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2 読者が気持ちいい話つくり

自分が平凡であることは幸いである、想定読者は「私」でいいからだ


 1の工程で自分うけのよい作品の要素はある程度把握していただけたのではないかな、と思います。

 今度はそれを読んでもらえる作品にしていきましょう。


 1の最後に、「作者もわがままでいいんです。好きに書きましょう」と書きました。

 「好きに書いたら読者さん離れない?」と思う方もいらっしるかもしれません。


 安心してください。


 あ な た は 自 分 が 思 っ て い る よ り 平 凡 で す 。


 認めたくない人もいらっしゃるでしょうし、実際に変な人もいますけど、1の途中過程で並べた好きな作品のうち、いくつかでもメジャーな作品が含まれていれば、「あなたと似たような感性をもった消費者がその作品の消費者の数だけ存在する」と言えます。

 ね? なんだか自分って普通じゃね? って思いませんか?


 冷静になるとだいぶ屁理屈なんですが、突っ込まないでくれるとありがたいです。前提が破たんするので。


 次に、読まれる作品はどんな作品かを決めておきましょう。

 読まれる作品というのは、よく創作界隈で目にする図なんですが、「書ける(書きたい)」「自分が読みたい」「読者が読みたい」の三つの円が重なったベン図の中心部分に当てはまる作品だと言われています。(他にも諸説あると思いますが)


挿絵(By みてみん)


 読み専あがりの作家だとこの工程をかなり簡単にできます。

 なんでかって?

 自分が読者なので、「書ける(書きたい)」「私(読者)が読みたい」の二つの円だけ考えれば良いからです。


挿絵(By みてみん)


 自分が平均的な読者(=メジャーな作品にメジャーな性癖がある)って楽ですね!!!


 使う要素や展開は固まった、読者が読みたいものは私が読みたいものだから完璧だね!()




 次、意外と盲点だったりするんですが、要素削りの工程です。


 相性の悪い要素は削ります。扱いきれないので。

 自分がこれから書くお話の中でどういう要素を楽しんでほしいか優先順位をつけて、優先順位の高い要素と相性が悪いものは削りましょう。


 書くのが決まってたのは「生産系」の「エンジョイ勢」です。

 VRMMOジャンルは基本的に架空のゲームの実況ですが、その中でもさらに分けられてチート能力でわけるなら「戦闘系」「生産系」「種族系」、雰囲気で分けるなら「ガチ勢」「エンジョイ勢」「デスゲーム」……、かな?

 デスゲーム系は苦手そうで全然食指が動かないんでこの分類に関してはまったく自信はないですが、作者さんたちはこの辺の要素を好き勝手にあわせてます。欲張りさんは「戦闘系」「生産系」「種族系」全部の要素盛ってきます。盛りまくっても面白いのは面白い。


 それでもってギャンブル・クリエイターでは「笑いの提供」がたぶん一番優先順位が高かったと思います。読者さんにクスッとしてもらったり、ツッコミを入れてもらったり、爆笑してもらったり、草を生やしてほしいなって思ってたましたので。


 その結果、主人公がのびのびのんびり阿鼻叫喚している作品にしたいな、って感じでまとまりました。


 このときに排除されたのは「どうにもならないシリアス展開」「生半可な覚悟では突破できない壁」「悲壮感」「純粋な戦闘能力」なんかですね。あっても大丈夫な要素もありますけど、いらないかなって思ったのでとっちゃいました。

 なんでも一人でこなせる主人公は物語を作りにくいっていうのもあるんですけどね。


 加えて、読者(=私)が読みたくないものは入れないぞという部分をこだわっていきます。

 ベン図でも綺麗に入ってないでしょう、読みたくない部分が(当然と言えば当然)。


 当時のわたしは「VRMMOだと、男の娘系はもう飽きたなー」ってなってました。OSOのせいでめっちゃ流行ってたんです、女顔にコンプレックスをもってる主人公。美形もです。みんな美形になりたいから仕方ないね!()

 よし、見た目は普通でいこう!


 あと、ゲームなのに死なない主人公も飽きてました。でもデスゲームは読みたくなかった。デスぺナが重い(重く見える)のもエンジョイ勢としては楽しくない。

 よし、死ぬときは死ぬけどおもいきり笑える死に方にしよう! 命、軽めに!


 ハーレムは絶対イヤ。地雷なのでいれない。

 しゃべるもふもふも絶対イヤ。簡単に意思疎通ができたらつまんない。

 オムライスが卵一個からできるのはイヤ。現実っぽい仕様のゲーム設定にしよう。

 主人公が力をひけらかしてるのイヤ。地味に暗躍してくれ。

 主人公が素直に報われるのイヤ。でも主人公が苦労するのもイヤ。傍から見ると良いとは頷きにくいイベントで話を作ろう。


 こんな感じで細かく私(=読者)向けにカスタマイズしていきます。この辺は好き嫌いが激しい人ほど捗る作業ですね。


 こんな感じでギャンブル・クリエイターは爆誕しました。いえい!


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