1話 勧められて始めたソフト
OMO……それは魔法を開発しその魔法を使い戦う、独自創作性を重視したVRMMOである。
時に争い時に協力し強大な敵に立ち向かう―――自分の在り方は自由自在!さあ、冒険を始めよう!
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そんな謳い文句が書かれているパッケージを見て私―――金本美波はつい買ってしまったと少し後悔してしまった。
このゲームOMOは妹の叶海に勧められ買ったソフトだ。
私は実はあんまりゲームをしないんだけどかわいい妹の誘いは断れない。更に一番仲のいい友達も買っているときたわけです。
流されて買ってしまったところでもう遅い。仕方がないので少し埃の被ったスキャナーをきれいに拭きソフトを接続し電源を入れた。
そして頭に被ってログイン開始。あっという間に目の前が真っ暗になり次の瞬間すぐに明るくなった。
でもまだゲームの世界に入った訳じゃない。ここで初期設定をするのだ。
アナウンスの声が響いた。
【名前を登録して下さい。】
まずは名前、可愛い名前にしたいよね。名前は第一印象を決めるっていうほどだし。
うーん……どうしようかな……まあでも適当に付けよう。私の名前は……サナ……そうしよう!
さて次は……?
【性別及び身長その他身体データは現実世界同様となります】
えぇーー!何で!?いいじゃん!ケチ!
なんて言っても駄目でした……ゲームの中ではもう少し大人っぽくなりたかったのに……
【次は職業を選択します。尚設定後に変更が出来ます。】
おお……職業……!!なになに?
戦闘職
魔術師:自然系統の魔法を扱う。基本中の基本とも言える魔術。
呪術師:魔、悪、呪系統の魔法を扱う。消費が大きいが高火力。
僧侶:聖、善系統の魔法を扱う。主に支援を得意とする。
魔戦士:魔法と武術を扱う職業。武技と魔法の相乗効果が得られる。
非戦闘職
商人:素材などの商品を販売し成長していく、副業ができる。ただし、初めはランダムで副業が決まる。
踊り子/演出者:踊り/演出で人々を魅了する。味方や観客にバフを与える。
加工屋:鍛冶、裁縫、園芸など様々なことをこなす生産職。非戦闘職の中で最も人気がある。
この中から決めるとのことだ。でもひと目見た時から決まっていた。
「商人でお願いします。」
私には踊れるほどの体力はない。
かと言って手先も器用じゃない。
力なんか無いも同然だから自然と決まってくる。
何より戦いたくない。
【―――設定しました。副業は『魔術師』です。】
……え?何で?戦いたくないのに……
【設定を終了します。限りのないご武運をお祈りします。】
そうして私ははじめの街「ラスタドーラ」に立っていた。
「あ、まずはポイントをステータスに割り振らないとだよね」
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名前 サナ Lv1/100
ポイント 50
HP 100/100 MP 50/50
STR 0 VIT 0 DEX 0
INT 0 LUK 0
職業 商人、魔術師
スキル
なし
称号
なし
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妹ちゃん曰く、魔法使いにはINT(賢さ)、DEX(器用さ)が必要とのこと。
ちなみに商人はLUK(運の良さ)、DEX(器用さ)がいるらしいから……
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STR 0 VIT 0 DEX 10
INT 10 LUK 30 AGI0
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よしこれでいいでしょう。攻撃しないんだし。なんて考えていたら―――
【ステータスが一定を超えました。スキル『幸運』を獲得】
アナウンス登場。スキルの獲得を知らせてくれた。
いきなり過ぎて少し変な気分だけど確認してみよう―――
結城 蓮です。
並列作品を書き始めました。
ここでは『理不尽な理由で異世界召喚されてムカついたので魔王になろうと決意しました。』に登場するゲームOMOの世界を書いています。
翔吾が、この世界にいた時の話をどうかお楽しみください。