけど、妖術ってやつかな?
避けながら魔術での相殺を狙ってみる。
「【ファイアボール】!」
放たれたファイアボールと青い炎がぶつかり互いの性質を打ち消して消滅した。
性質の異なる術だから同じ炎系統の魔術で相殺ができたのだと思う。
その間に私はキュウビに肉薄する。
「やあっ!」
朧霞の直刀《真打》でキュウビを斬りつける。
剣技のスキルを持ってないし、武器の心得のスキルはまだ攻撃した回数が少ないから持ってない。
でもSTRで押し切る。
キュウビのHPが3割削られる。
特別私の攻撃力が高いわけではない。この朧霞の直刀《真打》が高い攻撃力を備えているのだ。
キュウビの行動が変化する。炎の妖術の応用だと思われし蒸気が発生し始めた。
恐らく目眩ましだろう。だが、今回は相手が悪かった。
シズの装備は幻覚系統に属する装備であり、目眩ましなどあってないようなものである。
「目眩ましね……ならこっちは本当の幻覚を見せてあげるよ。【朧霞】!」
途端にシズの輪郭が振れ、シズが3人になる。
3人のシズは分散しキュウビに肉薄する。シズの三条の剣閃がキュウビを切り―――裂かなかった。
キュウビは奥の手の1つ妖術―――幻妖炎竜巻を発動させ自身の周囲を焼き払ったのだ。
当然攻撃に回っていたシズに躱せる訳がなく、幻妖炎竜巻がシズの幻覚3体を消し去った。
「甘いね。ハッ!」
そしてキュウビの背後から現れたシズはキュウビを斬り伏せ葬り去った。
《スキル、「剣術」「刀の心得」を獲得しました。》
《レベルアップしました。Lv10→12》
シズはアナウンスを聞き流しながらドロップアイテムを確認する。
・妖狐の小爪×1
・妖術の巻物×1《レア》
「なんか取れたな……妖術の巻物?」
そう言ってシズはアイテムを確認する。
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妖術の巻物
妖術の式が記された巻物。読めば妖術を習得でき、扱うことが可能となる。
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「鑑定」を持っていないため詳しくはわからないがドロップ率は低いアイテムだろう事はすぐに分かった。
「うーん……とりま開けてみようかな」
そう言って巻物を開く。
《スキル「妖術」を習得しました。》
巻物はそれをきに消滅してしまったがしっかりスキルを獲得できたようだ。
「詳しく見てみようっと。ステータス」
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名前 シズ 女 Lv10→12/100
職業:魔戦士
クリティカル率:20%
ステータスポイント 0→20
スキルポイント 0→20
生命 450(+100)/450(+100)
↓
500(+100)/500(+100)
MP 400(+200)/400(+200)
↓
450(+200)/450(+200)
STR 150(+120)→170(+120)
VIT 40(+20)→60(+20)
DEX 35(+30)→40(+30)
INT 35(+30)→50(+30)
LUK 0
AGI 200(+160)→220(+160)
スキル
加速Lv2、攻撃強化Lv3、防御強化Lv1
火魔術Lv1、風魔術Lv1
装備
頭:幻影の滅温首輪(STR+30)
体:幻影の滅臭胸甲(STR+30VIT+10)
腕:幻影の滅気篭手(STR+30VIT+10)
足:幻影の滅音靴(STR+30)
剣:朧霞の直刀《真打》(DEX+30)
副装備:術媒介の呪術符(INT+30)
称号
暗殺者
妖術:複数の属性の魔法が含まれているスキル。魔獣などの得意とする魔術の一種。
内容
・幻妖大炎壁
・幻妖炎竜巻
・幻妖火球
・幻妖人魂灯
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「なかなかいいスキルだったかな?さて……奥に進まないと」
そうしてシズはキュウビの討伐後に現れた奥の部屋へと進んでいった。
結城 蓮です。
第15話です。投稿できなかったんですが、一旦時間ができたので投稿しました。
これからまた、大きな用事もあるから少なくなるのですが、できる限り多く投稿したいと思います。
遅れましたが、ブックマーク登録者が200人を超えました!いつも読んでくれてる皆さんありがとうございます。
そして目指せ書籍化!総合評価6万点までは遠いのですが、頑張って行きたいと思います。
もしかしたら記念とかに番外編とか作るかも?しれません。
最後に初見さん方。
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