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老将はいまだ衰えず

作者: にゃのです☆

 負け戦。

 戦端を開いたのは敵さんだが、自信満々で防衛に出て行った奴が負けた。

 次に任せたやつも負けた。

 これで兵力五万、それに付随する糧秣や物資も丸々敵のものとなってしまった。

 重要な拠点も今や敵のものとなっている。

 いやはや、喉元に剣を突きつけられている状況ですな。


「楽しんでますかの?」

「セト軍師か。若い奴らにはまだ早かったかな」

「もう少しは粘ると思っていたのですがね」

「お二人とも、年甲斐もなく嬉々としないでください」

「なんじゃ、マキ内政長官も来たか」


 若い頃からこの三人で暴れていた。

 内政はマキが、軍事はセトが。

 それをまとめていたのが私だ。

 もう三人とも老いぼれの将だ。

 だが……。


「報告いたします! 敵勢二〇万、城塞より真っ直ぐこちらに向かってきます!」

「二〇万ですか。どういたしますか王?」

「マキの言う通り。どうしますか王?」

「……暴れるより他ないのでは?」


 三人が静かに笑う。

 

「こちらの勢力は精々二万強」

「内政的にもそれぐらいが妥当。国境より追い出す程度なら糧秣、物資も捻出できます」

「ならば二万で行こう。セトいつものようによろしく頼む」

「十倍とは少々物足りませんが、とりあえず仕込みと行きましょう」


 セト、マキの慣れた指示であっという間に準備が整い。

 セトは兵力を分散し伏兵として作戦を着々と開始し、マキは糧秣、物資の準備を整えると民を指導し慣れたように避難を開始すると同時に守備を固めた。

 ここまで柔軟に行動できるのは経験からかもしれない。

 それを見ていた私も久々に前線で戦いたくなってきた。だから、剣を持って行こうと思ったら。


「「王はここにいてくだされ!」」

「ケチじゃ!」


 二人からのツッコミ。

 このやり取りも何十年続けているのだろうか……。

 それすらも懐かしさを感じてしまう。

 

 結果からは圧勝。局地的にはそうだが、全体的には辛勝。

 物資を失ったし、人員も失った。

 また、復興に力を注がなくては。


 老骨いまだに衰えず。


 各国に名を轟かせた老将三人の活躍がまだまだ続く。


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