11話 商人登録はお早めに
なんやかんやで2人ともオリジナル装備を手に入れていた2人は、特に何もするでもなくただ、ワールドギルド周辺の散策をしていた。
そんなサナとシズに近づく人物がいた。
※
いやーまさかシズがもうオリジナル装備を持ってるなんて思わなかったよ。
いや、まぁシズはすぐに持っていてもさぁ、不思議じゃないけど……
あんまり堂々と自慢できなかったよ……
「あっ、ねぇサナ、アイテムショップあるよ?行かない?」
「あ、行く行くー」
返事したのはいいけど……何か売れるものあったけなぁ……
「あー!いたー!」
「……?」
何か呼ばれたような……?
「あー!コラ無視するなぁー!」
やっぱり私?
「お姉ちゃん!」
「え?」
声のした所を見たらなんと妹ちゃんがいるではないか!
走ってきていて少し待たないと……
関係ないけど実は私妹ちゃんに対してコンプレックスがあってね……
今も妹ちゃんの走りに合わせて揺れてて……
……私本当にお姉ちゃんかな?
うぅ〜〜…………今は置いておこう。虚しい。
妹ちゃんと合流してアイテムショップに向かって歩きながら会話する。
「ごめんごめん……でもどうしたの?明日まではできないんじゃなかったの?」
「なんとか終わらせたんだ、明日までの課題は」
妹ちゃんはこのゲーム買ったその日に先生から期限一週間の大型の課題を出されていて、泣く泣く私を先にプレイさせていたのだ。
先生の計算上ぎりぎりで終わらせられるとのことだったのに……妹ちゃん恐るべし……
「ねぇ、叶海ちゃんここでの名前はどうしたの?」
シズが聞きたかったことを聞いてくれたありがとうシズ。
「あ、本城先輩……ここではユズって名乗っています」
「ユズね……ここではシズって名乗っているからよろしく」
「ユズちゃん、お姉ちゃんはここではサナって言うよ」
「うん、分かったお姉ちゃん」
そう話しているうちにアイテムショップに着いた。
ひとまず解散してみんな気になる所に行った。
私?私はお金を作りに行くところ。
と言う訳で、売却窓口に来たのだ。
ちなみに売却窓口では、たまにプレイヤーが担当してるところがあって、買い取ったアイテムをそのアイテムショップから買い取る事ができるシステムがあるんだって。
ここではプレイヤーさんが窓口を担当してた。
物凄く大人っぽい綺麗な女の人だ。
「いらっしゃいませ。売却窓口です。何をお売りになりますか?」
あ、凄く丁寧に接してくれる。これなら安心できそう。
「これを売りたいんですけど」
そう言って私は蜘蛛の糸を1本、牙を2本出した。
「かしこまりました。確認のために伺いますが職業は魔術師でよろしいでしょうか?」
「あ、商人兼魔術師です」
「ありがとうございます。……では商人カードをお持ちでしょうか?」
なにそれ……持ってないし知らない。
「すいません……持ってません」
「やっぱりそうだったんですね」
「やっぱりって……?」
エスパーかな?この人
「いえ、ここには何も興味を引くようなものは置いてないですし、貴方はその装備でいながらとてもこの店を興味深そうに見ていたので、あまりここに来ない上位プレイヤーか、初心者なのではないかと踏んだのですよ」
「初心者です……」
「では、失礼ながらアドバイスを、貴方のタイプなら冒険者ギルドと商人ギルド両方で登録をすればいいでしょう。とりあえず何もなくても買い取れるのでこれらの品は買い取らせていただきますね」
「あっありがとうございますっ」
何か親切な人だなあ……また来たときに何かお礼できる物持っていこう。
「買取金額は4000Gです。お売りになりますか?」
え、高っ!!あれ実は貴重?
「貴重なものなんですか?」
「ああ、ボス級の素材である事と、よく使用される素材である事、そして現在数が少なく高騰しているからですね」
それでか……でも高いアイテムってあんまり買いたくないもんね……
「なるほど……じゃあ少し安くして買い取ってください」
「?どういう事でしょうか」
「安くする代わりに私の名前を少しだけ広げてほしいの。これから私は自作アイテムを売る商売人になるからお客さんがほしいの」
お客のこない店はただの家だもんね。家買う予定も持つ予定もないけど。
「ではいくらでお売りになりますか?」
「2000Gで」
半額にした分広めてね。
「かしこまりました。こちら2000Gです。またのご利用をお待ちしております」
「ありがとう。またね」
思ったより時間かかったな……もう遅いし皆と少し話してから今日は終わりにしよっと。
明日は登録しに行かないとね。
結城 蓮です。
決して高くないけどランキングに入りましたー!
36位でした。あ、ジャンル別ね。
目指せ書籍化&高順位!
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また次回合いましょう。